共有名義で相続登記を行うデメリット

共有名義で相続登記を行うデメリット

名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善

監修弁護士 井本 敬善弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長 弁護士

相続登記とは、登記簿上の不動産の所有者の名義を、亡くなられた方から、その不動産を相続する方に変更することをいいます。

相続登記は、相続人のうちの1人の名義にすることもできますし、2人以上で共有して名義を登記することも可能です。

また、2人以上の共有名義とするときの持分は、相続人間で遺産分割協議等で話し合って決めた任意の持分で登記することもできますし、法定相続分に従った持分の登記をすることもできます。

しかし、不動産登記を共有名義ですることはあまりおすすめできません。
以下では、不動産を共有名義で行った場合のデメリットや、共有名義としないための対処方法について解説します。

共有名義とはどんな状態のこと?

共有名義とは、不動産を複数人で所有し、登記簿にそれぞれの持分に応じて複数人の名義が記載されている状態のことです。

相続においては、被相続人の相続財産である不動産を、複数人の相続人(被相続人の配偶者と子等)が、それぞれ相続し、共同して所有している状態を指します。

共有名義のメリット

共有名義のメリットとしては、法定相続分に応じて相続し、それぞれの持分に応じた登記をすれば良いため、相続人間で協議をしたり、調整をする必要がないことがあげられます。

また、法定相続分に応じた登記をするため、遺産分割協議書等の書類も必要なく、登記のために必要な書類も少なくなります。

共有名義のデメリット

共有名義の不動産は、共有者全員の意思が合致しなければ賃貸や売却などの有効活用ができません。
そのため、共有者の一人が当該不動産を賃貸物件としたいと考えていても、他の共有者が反対した場合、当該不動産を賃貸することはできません。

また、共有者全員が当該不動産を売却するという意思が合致していたとしても、売却先の業者をめぐって意見が割れて、なかなか売却が進まないということも考えられます。

相続当初は相続人間の仲が良くても、環境の変化によって関係が悪化することも少なくありませんし、不動産の共有名義は後々トラブルになりがちです。

共有名義で不動産を相続する場合の手続き

共有名義で不動産を相続し、登記する場合には、主に以下のような手順で手続きを進めていきます。

  • ① 相続登記をする対象となる不動産を特定する。
    固定資産税の通知書や、不動産の権利証等から、相続登記をする対象となる不動産を特定することになります。
  • ② 不動産の登記簿謄本を取得する
  • ③ 相続登記をするにあたって、各相続人の持分割合を決める。
    遺産分割協議をして任意に持分割合を決めた場合には、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の実印を押す必要があります。
    法定相続分に従って共有する場合には、この手続きは不要です。
  • ④ 必要書類の収集
    登記申請のために必要な書類(被相続人や相続人の戸籍謄本、遺産分割協議をした場合には、相続人全員の実印が押された遺産分割協議書と相続人全員の印鑑登録証明書等)を用意します。
  • ⑤ 登記申請
    必要書類を用意した上で、相続対象となる不動産の所在地を管轄する法務局で申請書類を提出して、登記申請をする必要があります。
    なお、この書類の提出方法は、窓口のほか、郵送でもできます。

自分が相続した持分だけ名義変更したい場合

共有名義で登記をしていたとしても、自分の持分として登記している部分は、所有権を有しています。

そのため、原則として、自分の持分部分の名義のみであれば、他の共有者の同意を得ることなく、自由に名義を変更することができます。

共有名義で不動産を相続したくない場合の対処法

共有名義で不動産を相続することを避けるための方法としては、被相続人が生前に遺産分割の内容を具体的に指定する内容の遺言書を作成しておくほか、相続時に相続対象となる不動産等を売却し、その売却代金を相続人間で分割する「換価分割」、相続人のうち1人が不動産等を相続し、他の相続人の相続分を不動産の代わりに現金等で支払う「代償分割」があげられます。

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共有名義の相続登記を解消する方法は?

