婚姻費用分担請求の方法と注意点

コラム

離婚前に別居をする場合、別居中の生活費に不安がある方も多いでしょう。しかし、別居中の生活費は、「婚姻費用分担請求」によって相手に請求できる場合があります。
ただし、婚姻費用の請求にあたっては、適正な金額で請求したり、裁判所の手続きをしたりと、注意点もあります。本ページでは、婚姻費用分担請求ができるケースや、請求の流れを解説します。別居前の方や、別居中の生活費でお悩みの方は、ぜひご覧ください。

婚姻費用分担請求とは?

婚姻費用分担請求とは、夫婦のうち収入の少ない側が、相手に婚姻費用(生活費、子供の学費など)を請求することです。夫婦は、同居・別居にかかわらず支え合って生活する義務があるため、相手が婚姻費用を支払わない場合、婚姻費用分担請求によって回収することができます。

働いていても婚姻費用分担請求できる?

働いていても、自身の収入が相手の収入よりも少なければ、婚姻費用分担請求をすることができます。夫婦には、お互いの生活水準を同程度に保つ義務(生活保持義務)があるためです。
ただし、自身の収入が多ければ多いほど、基本的に受け取れる婚姻費用は少なくなります。

婚姻費用分担請求を行うメリット

婚姻費用分担請求を行う最大のメリットは、別居期間中の生活費や子供の学費を確保できることです。別居の場合、婚姻関係は続いているため、離婚後に受けられるような公的支援制度が利用できず、経済的に苦しくなりがちです。相手に婚姻費用分担請求をし、生活費などが保障されることで、安心して離婚に向けた準備が進められるでしょう。また、婚姻費用は、離婚成立又は別居の解消まで発生するものですで、仮に離婚協議等が長期化したとしても、安心できます。

離婚調停と同時に申し立てる場合のメリットは?

婚姻費用分担請求調停は、離婚調停と“同時に”申し立てることもできます。“同時に”申し立てられるのがポイントで、次のようなメリットがあります。例えば、もし離婚調停が不成立になっても、婚姻費用分担請求が認められれば、婚姻費用だけはすぐに受け取ることができます。
また、基本的に、婚姻費用の請求期間は「婚姻費用分担請求調停の申立て時から」となるため、離婚調停が不成立になってから婚姻費用分担請求調停を申し立てるよりも、長期間分の婚姻費用を受け取ることができます。
さらに、2つの調停期日を同時に進めるため、調停の回数や期間を短縮できるのもメリットのひとつです。

こんな場合は婚姻費用分担請求が認められないことも……

婚姻費用を請求する側(権利者)が、浮気・DV・勝手な家出など、別居の原因を作った有責配偶者の場合、婚姻費用の請求が認められなかったり、減額されたりすることがあります。夫婦関係を破綻させておきながら、婚姻費用まで請求するのは、道理に反するためです。
ただし、権利者が子供を連れて別居した場合、本人の生活費分は請求できませんが、子供の生活費や学費といった養育費相当だけは請求できるのが一般的です。

婚姻費用分担請求の方法

婚姻費用分担請求の流れは、まずは相手と話し合い、金額などを決めていきます。相手が応じてくれなかったり、合意できなかったりした場合、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てます。調停では、調停委員が、夫婦の意見や事情を踏まえ、妥当な婚姻費用の金額を提案するなどして、合意を目指していきます。

ただし、調停を申し立てる前に、内容証明郵便で相手に請求することをおすすめします。内容証明郵便は、送った日時や手紙の内容が公的に記録されるため、婚姻費用を請求した事実を確実に証明できます。また、内容証明郵便を受け取った相手が焦りを感じ、自発的に婚姻費用を支払ってくる可能性もあります。

婚姻費用分担請求調停の流れ

相手と話し合っても合意できない、内容証明郵便を送っても支払いに応じないといった場合、速やかに婚姻費用分担請求調停を申し立てましょう。以下で、調停を申し立てる際の必要書類や、調停の流れについて解説します。

必要書類

婚姻費用分担請求調停を申し立てるには、以下の書類が必要です。

  • 申立書の原本および写し各1通(写しは相手に送付されます。)
  • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
  • 申立人の収入に関する書類(給与明細、確定申告書、源泉徴収票など)

また、書類を提出する際は、以下の費用もかかります。

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用郵便切手(約1000円前後です。具体的な金額は、裁判所によって異なります。)

申立て~調停完了までの流れ

①家庭裁判所に、婚姻費用分担請求調停を申し立てる(申立先は、「相手の住所地を管轄する家庭裁判所」または「夫婦が合意して選んだ家庭裁判所」です)。

②申立人と相手に、第1回調停期日の案内が届く(申立てから約2週間)。

③第1回調停期日を行う(申立てから約1ヶ月後)。

④第1回調停期日で合意できない場合、第2回以降の調停期日を行う(約1ヶ月ごと)。

⑤調停が成立または不成立となる(申立てから平均で3~5ヶ月)。

調停成立の場合

婚姻費用の合意ができた場合、調停が成立し、「調停調書」が作成されます。調停調書は、調停で合意した内容が記載された書面です。
調停調書は、裁判の判決書と同じくらい強い効力があるため、相手が調停調書の内容を守らない場合、すぐに強制執行(財産の差し押さえ)をして婚姻費用を回収することが可能です。なお、一度確定した調停調書は基本的に修正できないため、内容に不備がないかきちんと確認することが重要です。

調停不成立の場合

婚姻費用の合意ができない場合、調停は不成立となり、そのまま審判に移ります。審判では、調停で話し合った内容や夫婦の事情などをもとに、裁判所が、婚姻費用について判断を下します。また、審判で決まった内容は「審判書」に記載されます。
審判書も、裁判の判決書と同等の強い効力があるため、相手が審判の内容に従わない場合、強制執行によって婚姻費用を回収することが可能です。

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婚姻費用の調停で質問される内容

婚姻費用分担請求調停で聞かれる質問は、次のようなものがあります。

  • 調停を申し立てた経緯
  • 別居の理由や別居期間
  • 現在の収入や生活費の負担状況
  • 子供の監護状況
  • 支払ってほしい婚姻費用の金額や期間

質問に対しては、正直に答えましょう。嘘が発覚すると調停委員の信用を失い、不利な結果になりかねないためです。また、婚姻費用以外に特別の支出がある場合や婚姻費用を特別に算定すべき事情がある場合には、伝えておく必要があります。例えば、「子供が私立学校に通っており、学費が高いこと」「ローンの返済にお金がかかること」などです。また、相手の主張や収入を確認し、おかしな点があれば反論することもポイントです。

婚姻費用分担請求調停に欠席するとどうなる?

相手が欠席の連絡をした場合、調停期日が延期され、新しい日程がそれぞれに通知されます。なお、当初の日程で申立人の聞き取りだけ行い、次回期日にて、相手の聞き取りを行う場合もあります。

相手が無断欠席した場合、申立人の聞き取りだけが行われ、その期日は終了です。なお、相手が無断欠席の場合、申立人が、「相手の収入や生活状況」「相手は次回の調停に出席しそうか」といった質問をされることがあります。相手が2回連続で無断欠席した場合、調停は不成立となり、審判に移るのが一般的です。
調停を無断欠席すると、自身の意見や事情がまったく考慮されず、不利な結果となるリスクがあります。欠席する場合、必ず事前に連絡をいれましょう。

今すぐにでも婚姻費用を支払ってほしいときは?

調停や審判の結果を待てないほど生活が困窮している場合、2つの対処法があります。

1つ目は、「調停前の仮処分」という、調停の申立てから終了までに行う手続きです。裁判所に申し立て、必要と判断された場合、裁判所から相手に、婚姻費用をすぐに支払うよう勧告・命令をしてくれます。なお、調停前の仮処分に強制執行力はなく、相手が支払わないからといって無理やり回収することはできません。とはいえ、勧告・命令に従わない相手は10万円以下の過料に処される可能性があるため、効果的でしょう。

2つ目は、「審判前の保全処分」です。これは、通常、審判の決定を待つ間に行う手続きですが、婚姻費用は特に急を要するため、調停中から申し立てることができます。審判前の保全処分には強制執行力があり、相手が命令に従わない場合、強制執行によって婚姻費用を回収することが可能です。ただし、審判前の保全処分をするには、「援助してくれる親族がいない」「生活保護の受給に時間がかかっている」など、緊急性が高い必要があります。

婚姻費用分担請求で弁護士にできること

婚姻費用分担請求を弁護士に依頼するメリットは、「適正な婚姻費用の計算」「相手との交渉」「調停や審判での主張」を任せられることです。
具体的には、婚姻費用算定表にあてはまらない場合でも別の計算式を使ったり、個別事情を反映させた金額で相手と交渉したりしてもらえます。
また、調停や審判に同席してもらうことも可能です。効果的な主張によって調停委員を味方につけたり、不安や緊張を和らげたりすることもできるでしょう。

