介護事業

介護事業の利用者は、身体的機能が低下している人々であり、そのため、介護事故も起きやすい状況にあると言えます。また、施設で働く人々の負担も少なくないことが多く、労務関係のトラブルも起きやすいと言えるでしょう。このページでは、介護事業における顧問弁護士の役割やメリットなどについて記載していきます。

1 介護事故が起きたらどうなる

介護事故については、転倒、誤嚥、失踪など様々なものが考えられますが、いずれについても、当該事故に法律上の責任がある場合は、賠償責任が問われます。問題は、どのような場合に法律上の責任があるといえるのかということだと思います。

これについて、事故の類型が様々であるため、すべてを同じように考えることはできませんが、例えば、失踪の場合、失踪が予測できたか、失踪を防ぐための体制・設備が整っていたか、職員の介護の方法(目を離した時間など)に不適切な点がなかったかなどを総合的に考慮した上で、法律上の責任の有無が判断されることになると考えられます。

例えば、静岡地裁浜松支部平成13年9月25日判決において、施設利用者の認知症(なお、判決文においては「痴呆」という言葉が用いられています。)の程度、靴を取ってこようとし、廊下をうろうろしていたなどの行動から施設を出て行くことの予見が出来たと判断した上で、施設利用者が実際に施設を出て行ったことについて、施設利用者の行動を注視して、施設から脱出しないようにする義務に反したとして、法的責任を認めています。

また、この裁判例においては、法令で定められた人数の職員では、施設利用者を注視することが過大な負担としつつも、法的な責任を認めている点が重要です。すなわち、施設としては、職員の人数を増やして注視できる体制を取る必要があると考えられますが、これは法令で必要な職員の人数を超えるものとなります。つまり、法律上の責任は、法令のルールを守るだけで免れるわけではないのであり、過去の裁判例上、どのような場合に責任を認めているのかを知らなければならないといえます。

2 正しくリスクを知ること、正しくリスクを引き受けること

上記のとおり、介護事故が起きた場合、法律上の責任があれば賠償責任を問われかねません。多くの問題において、事後的に対応するより、事前の対応が重要なように、介護事故に対する法律問題についても事前の対応が重要となっていきます。そこで、事前の対応について、述べていきたいと思います。

まず考えられることは、どのような法的リスクがあり、過去の事例から、どのような対策が必要とされているのか知るということが重要と考えられます。そもそも、生じるリスクを知らないままでは、事業の継続は困難になると思います。また、リスクが分からなければ、対応を取ることもできません。さらに、過去の事例から、どこまでの対応が必要なのかを知らないと、過小又は過剰な対応になってしまい、継続的な事業が困難になってしまうでしょう。そのため、まず、リスク及びそれに対してどこまでの対応が必要なのかを知ることが大切となります。

また、入居者との間の契約内容を見直すという対応も考えられます。このように述べると、責任があっても賠償請求が問われないような内容にするのかと思われるかもしれませんが、もちろん、そういう趣旨ではありません。引き受けるべきではない責任まで引き受けないように、内容を考えることが重要ということです。つまり、契約の内容によっては、介護事業者が本来責任を負わなくていい場合でも賠償責任を負うような契約になっていることがあります。しかし、これでは、むやみに責任を負うことになってしまい、事業として継続していくことが困難でしょう。また、責任を負う範囲を過少に定めてしまい、施設利用者が不安になるような契約になっている場合もあり、これでは、その介護事業所を利用しようとは考えないでしょう。そこで、法律上、どのような責任を負うべきなのかを知った上で、その契約内容を考えていくことも重要といえます。

ほかにも、労務管理を適切にするということも大切なことです。長時間労働や、適切に休みがない結果、介護事故が起きた場合、事業所の責任は大きなものといえるでしょう。したがって、労務管理は、介護事故に対する事前の対策としても重要なことといえます。

このように、法律面からも介護事故に対する対応は必要と思われます。そして、顧問弁護士は、御社の状況を理解した上で、法的なアドバイスができるため、一般の法律相談に比べても有用なアドバイスになることが多いでしょう。そのため、介護事故への対応を考えも、顧問弁護士がいることは有用であると思われます。

3 職員の労務管理

介護事業は、人の生命・健康を預かっており、その分、大変な仕事であると思います。そのような中で、適切な労働条件でなければ、職員も集まらないでしょう。また、大変な仕事であるため、使用者と労働者間でトラブルが生じやすいと言えます。

このようなトラブルの対応や事前の対策としての就業規則の見直し等は、介護事業を続ける上で、重要な要素になると考えられます。

当事務所は、労働事件も多く扱っております。したがって、事前の対応としての就業規則の作成や、トラブルが起きた際についても、対応することが可能です。

4 最後に

介護事業は、人の生命・健康を預かる大切な仕事であり、現在の社会において、なくてはならない存在です。一方で、法的なリスクも抱えやすく、事前の対応が重要となってくるでしょう。また、問題が生じた場合においても、問題を早期に解決するために、顧問弁護士の存在をご検討いただければと思います。

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※会社側・経営者側専門となりますので、労働者側のご相談は受け付けておりません

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