  • 自分の持分を売却または買取りをする
    自分の持分を他の共有者に売却したり、他の共有者から持分を買い取ったりして、当該不動産の持分を一人に集め、単独名義にすることで、共有名義を解消することができます。
  • 自分の持分を放棄する
    自分の持分を放棄すると、放棄した持分は他の共有者に帰属することになります。
    そのため、共有者のうち1人を残して、他の共有者が全員持分を放棄すれば、1人にすべての持分が帰属するので、共有名義を解消することができます。
  • 相続人全員の同意の下、第三者へ売却する
    不動産を第三者へ売却し、売却代金を持分に応じて各共有名義人に分配することで、共有名義を解消することができます。
    もっとも、不動産を第三者へ売却するためには、共有者全員の同意が必要ですので、1人でも反対する人がいた場合には、この方法は採れません。

共有名義での相続登記に関するQ&A

共有名義の不動産の固定資産税は、どう課税されるのですか?

不動産が共有されている場合には、共有者全員が、連帯して、固定資産税を支払う義務が生じます。
そのため、何人で共有していたとしても、持分に関わらず、不動産登記簿上に名義が記載されている全員にそれぞれ固定資産税全額を納める義務が発生することになります。

なお、固定資産税の納税通知書は、共有者全員に届くわけではなく、共有者の中の代表者に対してされます。
この代表者は、共有者間の話合いや、各市町村の基準によって決められます。

親と長男の共有名義の不動産、親が死亡したらどうなる?

例)家族構成:父・母・長男・次男で、父と長男の2分の1ずつの共有名義、遺産が家屋の場合

上記家族構成で、父が死亡した場合、共有名義の家屋が相続対象となります。
父が死亡した場合の法定相続分は、母が2分の1、長男が4分の1、次男が2分の1です。
そのため、父と長男の共有名義であった家屋を法定相続分に応じて相続し、共有登記をする場合、同家屋の共有名義は、母(持分4分の1)、長男(持分8分の5)、次男(持分8分の1)の共有名義となります。

この場合、たとえば母が同家屋を売却したいと思っても、長男、次男のいずれかが反対すれば、共有者全員の同意が得られないため、売却することができません。
また、母が自分の持分のみ第三者に売却した場合には、同家屋の4分の1が家族ではない無関係の第三者の所有となるため、それまで通りに同家屋に住み続けるということは難しくなると考えられます。

このように、共有名義の登記は、当該不動産を自分の意思のみで自由に処分することができなかったり、共有者の1人が自分の持分を第三者へ売却した場合、見知らぬ第三者と不動産を共有することになるおそれがある等、デメリットが大きいと考えられます。

共有持分を相続する場合の登録免許税はいくらですか?

共有持分を相続する場合の登録免許税は、相続する持分に対応する固定資産評価額に対して、0.4%を乗じた額となります。

共有名義の相続登記についてご心配な点は、ぜひ弁護士にご相談ください

共有名義の相続登記は、登記をする時点では共有者間の仲が良好であったとしても、環境の変化等で意見が対立し、相続人間のトラブルに発展する可能性があるため、あまりおすすめできません。

もっとも、どうしても遺産分割協議が整わず、法定相続分での共有名義をするほかないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

遺産分割協議がなかなかまとまらないとお悩みの方は、一度弁護士にご相談ください。
交渉のプロでもある弁護士が、第三者の立場から助言をし、協議をまとめるお手伝いをさせていただきます。

不貞行為という言葉を耳にしたことはありますか。
一般的にはなじみが薄い言葉かもしれません。

不貞行為にあたるか否かによって、慰謝料が請求できたり、離婚が請求できたりするため、法律上、不貞行為にあたるか否かはとても重要です。

以下では、どのような行為が不貞行為に該当するか、不貞行為に該当する場合にどのような手段が取れるかなどについて解説していきます。

不貞行為になるのはどこから?