婚姻費用分担請求でお困りなら弁護士にご相談ください

婚姻費用が支払われない場合、夫婦関係が悪化していることがほとんどでしょう。相手にひたすら請求しても、支払ってもらえない可能性もあります。また、調停を申し立てようにも、慣れない手続きや準備に戸惑うことも多いはずです。弁護士であれば、豊富な知識と経験をもとに、調停をスムーズかつ有利に進めるようサポートができます。また、ご依頼者様の事情に応じて適切な婚姻費用を請求できるため、損をする心配もありません。

別居後の生活を安定させ、離婚に踏み出すためにも、婚姻費用分担請求をお考えの方は、まず弁護士へご相談ください。

離婚する際、車の財産分与で揉めるケースは少なくありません。「車は財産分与できるのか」「愛着のある車を手放したくないが、どうすれば良いのか」など、あらゆるご不安があるでしょう。
本記事では、離婚時の財産分与の中でも「車」に焦点を絞り、財産分与の対象になるケースとならないケース、車ならではの注意点など、幅広く解説します。離婚を検討しており、車をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

車を財産分与する方法

財産分与は、夫婦で共有財産を折半するのが基本ですが、車そのものを物理的に半分に分けるわけにはいきません。そこで、車を財産分与する際は、以下のように、夫婦の事情に応じて2つの方法がとられています。

売却する

どちらも車が不要であれば、車を売り、売却金を分け合うのが良いでしょう。現金を分け合うだけなので、シンプルな方法です。ただし、ローンが残っている場合、車の所有権はローン会社やディーラーにあるため、勝手に売却することはできません。売却前に、ローン会社やディーラーに所有権解除の手続きなどが必要になるため、早めに確認することをおすすめします。

車の評価額の半分を支払い、片方が乗り続ける

離婚後もどちらが車に乗り続ける場合、一方が車を手に入れるだけでは不公平です。そこで、車を受け取る方が、もう一方に、車の評価額(価値相当額)の半額を代償金として支払うことで、それぞれ平等に利益を得ることができます。あるいは、代償金ではなく、車の評価額相当のその他の共財産(預貯金・宝石・家財など)を、もう一方に譲り渡すという方法でも構いません。この場合、物々交換のようなイメージで、平等に利益を得ることが可能です。

車の評価額は何を参考にすればいい?

車の財産分与では、上記のどちらの方法をとっても、適正な評価額を知る必要があります。評価額は、買取業者に査定してもらうのが一般的です。ただし、業者によって査定結果が異なる場合があるため、いくつか見積もりをとるのも良いでしょう。

また、「レッドブック」という本を参照する方法もあります。レッドブックでは、車種・年式・形式ごとに、車の市場価格が一覧化されているため、ご自身で評価額を調べることが可能です。ただし、実際の車の状況が反映されていないことや、情報が古いといった注意点もあるため、目安に留めることをおすすめします。

財産分与の対象にならない車もある

どちらかの独身時代の貯金で購入した車や、親などから相続した車は、その人の「特有財産」として、財産分与の対象にならないのが原則です。

また、ローンが残っており、ローン残高が車の評価額を上回る「オーバーローン」の場合も、財産分与の対象にならないのが一般的です。これは、基本的に財産分与されるのはプラスの財産のみであり、オーバーローンの場合、売却しても負債というマイナスの財産しか残らないためです。財産分与を行うのであれば、ローンと自動車を一方が両方とも取得することで解決するケースが多いです。

さらに、購入後かなりの年数が経過しており、車に資産価値がないような場合も、資産価値がほとんどないことから、代償金を求めることは困難です。

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財産分与の対象になるのはどんな車?

夫婦が結婚後に協力して入手・維持した車は、「共有財産」として財産分与の対象になります。代表的なのは、夫婦が結婚後に稼いだお金で車を購入したケースです。
そのほかにも、財産分与の対象になる車を判断するポイントがあるため、以下でご説明します。

共有財産であれば名義は関係ない

車が共有財産にあたる場合、名義人が誰であれ、財産分与の対象になります。そのため、結婚してから夫婦の収入で購入した車(婚姻前の資産を源資として購入した場合については、下記のとおりになります。)などは、たとえ一方が名義人であったり、主に一方が乗っていたりしても、基本的に財産分与されるといって良いでしょう。

特有財産であっても、車の維持費の出どころ次第では財産分与の対象に

独身時代に購入したり、相続で得たりした「特有財産」でも、夫婦の協力によって車の価値が守られた場合、財産分与の対象になる可能性があります。例えば、車検やメンテナンスの費用、外装や内装にかけた費用が、共有財産から支払われていた場合などです。

財産分与で車をもらったら、名義変更は必ずやりましょう

財産分与で相手名義の車を受け取った場合、必ず名義変更を行いましょう。名義変更をしない限り、車の所有権は相手にあります。そのため、離婚後に相手が勝手に車を売ったり、ご自身で車検ができなかったりする危険性があります。また、自動車税納付などの通知もすべて所有者(相手)に送られるため、重要な連絡を見落としかねません。

なお、名義変更するための書類は、相手の署名・押印などが必要な場合があるため、離婚前に揃えておくことをおすすめします。

普通自動車を名義変更する場合

普通自動車を名義変更するには、管轄の運輸支局に行き、手続きが必要です。
運輸支局の窓口で必要書類を記入し、持参した書類と一緒に提出します。この際、手数料として500円分の印紙が必要です。申請が完了し、車検証が交付されたあと、税金(種別割・環境性能割)の申告を行うと、名義変更が完了します。
なお、ナンバーを変更する場合は、さらにナンバープレートの購入や返納といった手続きが必要なため、忘れずに行いましょう。

軽自動車の場合

軽自動車を名義変更するには、管轄の軽自動車検査協会に行き、手続きが必要です。
流れは普通自動車とほぼ同じく、窓口で必要書類を提出し、車検証の交付後、税金の申告をして完了です。ただし、ナンバーを変更する場合、必要書類の提出前に、ナンバープレートを返納します。
また、軽自動車の場合、名義変更後に、警察署で車庫証明の手続きが必要な場合があります。車庫証明の要否は地域によって異なりますので、警察署のホームページなどでご確認ください。

自動車保険の名義変更は?

相手から車をもらう場合、自動車保険の名義変更も必ず行いましょう。ただし、等級については注意が必要です。自動車保険の等級は、基本的に親族しか引き継ぐことができないため、等級をそのまま引き継ぎたい場合、離婚前に名義変更する必要があります。

なお、等級を引き継がなくても良い場合、自動車保険の名義変更のタイミングにきまりはありません。とはいえ、相手名義の保険に加入したまま事故に遭うと、保険金の支払いに相手の協力が必要だったり、補償の範囲でトラブルが起きたりするおそれもあるため、実際に運転する前には名義変更するのが原則です。

車の財産分与で分からないことがあったらご相談ください

車の財産分与では、評価額の査定をしたり、ローンの清算を済ませて売却したりと、複雑な手順が多いものです。相場などが何もわからない中、夫婦だけで話し合っていくのは困難でしょう。また、そもそも車が共有財産にあたるのか、判断がつかない方もいらっしゃいます。財産分与に詳しい弁護士であれば、適正な車の価格を算出したり、ご依頼者様の代わりに相手と冷静に交渉してくれたりと、スムーズに、より良い解決を目指すことができます。もし調停などに発展した場合でも、効果的な主張・立証を行い、ご依頼者に有利な結果となるようサポートが可能です。
慣れない離婚手続きの中、財産分与で少しでもお悩みであれば、ぜひ弁護士にご相談ください。

離婚する際は、「有責配偶者」という言葉がよくみられます。しかし、具体的にイメージしづらかったり、離婚にどう影響するのかわからなかったりする方も多いでしょう。
相手が有責配偶者にあたる場合、裁判上の離婚事由が認められやすくなったり、慰謝料を請求できる可能性があります。また、他方で、こちらが有責配偶者に垣外うする場合には、裁判上の離婚が認められない可能性があったり、話し合いが難航したり、適切な主張・立証をしないと不利な結果になったりするリスクもあるため、注意も必要になります。

本記事では、そもそも有責配偶者とは何か、有責配偶者との離婚を進める際の注意点などを解説します。ご自身のケースにあてはまるかどうか、ぜひご確認ください。

有責配偶者とは

有責配偶者とは、離婚の原因を作った側の配偶者のことを言います。
ポイントは、「どんな離婚の原因を作ったのか」です。というのも、ここでいう離婚の原因は、法的に離婚が認められる事由(法定離婚事由)にあてはまる必要があります。夫婦の話し合いで離婚の折り合いがつかず、裁判などで争う場合、この法定離婚事由があり、かつ夫婦関係を続けるのが難しいと判断されないと、離婚は認められないので注意しましょう。

有責配偶者となるケース

有責配偶者とは、離婚の原因(法定離婚事由)を作った側だとご説明しました。では、離婚の原因とは具体的にどんなものでしょうか。以下をご覧ください。

  • 浮気や不倫といった不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みがないほど重度な精神疾患
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

なお、悪意の遺棄とは、「夫婦の同居義務や協力義務を怠り、夫婦関係を意図的に破綻させること」です。例えば、正当な理由や相手の同意もなく別居すること・生活費を出さないこと・健康なのに働かないことなどです。また、その他婚姻を継続しがたい重大な事由とは、DV・過度な宗教活動・極度の浪費癖・犯罪行為などが挙げられます。

有責性を証明するための証拠

裁判などで離婚請求をする場合、相手の有責性を裏付ける証拠を揃えなければなりません。揃えるべき証拠は、相手が作った離婚の原因によって異なります。
例えば、浮気や不倫の場合、性行為中やラブホテルに出入りしている写真や動画・性行為があったとわかるメールのやりとりや領収書などです。DVの場合、傷跡の写真・医師の診断書・録音データなどが有効です。また、悪意の遺棄であれば、別居後の住民票・生活費が振り込まれなくなった通帳・浪費癖がわかる明細書などが良いでしょう。
ただし、証拠を集めるためとはいえ、相手の携帯のデータを勝手にのぞいたり、別居中の相手の家に不法侵入したりすると、違法性が問われて証拠として認められないおそれがあります。証拠集めでお困りの場合、弁護士などにご相談ください。

有責配偶者からの離婚請求は原則認められていない

有責配偶者からの離婚請求は、基本的に認められません。夫婦関係を破綻させたうえに、離婚まで一方的に求めるのは、身勝手で許されないと考えられるためです。
ただし、一定の条件を満たせば、例外的に、有責配偶者からの離婚請求が認められる場合があります。

有責配偶者からの離婚が認められるケース

以下の3点にあてはまる場合、離婚しても影響は少ないとして、有責配偶者からの離婚請求が認められることがあります。

  • 別居期間が、年齢や同居期間を踏まえても相当長期にわたっていること(約10年別居が続いていると、長期と判断されやすくなります)
  • 夫婦間に未成熟子(経済的に自立できていない子供、身体に障害がある子供など)がいないこと
  • もう一方の配偶者が、離婚しても経済的・社会的・精神的に苦しまないこと

ただし、いずれも条件を満たす必要があるということではありません。最終的には、総合的に判断されることになります。

勝手な離婚を防ぐには、離婚届の不受理申出制度を利用する

協議離婚の場合、離婚について夫婦で合意してから、離婚届に記入・押印して市区町村役場に提出するのが原則です。しかし、市区町村役場では、離婚届の記入漏れの確認といった形式審査しかせず、筆跡や当事者の意思までは確認しません。そのため、まだ合意できていなくても、相手が勝手に離婚届を記入・提出すれば、受理されて離婚が成立してしまいます。

これを防ぐため、「離婚届不受理申出」という制度があります。離婚届不受理申出とは、申出人以外から離婚届が提出されても受理しないよう、あらかじめ役所に依頼できる制度です。この制度を利用すれば、ご自身が離婚届を提出しない限り離婚は成立しないため、相手の勝手な離婚を確実に防ぐことができます。

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有責性に時効はあるか

有責性自体に、時効はありません。そのため、相手の過去の浮気やDVなどを理由に、離婚請求することは可能です。ただし、実際の裁判などでは、相手の浮気やDVなどがあまりにも昔のことだったり、すでに夫婦関係が修復していたりすると、離婚請求が棄却される場合があります。なぜなら、有責性が生じた事由が過去のことであった場合、当該行為や事由について宥恕したものと認められる可能性があるからです。

一方、相手の不貞に対して「不貞慰謝料」を請求する際は、時効があるため注意が必要です。具体的には、「相手が不貞をした事実と、不貞相手(名前・住所など)を知った日から3年」または「相手が不貞をした日から20年」が経つと時効が成立し、それ以降は、慰謝料を請求しても認められないのが原則です。

どちらにも有責性がある場合の判断は?

夫婦どちらにも有責性がある場合、それぞれの有責性の大きさによって、離婚を認めるか判断します。有責性の大きさは、行為の程度・行為に及んだ順番・夫婦関係への影響などを考慮して判断します。

そして、有責性が大きい方を有責配偶者・小さい方を無責配偶者とみなすのが一般的です。有責性が同程度の場合、どちらも無責配偶者とみなします。したがって、ご自身に有責性があっても、相手の有責性がより大きいと証明できれば、離婚請求が認められる可能性があります。一方、ご自身の有責性が大きい場合、離婚請求しても基本的に認められませんが、「有責配偶者からの離婚請求が認められるケース」のに該当する場合、例外的に認められる場合があります。

別居中の婚姻費用について

夫婦は、基本的に、別居中でも、それぞれの収入に応じて生活費(婚姻費用)を分担しなければなりません。しかし、婚姻費用をもらう側(権利者)が、別居の主な原因を作った有責配偶者の場合、婚姻費用の支払いが減額・却下される傾向があります。自ら夫婦関係を悪化させておきながら、相手に婚姻費用を請求するのは都合が良すぎるためです。とはいえ、権利者が子供と暮らしている場合、子供は夫婦の有責性に関係なく保護される必要があるため、婚姻費用のうち、子供の生活費や学費といった養育費部分は全額請求できるのが一般的です。

有責配偶者に慰謝料請求する場合の相場は?

有責配偶者に慰謝料を請求する際は、相手の有責性を証明する証拠を揃える必要があります。裁判などでは、基本的に証拠がないと慰謝料の請求は認められないため、しっかり準備しましょう。
なお、慰謝料の相場は、浮気やDVといった事情により異なるものの、100~300万円となるのが一般的です。具体的な金額は、相手の有責行為の程度・期間・子供の有無・心身への影響などを総合的に考慮して、判断することになります。

有責配偶者との離婚は弁護士に依頼したほうがスムーズにすすみます。

有責配偶者との離婚では、相手が証拠を隠してしまったり、集めたものが証拠として不十分だったりと、さまざまな問題が起こり得ます。また、相場を大きく超えた慰謝料を請求すると、かえって不利な結果を招くおそれもあるため、注意が必要です。とはいえ、相手への怒りや悲しみを抱えながら、おひとりで冷静に対応するのは難しいでしょう。離婚問題に詳しい弁護士に依頼すれば、効果的な主張や立証をしてもらえたり、適切な金額で慰謝料を請求してくれたりと、スムーズかつ的確に交渉を進めることができます。有効な証拠を集めるためのアドバイスも受けられて、精神的にも楽になるでしょう。
有責配偶者との離婚をお考えの方は、損をしないためにも、ぜひ弁護士にご相談ください。

相続が発生すると、相続人全員で遺産分割協議をするにしても、相続放棄をするにしても、戸籍を取り寄せて相続人を確認する必要があります。
仮に相続人が一人だけであっても、預金等を引き出すためには、戸籍等を取り寄せて相続人が一人だけであることを証明する必要があります。

相続人調査の重要性

相続人調査のために戸籍を取り寄せることを怠ると、後々大きな問題が生じてしまう恐れがあります。
例えば、遺産分割協議を行った後、実は他にも相続人がいた(家族の誰も知らなかった被相続人の子供が他にもいた場合など)場合は、当該遺産分割協議は無効になってしまいます。

また、仮に相続人が一人で、遺産分割協議なくして遺産相続ができる場合であっても、現実に相続財産を得る場面、例えば、実際に金融機関の預金を下ろす場面などでは、戸籍等を取り寄せて相続人が誰であるのかを証明する必要があります。

つまり、最終的には、ほとんどの場合で戸籍等の取り寄せが必要となりますので、相続人を見落とさないためにも、相続が始まったら早い段階で戸籍等を取り寄せて相続人調査を行うことが重要です。

相続人調査の方法

相続人調査の実際の流れは
①まずは分かる範囲で戸籍を取り寄せる
②取り寄せた戸籍を確認し、他に取り寄せるべき戸籍がないか確認する
③必要に応じて何度かさらに戸籍を取り寄せる
④取り寄せた戸籍をすべてチェックし、相続人関係図を作成する。

相続人調査に必要になる戸籍の種類

戸籍には、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などがあります。非常に若くして亡くなられた場合など例外的な場合を除き、相続人調査には複数種類の戸籍を取り寄せる必要がある子がほとんどです。

戸籍謄本

現在の身分関係を示す戸籍謄本のことを指します。
婚姻届の提出の際に添付したり、パスポートの取得等の手続きで必要となるので、取得された経験がある方も多いと思います。
しかし、相続人調査の場合、この戸籍謄本だけでは不十分であることがほとんどです。多くの場合、下記の除籍謄本や改製原戸籍が必要となります。

除籍謄本

ある戸籍に入っている人がその戸籍から抜ける理由は、結婚、離婚、転籍、死亡等複数の事由がありますが、これらの事由により、当該戸籍に現に在籍している人が誰もいなくなった場合、当該戸籍は除籍謄本となります。