不貞行為とは、婚姻関係にある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外と性的関係を結ぶことをいいます。

そのため、既婚者でなければ、特定のパートナーがいる状態で他の人と性的な行為を行ったとしても、不貞行為には該当しません。

また、無理やり性行為をされたなど、自由な意思に基づかない場合も不貞行為には該当しません。そのような場合には、迷わず警察に相談するようにしましょう。

ここでいう性的関係とは、性行為及び、性交類似行為をいいます。
性交類似行為については、以下で詳しく解説します。

浮気や不倫との違い

よく浮気や不倫という言葉を耳にすることがあると思いますが、これらは法律用語ではありません。

一般的には、浮気は、特定のパートナーがいながらその人以外の人と恋愛的、性的な関係を持つことを指し、不倫は、既婚者が配偶者以外と恋愛的、性的な関係を持つことを指すかと思います。

もっとも、浮気や不倫の定義は人によって様々であり、不貞行為に該当するかの判断とはずれる場合があります。

不貞行為と認められやすいケース

肉体関係がある

肉体関係がある場合は、典型的な不貞行為と言えます。
たとえ1回限りの関係であったとしても、肉体関係がある以上は、不貞行為となります。

もっとも、肉体関係そのものを証明することは、そのような動画が存在するような場合を除き、難しいことが多いです。

性行為に類似する行為がある

性行為に類似する行為がある場合も、不貞行為と認められます。
性行為に類似する行為とは、具体的には以下のような行為を指します。

  • 口腔性交
  • 手淫行為
  • 裸で抱き合う行為

ラブホテルに二人で長時間滞在していた

ラブホテルに長時間滞在していた場合も、不貞行為があったと認定される可能性が高いです。

ラブホテルは、一般的に性的行為が行われることが想定された場所であり、その場所に二人で長時間滞在していた場合には、性的行為があったと認められる可能性が高いことになります。

二人で宿泊を伴う旅行をしていた

二人で宿泊を伴う旅行をしていた場合も、性的行為を伴うものとして、不貞行為があったと認定される可能性が高いです。

また、仮に性的行為がない場合であっても、婚姻関係にあるにもかかわらず異性と二人で宿泊を伴う旅行をするのは、度が過ぎた行為であるとして、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)に該当する可能性があります。

同棲している・頻繁に泊まりに行っている

同棲している・頻繁に泊まりに行っている場合も、不貞行為があったと認定される可能性が高いです。

同棲は、性的関係を伴うものと捉えられることが多いため、不貞行為が認定される可能性が高いです。頻繁に泊まりに行っている場合も、通常、性的関係がなければ泊まるという選択にはならないと考えられますので、不貞行為が認定される可能性が高いです。

不貞行為と認められにくいケース

食事やデート

食事やデートを行っているという程度では、不貞行為とは認められません。
もっとも、食事やデートから、今後不貞行為につながっていく可能性は考えられますので、今後の様子を注意して観察する必要はあります。

キスや手つなぎ

キスや手つなぎといった行為も許しがたい行為ですが、それのみでは不貞行為となる性的行為には該当しません。

もっとも、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)が認定される一事情にはなりますので、他の事情との兼ね合いにより、離婚が認められる可能性はあります。

LINEやメールのやりとり

単に異性とLINEやメールでやり取りをしているだけでは、不貞行為とは認定されません。
もっとも、LINEやメールのやり取りの中に、性的関係にあることをうかがわせる内容があれば、不貞行為の認定が可能となることもあります。

不貞行為は立証が難しいため証拠が重要

不貞行為となる性的行為は密室で行われることが多いため、性的行為自体を証明することは難しいです。

そのため、複数の証拠を組み合わせて不貞行為の存在を証明することが多いです。
一般的に、不貞行為の証拠となり得るものとして、以下のものがあります。

  • 性的行為を行っている動画、写真
  • 本人が不貞行為を行ったことを認める書面
  • ラブホテルや互いの家に出入りする動画、写真
  • ラブホテルの領収証
  • LINE、メールのやり取り

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不貞行為が発覚したらどうしたらいい?

慰謝料を請求する

不貞行為があった場合、慰謝料を請求することができます。
以下では、不貞行為による慰謝料相場、慰謝料の請求方法等について解説していきます。

不貞行為の慰謝料相場はどれくらい?