相続人調査においては、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍がまず必要となりますが、この場合、被相続人の子供のころの戸籍などは除籍謄本となっていることがあり、これも取り寄せる必要があります。

改製原戸籍

戸籍は法律等の改正により、何度かその様式が変更されています。例えば、過去、戸籍は縦書きの様式が採用されていましたが、最新の戸籍は横書きになっています。この様式変更前の過去の戸籍を改製原戸籍といいます。

様式が変わる度に戸籍は新しくなってしまうため、法律等の改正による様式の変更前の戸籍が必要となる場合には、この改製原戸籍を取り寄せる必要があります。平成に入ってもこの改製は行われているため、ほとんどの場合、相続人調査において改製原戸籍を取り寄せる必要があります。

相続人調査に必要な戸籍は1つだけではない

相続人調査を行う場合、特殊な例を除いては、複数種類・複数の戸籍が必要となります。
以下、具体的にご説明します。

生まれてから死亡するまでの戸籍すべてが必要

相続人調査においては、最新の(現在の)戸籍以外にも過去の戸籍を取り寄せる必要がります。
誰が法定相続人となるかについての民法の規定(配偶者+第1順位・子、第2順位・直系尊属、第3順位・兄弟姉妹)に照らし、誰が相続人であるのかを確定できるだけの戸籍が必要となります。
そのため、どのような場合も共通して、被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が必要となります。

亡くなった人に子がいた場合

次に被相続人に子がいる場合、被相続人の子が全員わかる戸籍(戸籍上他には子供がいないことがわかる戸籍)が必要となります。
また、被相続人よりも先に亡くなった子がいる場合、当該子についても生まれてから亡くなるまで戸籍を取り寄せた上、当該子の子(被相続人の孫)の有無及び人数も確認できる戸籍を取り寄せる必要があります。

亡くなった人に子がいなかった場合

また、被相続人に子がいない場合、まずは、被相続人の両親が亡くなっているかどうかを確認し、両親が亡くなっている場合は、祖父母が亡くなっているかどうかを確認します(被相続人の死亡時の年齢等によっては曾祖父母についても確認することがあります)。
被相続人の両親等もすべて亡くなっている場合、被相続人の相続人は、その兄弟姉妹となります。
相続人となる兄弟姉妹の生まれてから現在までの戸籍を確認し、被相続人より先に亡くなっている相続人がいないかを確認します。

仮に、被相続人よりも先になくっている兄弟姉妹がいる場合で、当該亡くなっている兄弟姉妹に子がいる場合(被相続人の姪甥)、当該姪や甥が相続人となりますので、当該亡くなった兄弟姉妹の子供がすべてわかる戸籍を取り寄せる必要があります。

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抜け漏れなく戸籍を取得する方法

戸籍の基本的な集め方は、まず、被相続人の死亡時戸籍謄本を取得し、さらに当該戸籍の一つ前の戸籍が、改製原戸籍であるのか、別の本籍地(一つ前の本籍地)であるのかが記載されている箇所を確認し、当該前の戸籍を取り寄せます。
これを繰り返し行い、まずは、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を新しいものから段々と古い戸籍をさかのぼっていくことで集めていくことになります。

また、被相続人の兄弟姉妹の戸籍を取り寄せる必要がある場合などには、上記被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を確認し、兄弟姉妹に誰がいるのかを確認し、一つ新しい戸籍がどこにあるのか(どのような戸籍であるのか)をその記載から確認し、今度は兄弟姉妹の新しい戸籍を収集していくことになります。

戸籍を取得出来たら記載内容を確認する

戸籍を取得した場合、確認すべきポイントは多々ありますが、主には、一つ前の戸籍が前の本籍地の戸籍であるのか、改製による改製原戸籍であるのか、それにともなって、当該戸籍はいつからいつまでの期間を対象としている戸籍であるのか、子供や兄弟姉妹の戸籍を追う必要がある場合当該子供や兄弟姉妹の一つ後の(一つ新しい)戸籍がどのような戸籍であるのかの3店となります。

古い戸籍は確認が困難なことも

正直申し上げて、戸籍を見慣れている方でない限り、上記のような3つのポイントを読み取ることはなかなか難しいと思います。

特に、最新の横書きの戸籍ではなく、過去の縦書きの戸籍ですと、より難しくなります。特に縦書きの戸籍でより過去のものには手書きの戸籍もあり、手書きの場合、現在とはつかわれている漢数字の表記が違ったり、癖を読み取る必要があったりするなど、内容を読み取るには慣れが必要です。

相続関係相関図を作成したら相続人調査完了

上記のように、必要な戸籍をすべて取り寄せたら、それらの戸籍から誰が法定相続人となるのかを民法の規定(配偶者+第1順位・子、第2順位・直系尊属、第3順位・兄弟姉妹)に照らし確認します。
その上で、その内容を相続人関係図にしていくこととなります。
この相続人関係図が作成出来たら、相続人調査は完了となります。

相続人調査をしっかり行うことで後々のトラブル回避にもつながります。弁護士へご相談下さい

相続人が一人や二人のケースで、かつ相続について争いが生じないような場合でも、相続財産を引き継ぐためには、戸籍を集めておく必要があります。

また、相続人が複数人いたり、相続に関して争いが発生していたり、発生が予測される場合、遺産分割の交渉や調停の前提となる相続人に漏れがあると、それまで行ってきた手続きや交渉等がすべて無駄になってしまう恐れがあります。 いずれにしても、相続が発生すると相続人調査(戸籍の収集)は必須であるといえます。

戸籍の集め方がわからない場合だけでなく、なかなか戸籍の収集のための時間が取れない方なども一度専門家にご相談されることをお勧めします。

交通事故に遭った際、お身体やお車が傷ついている中、なかなか示談交渉が進まず、余計に精神的な負担がかかるというケースが多くあります。
それでは、示談交渉が進まない原因は、何にあるのでしょうか。このページでは、示談交渉が進まない原因について説明していきます。

示談交渉が進まない原因

示談交渉が進まない場合、その原因は、いくつか考えられます。その原因は、加害者本人にある場合もあれば、加害者が加入している任意保険会社にある場合もあります。では、具体的に、どのような原因で示談交渉が進まなくなるのでしょうか。以下で説明していきます。

加害者に資力がない場合

加害者が任意保険に加入しておらず、加害者と直接やり取りしている場合、加害者に損害を賠償する資力がなく、示談交渉が進まないケースがあります。
この場合、お車に生じた損害については、「ないところからはとれない」として、あきらめざるを得ない場合もあります。
ただし、お身体に生じた損害については、相手が加入している自賠責保険から、自賠責基準による保障を受けることになります。また、自賠責保険から保障を受けられない場合には、政府保障事業により自賠責基準により保障を受けることができます。

加害者としての意識が低い場合

そもそも接触したことにすら気づかなかった、自分も車や身体に損害が出ているなどで、自分が加害者だという認識が低く又は加害者だと思っていないケースもあります。
その場合には、加害者としての意識が低く、そもそも相手が示談する気が全く無いため、何度連絡をしても無視されるケースがあります。

加害者との示談が進まない場合にできること

加害者本人との示談が進まない場合、話を進めるために何か手段はあるのでしょうか。次からは、加害者との示談が進まない場合にできることを説明します。

連絡を無視される場合は内容証明郵便を送る

内容証明郵便を送ることで、こちらの損害賠償請求の意図を強く伝えることができます。また、内容証明郵便で送ると、どんな内容の文書が、いつ相手に届いたのかが、記録として残ります。そうすると、時効で消滅することを防ぐ催告としての効果もあるため、時効の期限が迫ってきているならば、即座に送ることが有効な手段になります。

ADRを利用する

ADRは、訴訟外で行われる紛争解決手続きです。各弁護士会で実施されていて、弁護士を間に挟んで話し合いをします。間に挟まれた弁護士は、中立の立場で法的な妥当性等を説明しつつ、合意の成立を目指します。
民事調停は、裁判所で行う話し合いの手続きです。調停委員を間に挟んで、相手と話し合いをします。

ADRや民事調停は、間に弁護士や調停委員を挟みますが、話し合いの手続きです。専門家を間に挟むことで、事案に応じた柔軟な解決を図ることが可能です。他方で、あくまで話し合いの手続きであるため、相手が話し合いに応じなかったり、欠席したりする場合、手続きが終了することになります。この場合は、別途新たな手続きをする必要があります。

裁判(訴訟)を起こす

裁判(訴訟)は、原則として、裁判官の判決によって手続きが終了します。つまり、お互いの主張が平行線でも、最終的には裁判官が判断を下すため、結論が出るという点で優れた手続きになります。
また、訴訟を提起したにもかかわらず、相手が無視した場合、裁判官が判断を下すことができるため、無視するような相手方には有効な手続きになります。
しかしながら、裁判官が判断を行うので、必ずしもこちらに有利な結果になるわけではありません。
判決で、交渉段階で提示された金額より低額になるケースもあります。訴訟を提起するかどうかを決めるときは、どのような判決が予想されるかを慎重に見極める必要があります。

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相手方保険会社と連絡が取れない・担当者の態度が悪い場合

相手が保険会社の場合、①保険会社の担当者と連絡が取れず示談交渉が進まない場合があります。というのも、保険会社は、午前9時から午後5時までしか電話がつながらず、その他の時間は自動応答音声になってしまいます。そうすると、会社勤めでなかなか保険会社の受付時間内に連絡が取れない方は、担当者と連絡が取れないことになります。

次に、②保険会社の担当者が全くこちらの話を聞いてくれない場合があります。特に、治療中なのに、治療費を勝手に打ち切ろうとしてくるなど、かなり強引なことをされる場合もあります。

過失割合や示談金額で揉めて進まない場合

過失割合は、事故の態様により目安が決まっています。ただし、事故の態様自体について、又修正要素などについて双方の意見が食い違って話が平行線になり、全く進まなくなってしまうケースがあります。
また、最終的な示談金額について、双方の意見が食い違って話が平行線になり、全く進まなくなってしまうケースがあります。
この場合、相手の資力や気持ちの問題もあるかもしれませんが、主にこちらの請求が法的に妥当なものか否かの判断ができないという理由に、適切な判断ができないということが理由になっていることが考えられます。

弁護士への依頼で態度が変わる場合も

弁護士は法律の専門家であり、交通事故に関して豊富な知識があるため、適切な判断ができます。また、訴訟活動にも精通していることから、示談交渉がまとまらない場合、すぐに法的な手続きに移行することもできます。

このように、弁護士が介入した場合、次の法的手続きに容易に移行することができることから、相手は裁判等の法的手続きに移行することを嫌がり、早期に適切な示談交渉に応じることもあります。

示談が進まずお困りの方は弁護士にご相談ください

以上で述べてきたように、様々な要因で示談が進まないことが考えられます。交通事故による相手への損害賠償請求には、時効があります。時効によって請求権が消滅してしまうということもある以上、示談が進まないからといって放置するわけにはいきません。しかし、焦って適切な手段を採らなかったために、不利益を被る可能性もあります。
示談が進まない場合には、放置せず、焦らず、まずは、ぜひ弁護士にご相談下さい。

後遺障害の等級認定に不服がある場合、当該結果に対して異議を申し立てることが考えられます。しかしながら、異議申立の手続きについては、それぞれの特徴があります。 また、どのような資料を収集し、どのような主張をする必要があるかは、適切な知識がないと困難です。 今回は、等級認定に対する異議申立について、解説します。

後遺障害等級の異議申し立ての方法

後遺障害等級認定に対して、不服がある場合には、①自賠責保険に対して異議申立てを行う、②自賠責保険・共済紛争処理機構への申請をする、③訴訟提起をするという、3つの方法が考えられます。

①については、回数制限がないことや結果が出るまで比較的に短時間な手続きになります。②については、1回しか行えないという特徴があります。③については、訴訟費用がかかることや期間が長くかかるという特徴があります。

自賠責保険会社に異議申立てをする方法

自賠責保険会社に対する異議申立の方法は、事前認定と被害者請求の2種類の手続きがあります。

事前認定は、加害者が加入する保険会社を通じて異議申立を行う方法を言います。他方で、被害者請求は、被害者自身で自賠責保険に対して異議申立を行う方法を言います。

異議申し立て~審査完了までの流れ

異議申立てについては、被害者請求の場合は異議申立書と資料をつけて提出します。自賠責への異議申立の場合、およそ、2~6カ月程度がかかります。

必要書類と入手方法

必ず提出するものは、

  • 異議申立書(書式自由)
  • 委任状【弁護士に依頼する場合】

必要に応じて提出するものは

  • 医師の意見書
  • 画像
  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • カルテ
  • 検査結果(病院から入手)
  • 事故状況の写真や物損の資料
  • 陳述書

前記のような書類を集めて、提出します。

郵送先

事前認定の場合は、加害者が加入している任意保険会社に郵送します。被害者請求の場合は、加害者が加入している自賠責保険会社に郵送します。

審査に時間がかかる理由

異議申立てについて、一見して理由がないことが明らかな場合には、結果は早く出ます。他方で、認定されるか否かの判断が難しい場合には、上部組織にて判断が委ねられることもあります。
より慎重な判断を要する場合には、審査に時間がかかることがあります。

自賠責紛争処理機構に申請する方法

以下のいずれかに該当する場合は自賠責紛争処理機構が使えない

下記の場合には、自賠責紛争処理機構が使えません。

(1) 民事調停または民事訴訟に係属中であるとき又は当事者間の紛争が解決しているとき
(2) 他の相談機関または紛争処理機関で解決を申し出ている場合
※他の機関での中断・中止・終結の手続きをされた場合には受け付けることができます。
(3) 不当な目的で申請したと認められる場合
(4) 正当な権利のない代理人が申請した場合
(5) 弁護士法第72条に違反する疑いのある場合
(6) 自賠責保険・共済から支払われる保険金・共済金等の支払額に影響がない場合
※例えば、既に支払限度額まで支払われている場合
(7) 本機構によって既に紛争処理を行った事案である場合
(8) 自賠責保険・共済への請求がない場合あるいはいずれの契約もない場合
(9) その他、本機構で紛争処理を実施することが適当でない場合

引用元:http://www.jibai-adr.or.jp/enterprise_04.html

異議申し立て~審査完了までの流れ

まず、紛争処理申請書の作成をし、提出する資料を収集します。 次に、申請書と資料を.自賠責保険・共済紛争処理機構へ送付します。 すると、紛争処理委員会が、送付された資料等を審査します。 そして、審査が終わると、紛争処理委員会から調停結果の通知が来ます。

必要書類と入手方法

まず、必ず提出するものとしては、

  • 紛争処理申請書
  • 別紙(紛争処理申請書・「⑥紛争処理を求める事項」について具体的に記載)
  • 同意書
  • 交通事故証明書
  • 委任状【弁護士に依頼する場合】
  • 印鑑登録証明書(弁護士に依頼する場合)

各種テンプレートはこちら:http://www.jibai-adr.or.jp/enterprise_04.html

次に、任意的に提出する資料としては、

  • 医師の意見書
  • 画像
  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • カルテ
  • 検査結果(病院から入手)
  • 事故状況の写真や物損の資料
  • 陳述書

郵送先

下記のいずれか近い方にお送りします。

・東京本部
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-4龍名館本店ビル11階

・大阪支部
〒541-0051 大阪府大阪市中央区備後町3-2-15モレスコ本町ビル2階

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裁判で異議申し立てをする場合

裁判で後遺障害を争う場合、立証責任は被害者側にあります。そこで、裁判においても、前記のような後遺障害を裏付ける資料(医師の意見書等)を提出する必要があります。

自分で後遺障害の異議申し立てをするのは難しい

異議申立は、専門的な知識を要するため、自身で行うことは非常に困難です。また、適切な資料を収集する必要もあるため、自身で行うことは負担が大きいと言えます。

異議申し立ての書類に不足しているものや不備があるとまたやり直し

書類に不備があったり、記載内容に誤りがあった等、適切な異議申立が行えない場合、やり直しになる可能性があります。
この場合、時効の問題もあるため、1回で適切な異議申立を行うことが必要です。

異議申し立ての審査には時間がかかる

前記のよう適式な方法で行えなかった場合、やり直しの可能性があります。
時間を多く要する手続きである以上、時間を浪費しないためにも、適切な知識を有する弁護士に依頼することをお勧め致します。

弁護士に後遺障害の異議申し立てを依頼した場合

弁護士に異議申立を依頼した場合、必要な資料の収集や異議申立書の作成を弁護士が行います。弁護士は、異議申立について、適切な知識を有していることから、有効な異議申立を行うことが可能です。

異議申し立てはいつまでにしなければいけないのか

後遺障害の時効は、症状固定から5年になります(令和2年4月1日前の消滅時効は、消滅時効の期間は症状固定から3年間です。令和2年4月1日より前に症状固定から3年を迎えている場合は、延長されるわけではありません。)。
ゆえに、症状固定から5年以内に異議申立を行う必要があります。

異議申し立ては弁護士にお任せください

後遺障害の等級認定の結果に対して不服がある場合には、不服申立ての手続きが必要になります。前記とおり、どのような手段を用いるかは、各制度や個別具体的な事案によって異なります。
また、適切な異議申立てを行うためには、適切な知識や必要な資料を収集する必要もあります。
そこで、異議申立てを行う場合には、弁護士にご相談下さい。

交通事故に遭われた場合、治療費や休業損害など、賠償の項目が多々ありますが、慰謝料についても請求することができます。慰謝料は、大きく入通院慰謝料に対する慰謝料と後遺障害による慰謝料の2つがあります。以下では、慰謝料の基準についてご説明いたします。

通院3ヶ月で受け取れる慰謝料

通院3か月で受け取れる慰謝料は、交通事故により通院3か月程度を要する傷害を負ったことへの精神的ダメージを、金銭を受領することにより和らげるものです。慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償ですが、同じような被害を負った方でも人によって慰謝料額がバラバラとなるのではありません。通院慰謝料は、公平で予測可能となるよう、基準に基づいて算定されます。そして、通院期間をベースとして、症状、治療内容、通院頻度に応じて慰謝料の金額が増減されます。

通院3ヶ月の慰謝料の算定基準

通院慰謝料は、基準に基づいて算定されますが、以下のように算定基準に基づいて慰謝料の金額を算定します。主に自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があります。

自賠責基準は、自賠責保険の支払い基準です。慰謝料の算定基準としては、最低限支払われる基準です。自賠責の基準は、通院期間×4300円(令和2年3月31日以前の事故の場合には4200円)と実通院日数×2×4300円(令和2年3月31日以前の事故の場合には4200円)の計算方法があります。実際に自賠責から支払われる金額は、その低い方です。

弁護士基準は、過去に起きた交通事故の裁判例の集積により作成された基準です。これは、日弁連交通事故相談センター編・交通事故損害賠償額算定基準(通称、「青い本」と言います。幅のある基準を示しています。)の基準や日弁連交通事故相談センター東京支部編・損害賠償額算定基準(通称、「赤い本」と言います。)の基準により算定されます。

任意保険基準は、任意保険会社ごとに定められている賠償金算定のための基準です。自賠責保険の限度内で保障できなかった部分を補填するための保険ですが、保険会社によって提示してくる金額は異なります。任意保険基準は、公表されていませんので基準を明確にすることはできません(旧任意保険支払基準を用いていたようですが、現在は各保険会社の基準によります。)が、自賠責基準で算定した慰謝料を提示してくることもあります。弁護士基準よりも低額であることは間違いありません。

3ヶ月通院した場合の慰謝料の計算

3か月通院した場合の慰謝料の基準が3種類あります。実際にどの程度異なるのか、一例をあげてどの程度差があるのかご説明いたします。

入通院慰謝料の計算方法

通院3ヶ月、実通院日数45日の慰謝料
自賠責基準38万8000円
任意保険基準37万8000円
弁護士基準73万円(53万円)

●自賠責基準
4300円×90日(通院期間3か月)=38万7000円
4300円×45日×2=38万7000円
→どちらの金額も同じなので自賠責基準だと38万7000円です。
※令和2年3月31日以前の事故の場合だと、37万8000円です。

●任意保険基準
保険会社により異なりますが、旧任意保険支払基準ですと、旧任意保険支払基準表によれば、3か月の通院の場合、37万8000円です。
※現在、旧任意保険支払基準は使われていませんが、自賠責の基準となる一日当たりの慰謝料の金額が、令和2年4月1日からの事故の場合には増額されたので、計算上現在の自賠責慰謝料算定基準での計算よりも低くなります。

●弁護士基準
赤い本より、入通院慰謝料(別表Ⅰ)(一部) 上記の表をもとに慰謝料が算定されます。通院期間3か月ですと、73万円となります。

なお、頚椎捻挫などのいわゆるむち打ち症の場合には、上記の表ではなく、別表Ⅱという別の表を用いて算定します。これは、むち打ち症の場合には、レントゲン等の画像所見上異常が見られない他覚所見がなく、本人が痛みを感じていると訴えていることを頼りとしますので、客観的に妥当な通院期間に見極めが難しく、場合によっては、症状に比較して長期間の通院となってしますこともあり、通常の基準を用いると、不均衡となってしますからです。むち打ち症で通院期間が3か月の場合の慰謝料は、53万円です。

つまり、弁護士基準での慰謝料の金額は、通常の計算方法でも、自賠責基準よりも高く、むち打ち症のように低く見積もられる症状の場合でも、自賠責基準よりも大きく異なります。

後遺障害慰謝料の計算方法

後遺障害慰謝料は、後遺障害が生じたことに対する精神的苦痛に対して支払われる賠償額です。後遺障害慰謝料を求めるには、後遺障害等級が認定されることが重要となります。
交通事故により後遺症が残り、治療をしても改善の見込みがない(このような状態に至った場合のことを「症状固定」と言います。)と診断された場合、後遺障害申請を検討することになります。

例えば、後遺障害等級14級の場合、自賠責基準で支払われる慰謝料は、32万円(実際に自賠責から支払われる金額は慰謝料のみならず逸失利益も含んだ計算となりますので、75万円です。)ですが、弁護士基準では、110万円です。つまり、弁護士基準と自賠責基準とで大きく異なります。保険会社の基準では、弁護士基準に満たないような慰謝料額となりますので、適正額を知ったうえで交渉をしなければ損をすることになります。

別表第1 介護を要する後遺障害慰謝料
等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1650万円(1850万円)
2級 1203万円(1373万円)

※カッコ内の金額は被扶養者がいる場合の適用額
※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

別表第2 後遺障害慰謝料
等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1150万円(1350万円) 2800万円
2級 998万円(1168万円) 2370万円
3級 861万円(1005万円) 1990万円
4級 737万円 1670万円
5級 618万円 1400万円
6級 512万円 1180万円
7級 419万円 1000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

※カッコ内の金額は被扶養者がいる場合の適用額
※自賠責基準は新基準を反映しています。令和2年4月1日より前に発生した事故の場合は、旧基準が適用されます。

通常、3か月程度の通院期間で症状固定となった場合、後遺障害等級の認定を受けることはほぼできなくなります。
通院をしていて保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合には、弁護士に相談するなどして、延長の交渉をするなどの対応をすることが必要です。

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適正な慰謝料を受け取るための注意点

慰謝料の金額は、上記のように通院期間をベースに症状などの事情を加味して算定します。これは、事故の状況や症状に応じて、適切な治療期間であることを前提とした計算となりますので、事故態様や症状からして治療期間や治療頻度が適切でなければ、目安となる慰謝料の金額よりも減額されることがあります。

通院3ヶ月の適切な通院頻度とは?

治療期間(交通事故の日から症状固定までの期間)が長期にわたる場合、治療期間ではなく、実際に治療のために病院に行かれた日数に3から3.5をかけた日数をもとに計算されます。特に、むち打ち症の場合には、裁判例においても、実通院日数に3をかけた日数をもとに慰謝料が計算されることが多いです。つまり、3か月程度ですと、月10日程度、週2から3回程度です。

通院日数が多い場合ですと、治療費が過剰と判断される可能性もあります。この場合、過剰な治療費について、慰謝料項目において、減額の方向で交渉される余地が出てきます。
しかし、上記はあくまでも目安ですので、ご自身の症状に応じて、通院されることが必要です。

なお、実通院日数が少ない場合、勤務先との関係でなかなか思った通りに治療できないこともあるかと思いますが、この場合にも、怪我の程度が軽微だから実通院日数が少ないのではなく、勤務先との関係でやむを得ず実通院日数が少なくなったなどを説明することで、通常の弁護士基準での慰謝料をベースとして交渉をすることもできます。

リハビリで通った期間は通院回数に含まれるのか

通院期間は、症状固定までの期間です。リハビリにより治療効果が認められる限り、症状固定前のリハビリの回数は、慰謝料算定のための通院日数として計算をすることができます。
一方で、整骨院や接骨院への通院は、医師の指示があった通った場合など、裁判上においても、限定的に認められていますので、注意が必要です。

むちうちは通院3ヶ月で治療費を打ち切られる可能性が高い

むち打ちの症状は、上記のように、客観的に判断することが難しく、被害者の方のご自身の症状の訴えをもとに通院の要否を判断することになります。症状が客観的に明らかではなく、事故態様も重大なものではないことが多いので、保険会社の形式的に3か月程度の治療で十分と判断してくることもあります。この場合は、治療の継続をしたい、というご意向があれば、保険会社に対し、治療期間が3か月程度ではないということを主張し、延長交渉をすることが必要になります。

症状固定と言われたら

保険会社への対応をしている場合、治療費の打ち切りを伝えられることがあります。これは、保険会社が症状固定と判断し、治療の効果が上がらない以上、治療費を支払う必要がないと判断しているからです。しかし、保険会社の判断が適切ではないというケースも多くあります。実際に、保険会社の担当者は、被害者の症状の経過について、十分な聞き取りもせず、治療効果が少しずつでも感じられていることを看過してしまいます。また、医師から症状固定の時期ではないと説明されているにもかかわらず保険会社から治療費の打ち切りを打診されることもあります。痛みやしびれが残っている場合には、治療効果がどの程度あがっているのかなどを説明し、治療期間の延長の交渉をする余地があります。

医師からも症状固定と判断された場合には、後遺障害申請を視野に入れることで、適切な賠償額を獲得することにもつながります。

このように、保険会社から治療費の症状固定と言われるなどして治療費の打ち切りを伝えられた場合でも、延長交渉の余地があるケースが多いです。症状固定と言われた場合でも慌てずに対応することが必要です。

通院3ヶ月と2ヶ月の慰謝料の違い

むち打ち症の場合でも、2か月の場合には36万円、3か月の場合だと53万円です。このように、通院期間に応じて保険会社の対応により治療を受けられる期間が異なるだけでなく、慰謝料の金額も異なってきます。
また、過失割合があり、通院期間が2か月程度と短い場合、自賠責の基準により計算する方が多くの金額を獲得できることもありますので、この点は、弁護士にご相談ください。

通院3ヶ月の交通事故慰謝料について弁護士にご相談ください

これまでご説明しましたように、慰謝料の金額にも、一定の基準があり、この基準を知ったうえで交渉をするのでなければ、大きな損をすることにもなりかねません。適切な賠償額獲得のためにも、交渉の際には、弁護士にご相談ください。

交通事故に遭った後、めまいが残るようになる方は、珍しくありません。もっとも、めまい自体は、なんの原因もなく生じることはありません。身体のどこかに異常が生じた結果として、めまいが起こっているのだと思われます。
めまいが交通事故により生じたことを理由として、何らかの損害賠償を受けるためには、めまいが生じる原因を特定し、その原因が事故により生じたことが必要となります。
これから、詳細について、ご説明いたします。

交通事故によるめまいで慰謝料はもらえるのか

すでに述べたとおり、交通事故に遭った後、めまいが起こるようになる人は珍しくありません。しかし、めまいがするだけで、身体のどこも痛くない、レントゲン検査やMRI検査で特に異常も認められない、という場合には、慰謝料等を受け取ることは、難しいと考えられます。

めまいがしているというのは、めまいを感じている本人にしかわからず、めまい以外の症状がない場合には、他人からでは、交通事故に遭った方の身体に異常が生じているか否かがわからないためです。

交通事故でめまいが起こる原因

めまいを起こす原因は、以下のとおり複数考えられます。当然、原因がわからなければ、適切な治療を受けることもできないため、めまいの症状がなかなか改善しない可能性があります。また、めまいの原因には、脳へのダメージが原因であることもあり、たかがめまいと甘く見ることが危険である場合もあります。

適切な治療を受けるためにも、めまいの原因についてしっかり検査をすることをおすすめします。

むちうち

むちうちになった場合には、頚部痛、頭痛、頭部・顔面領域のしびれ、眼症状、耳鳴及び難聴、悪心・嘔吐、四肢症状、腰痛等様々な症状が生じます。このうちの一つとして、めまいが生じることもありますが、むちうちとめまいの因果関係については、はっきりしないことも多く、むちうちに加えて、軽度外傷性脳損傷等ほかの原因を抱えていることも多いようです。

バレリュー症候群

バレリュー症候群は、むちうちに付随して生じることが多いのですが、頭痛、耳鳴り、視障害、首の違和感、吐き気、血圧低下に加えてめまいなどの症状が引き起こされます。
バレリュー症候群については、その発生原因がはっきりしないことも多く、交感神経の刺激によって生じている、脳幹の血行不全、首付近の骨格筋の過緊張から、精神的なものを原因とする考え方もあります。

軽度外傷性脳損傷

軽度外傷性脳損傷とは、頭部外傷の1種で、一定の検査数値に加え①錯乱や見当識障害、②30分以下の意識消失、③24時間以内の外傷後健忘、④痙攣などの一過性の神経学的異常のいずれかがみられる場合に診断されます。
軽度とはいわれますが、脳に損傷が生じていることには変わりがありません。軽度外傷性脳損傷の診断を受けた場合には、医師の指示に従って、しっかり療養していただくことをお勧めいたします。

脳脊髄液減少症

脳は、頭蓋骨の中で脳脊髄液という液体に浮いているような状態ですが、脳脊髄液減少症とは、その脳脊髄液が頭蓋骨の外に漏れだして、減少することにより、脳が重力に従って頭蓋骨の中で下に落ちてしまうことで、様々な症状が生じる状態をいいます。
脳脊髄液減少症の主な症状は、頭痛ですが、吐き気、視野障害、聴力障害、頚部痛、記憶力低下、集中力低下に加えてめまいなどの症状が生じます。
脳脊髄液減少症は、横になっていると症状が軽くなり、起きていると症状が悪化する傾向にあるのが特徴です。

交通事故から数日後にめまいがした場合

自己から数日後にめまいがするようになった場合には、上記のような原因が考えられます。
めまいが起きるようになった場合に受信すべき診療科目としては、整形外科、神経内科・外科、脳神経外科、耳鼻科などが考えられます。もっとも、どの診療科目に受診するかはすでに受診している病院の医師の診断、指示に従っていただくのが最善です。

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めまいで後遺障害認定を受けるためには検査が必要

後述するとおり、めまいがすることを理由として後遺障害認定を受けるためには、客観的にめまいがしていることを証明できることが必要となります。
めまいがしていることを証明するための検査としては、眼振検査、迷路刺激検査、視刺激検査、体平衡検査等があります。これらの検査にはさらに症状に合わせて、数種類の検査方法があります。
どの検査が適当であるかは、主治医の先生にご相談いただきながら受けていただければと思います。

めまいで認定される可能性のある後遺障害等級

「めまいがする」という自覚症状に対して、後遺障害が認められるとすると以下の等級が考えられます。ただし、いずれも、「めまいがする」という自覚症状を証明する必要がありますので、後遺障害等級を獲得することができるか否かは、上述の検査結果次第となります。

・第3級
「生命の維持に必要な身の回りの処理の動作は可能であるが、高度の失調又は平衡機能障害のために労務に服することができないもの」

・第5級
「著しい失調又は平衡機能障害のために、労働能力がきわめて低下し一般平均人の1/4程度しか残されていないもの」

・第7級
「中程度の失調又は平衡機能障害のために、労働能力が一般平均人の1/2以下程度に明らかに低下しているもの」

・第9級
「通常労務に服することはできるが、めまいの自覚症状が強く、かつ、眼振その他平衡機能検査に明らかな異常所見が認められ、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」

・第12級
「通常の労務に服することができるが、めまいの自覚症状があり、かつ眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められるもの」

・第14級
「めまいの自覚症状はあるが、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められないものの、めまいがあることが医学的にみて合理的に推測できるもの」

交通事故後にめまいが続く方は弁護士にご相談ください

めまいが続く場合には、耳鼻科、整形外科、脳神経外科等めまいの原因によって、受信するのに適した診療科目が異なります。主治医の先生の指示ですぐに適切な診療科目を受診できればいいのですが、どの診療科目を受診すべきか、どのように受信するべきか等、お困りのことがあれば、一度弁護士にも相談をいただくことをお勧めいたします。

交通事故の結果、顔や体に傷が残ってしまうケースがあります。外から見て分かるところに傷が残ってしまうということは、交通事故の被害者にとって多大な精神的苦痛を与えるものです。また、顔や体に傷が残ってしまった結果、仕事に支障が生じる場合もあります。もっとも、顔等に傷が残った場合に、どのような逸失利益を請求できるか否かは問題になりがちです。
今回は、外貌醜状について、解説致します。

外貌醜状とは

外貌醜状とは、上肢・下肢以外の日常露出部分に傷が残ったことを言います。外貌とは、頭部・顔面部・頚部等、上肢及び下肢以外の露出部分を言います。
外貌以外にも、上肢・下肢について、露出面に傷が残った場合には、後遺障害等級の日認定が認められる可能性もあります。

後遺障害等級認定を受けられる?

一般に、露出面に醜状痕が残存することは、同人にとって多大な精神的苦痛を生じさせるものです。そして、醜状痕は、どこに、どのように残存するかによって、後遺障害等級が大きく分かれます。
外貌や上肢・下肢の露出面に醜状痕が残った場合において、下記の要件を満たすと、後遺障害等級が認定されます。

外貌醜状の後遺障害等級が認められる条件

外貌醜状の後遺障害等級が認定される要件
等級障害の部位傷跡の詳細
7級12号(頭部)頭部に残った手のひら大以上の瘢痕または頭蓋骨の手のひら大以上の欠損
(顔面部)顔面部に残った鶏卵大面以上の瘢痕または10円硬貨大以上の組織陥没
(頚部)頚部に残った手のひら大以上の瘢痕
9級16号(顔面部)顔面部に残った長さ5cm以上の線状痕
12級14号(頭部)頭部に残った鶏卵大以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損
(顔面部)顔面部に残った10円硬貨以上の瘢痕または長さ3cm以上の線状痕
(頚部)頚部に残った鶏卵大以上の瘢痕
14級4号(上肢)上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号(下肢)下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの

隠れる部分は醜状として認められない

眉毛や髪の毛で隠れる部分については、露出面と言えないため、醜状と評価されないことが一般的です。また、メイクすればわからなくなる場合には、後述する逸失利益が認められない可能性があります。

手のひら大は被害者の手が判断基準

上記表の手のひら大とは本人の手の大きさを基準にします。また、手のひらの面積を基準にすることから、指の長さは含まれません。
被害者本人の手のひらと、怪我をした部位の大きさと比較して、認定されるか否かを決定します。

鶏卵大の大きさはどれくらい?

にわとりの卵程度の大きさをいい、およそ15.7㎠くらいを言います。

線状痕とは

線状痕とは、線状に残った傷のことを言います。切り傷をイメージしていたければ良いと思います。なお、線状痕が同箇所にある場合には、各線状痕を合算して面積を考えることもあります。

欠損とは

欠損とは、欠けていることを言います。外貌醜状においては、頭部の欠損が問題になります。
また、目瞼、耳介、鼻の欠損障害については、これらの欠損障害について定められている等級と外貌の醜状に係る等級のうち、いずれか状の等級により認定することになります。

組織陥没とは

組織陥没とは、窪んでいる状態を言います。外貌醜状においては、顔や頭部について窪んでいる状態等の場合、後遺障害として認定されます。

瘢痕とは

瘢痕とは傷跡のことを言い、痣を含みます。残った部位や面積によって、後遺障害が認定されるか否かが判断されます。なお、前記と同様、メイク等が隠れる場合に、逸失利益が認められない可能性があります。

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等級認定には後遺障害診断書が必須です

後遺障害等級を認定するためには、後遺障害診断書を医師に作成していただく必要があります。その際、傷跡の面積を記載したり、傷跡の性格な部位を記載して置くことが必要です。
また、予め被害者の手のひらの大きさを撮影しておくと良いでしょう。

自賠責損害調査事務所の審査面接について

外貌醜状を認定する場合、自賠責損害調査事務所において、審査面接を行います。
担当者は、実際に被害者の傷痕を図ったり、色を見たり、傷の箇所を把握したりします。前記のとおり、外貌醜状の基準は鶏卵の大きさ等の曖昧なものが多いため、判断権者の主観的な判断を極力省くために、面談をして調査することを行っています。

外貌醜状は逸失利益が問題となることが多い

外貌醜状は、逸失利益が問題になることが非常に多いと言えます。なぜなら、外貌醜状が残った場合に直ちに仕事の支障が生じると言えるかが疑問にならからです。
例えば、タレントやアーティストであれば、外貌醜状が残った場合、同人の仕事に大きな支障が生じ、また、将来の収入に大きく影響を与えます。ゆえに、逸失利益が認められやすいと言えます。
他方で、人と接する機会が少ない業種では、タレントやアーティストに比して、そのような影響は小さいとも思えます。

判例は、外貌醜状の逸失利益について、被害者の年齢、職業、性別等から、当該醜状の箇所、大きさがどのような影響を仕事に及ぼすか具体的に判断しています。また、逸失利益が認められないとしても、外貌醜状の大きさから、慰謝料を増額する判例もあります。

傷跡が残ってしまったら弁護士にご相談ください

前記のとおり、外貌醜状は、逸失利益が問題になるケースが多いと言えます。適切な逸失利益を主張するためには、具体的な根拠やどのような仕事の支障が生じているかを主張する必要があります。
そこで、適切な損害賠償請求をするためにも、弁護士にご相談下さい。

慰謝料の計算方法は算定基準により異なる

交通事故における慰謝料は精神的損害に対する賠償です。慰謝料の算定方法には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があります。自賠責基準は、被害者が最低限受けられる補償です。任意保険基準とは、保険会社が独自に定めた基準であり、一般には公開されていません。弁護士基準は、訴訟において損害賠償額を算定する際の基準です。一般的に、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の順に慰謝料額は高額になります。

入通院慰謝料の計算方法

「入通院慰謝料」とは、入通院日数を基礎として算定される慰謝料です。算定基準により計算方法が異なるため注意が必要です。

自賠責保険基準の計算方法

自賠責保険基準では、入通院日数1日×4300円で慰謝料が算定されます。実治療日数の2倍と入通院期間のどちらか少ない方が入通院日数となります。入通院期間が長くても、実治療日数が少ない場合には、思っていたより慰謝料額が少ないという結果になることもあります。

入院10日間・通院期間6ヶ月(180日)のうち90日通院した場合の計算例

①実治療日数の2倍=(入院10日+通院90日)×2=200日
②入通院期間=190日
①と②のうち少ない方は②であるため、②を入通院日数として損害額を算定します。
したがって、損害額は、4300円×190日=81万7000円となります。

弁護士基準の計算方法

弁護士基準では、「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)(公益財団法人日弁連交通事項相談センター東京支部)」(通称「赤い本」)における入通院慰謝料別表ⅠあるいはⅡを参照して、入通院期間を基礎として算定するのが原則です。

むちうち等の軽傷と、重傷の場合で参考にする表が異なる

「赤い本」によれば、むち打ち症で他覚所見がない場合等は入通院期間を基礎として別表Ⅰではなく別表Ⅱを用います。同じ入通院期間でも、別表Ⅰを用いる場合より慰謝料額は低額となります。

上記と同じく「入院10日間・通院期間6ヶ月(180日)のうち90日通院した場合」の計算例を考えます。別表Ⅰによれば、(35万円×10/30)+89万円=101万円(小数点以下四捨五入)となります。

表の期間以上の入院・通院があった場合

表の期間以上の入通院があった場合は、入通院期間1か月につき、それぞれ15月の基準額から14月の基準額を引いた金額を加算した金額を基準額とします(「赤い本」)。

入院のみ16か月行った場合、別表Ⅰによれば、340万円+(340万円-334万円)=346万円となります。通院のみ16か月行った場合、別表Ⅰによれば、164万円+(164万円-162万円)=166万円となります。

通院日数が少ない場合

入院期間に比して、通院日数が少ない場合は、症状や治療内容等を踏まえて、実通院日数の3.5倍程度を通院期間の目安とすることがあります。入院が長期にわたるものの通院日数が少ない場合には、入院期間を基礎として算定される慰謝料額よりも少ない額の慰謝料額が認定されることがあります。

リハビリの通院について

リハビリテーションも治療にあたりますが、入通院期間に算定されるのは原則として治療により症状が良くも悪くもならない状態になった時点(これを症状固定といいます)までです。症状固定後もリハビリテーションが必要になるとしてもその期間について傷害慰謝料が発生しないのが原則となります。

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後遺障害慰謝料の計算方法

症状固定後に事故と因果関係がある症状が残存する場合、後遺障害等級認定を受けることができれば、等級に応じた後遺障害慰謝料が算定されます。

自賠責基準の後遺障害慰謝料

認定された後遺障害等級に応じて後遺障害慰謝料の額が決まります。等級が上がるほど後遺障害慰謝料の金額は大きくなります。

後遺障害等級自賠責基準
1級(介護を要するもの)1650万円
2級(介護を要するもの)1203万円
1級1150万円
2級998万円
3級861万円
4級737万円
5級618万円
6級512万円
7級419万円
8級331万円
9級249万円
10級190万円
11級136万円
12級94万円
13級57万円
14級32万円

弁護士基準の後遺障害慰謝料

弁護士基準の後遺障害慰謝料も、自賠責基準と同様、等級が上がるほど、慰謝料額が大きくなります。弁護士基準による場合、自賠責基準より金額は大きくなります。

後遺障害等級弁護士基準
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

死亡事故慰謝料の計算方法

死亡事故慰謝料は、死亡した被害者を相続した方が、加害者に対して請求することができます。弁護士基準による死亡慰謝料の額は、死亡した被害者の立場によって金額が決まっています。

自賠責保険基準の死亡慰謝料

自賠責基準の慰謝料は、死亡本人の慰謝料が400万円、遺族の慰謝料は請求権者1人の場合には550万円、2人の場合には650万円、3人以上の場合には750万円とされます(被害者に被扶養者がいる場合の遺族の慰謝料は200万円が加算されます)。

弁護士基準死亡慰謝料

弁護士基準の死亡慰謝料の額は、下記表のとおり被害者の立場により決まります。もっとも、下記表の金額は、一応の目安を示したものですので、具体的な事情により金額が異なります。

被害者死亡慰謝料
一家の支柱2800万円
母親・配偶者2500万円
その他(独身の男女、子供、幼児等)2000万~2500万円

交通事故の慰謝料計算は弁護士にお任せください

交通事故の被害者が慰謝料として十分な補償を受けるためには弁護士基準で算定することが大切です。弁護士が交通事故被害者の代理人となった場合、加害者側保険会社は弁護士基準により算定された損害賠償額を参照して交渉に応じる傾向があります。

また、慰謝料の算定額は一応の目安はあるものの個別具体的事情により定まるため、交通事故事件の経験が豊富な弁護士にご依頼いただき、正当な主張を行うことが重要です。

この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善
弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長弁護士 井本 敬善
愛知県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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