不貞行為の慰謝料は、50万円から300万円くらいの幅に収まることが多いです。
離婚につながると慰謝料は高くなることが多いです。

また、婚姻期間の長さ、子どもの有無、不貞前の夫婦関係、不貞行為の期間、回数等が重要な考慮要素となります。

不貞行為の慰謝料の請求方法

慰謝料を請求する方法としては、口頭で請求する方法や、書面で請求する方法等があります。配偶者が任意にこれに応じれば良いですが、応じない場合には裁判手続きを利用して請求する必要があります。

また、配偶者の不貞行為の相手方が、婚姻関係にあることを知っていた場合には、相手方にも慰謝料を請求することができます。

ただし、配偶者からすでに慰謝料を受け取っている場合には、その分は請求できませんので、注意が必要です。

慰謝料請求には時効がある

不貞による慰謝料請求には時効があります。

不貞行為の存在やその相手方を知った時から3年間、又は不貞行為の時から20年間が経過すると、慰謝料請求を行うことができなくなりますので、注意が必要です。

離婚を請求する

不貞行為の存在は離婚事由になりますので、離婚を請求することができます。

配偶者が素直に離婚に応じれば、離婚届を役場に提出することのみで離婚を成立させることができます(これを協議離婚といいます。)。

もっとも、配偶者が頑なに離婚したくないと言っているような場合には、協議離婚を成立させることは難しいです。その場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります(これを調停離婚といいます。)。

また、調停が成立しない場合には、最終的には裁判で離婚を請求する必要があります(これを裁判離婚といいます。)。

弁護士に相談する

不貞行為が発覚した場合、どういった手段を取れるか、今後どう進めていくかについては、弁護士に相談してみることも有効です。
弁護士であれば、その時々に応じた有効な手段を提案することが可能です。

不貞行為の判断基準や離婚に関する悩みは弁護士にご相談ください

不貞行為の存在が認められるか否かについては、どのような証拠が存在するかに左右されます。

実際に、どの程度の証拠があれば不貞行為の存在が証明できるかについては、分からない場合が多いかと思います。
また、離婚を考えているような場合には、今後の離婚の進め方などについても不安が生じると思います。

そのような場合には、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
今後のことも含めて、一緒に考えましょう。

交通事故に遭われてから、リハビリの継続を行い、リハビリ終了後に、慰謝料の請求をしていくことが多いでしょう。しかし、リハビリの継続をしていても、思うように慰謝料が認められない、という場合もあります。

では、そもそも、リハビリの継続をしている期間の慰謝料請求はできるでしょうか。
適切な慰謝料の支払いを受けるために注意すべき点を解説していきます。

リハビリ期間の慰謝料は請求できる

交通事故に遭われてから怪我の治療・リハビリのために、病院への通院を余儀なくされる期間が生じます。

怪我の治療・リハビリのために病院の通院を余儀なくされる期間が、入通院・リハビリによる症状の改善があるなど、入通院期間として必要かつ相当な期間であれば、リハビリを含む入通院期間をもとに算出した慰謝料の請求をすることが出来ます。

このように、リハビリ期間でも、必要かつ相当な期間であれば、その期間をもとに慰謝料請求をすることはできます。

入通院慰謝料がもらえるのは症状固定と判断されるまで

リハビリの期間をもとに慰謝料の請求をすることができますが、リハビリを継続していれば、その分の期間全て慰謝料請求のための期間として認められるのではありません。

入通院慰謝料がもらえるのは、リハビリを終了した時点までの期間をもとに計算した慰謝料ではなく、症状固定時までの期間をもとに計算した慰謝料です。

それでは、症状固定時とは、いつの時点を指すのでしょうか。

症状固定時は、入通院継続により、症状の改善が見込まれない状態になった時点です。
症状が良くなることも無ければ、悪くなることも無い、という状態です。これは、慰謝料算定の基礎となる入通院期間が、症状の改善に向けて必要かつ相当な期間であるためです。

症状固定時以降のリハビリ期間については、慰謝料算定の考慮に入れることはできないので、注意が必要です。

リハビリ期間の慰謝料請求が認められないケースもある

リハビリ期間を含めた入通院期間をもとに、慰謝料請求をすることはできます。

しかし、通院の継続をしていても、以下の主に3つの場合に入通院期間をもとに算定した慰謝料が認められないケースがあります。

交通事故との因果関係がない

交通事故による入通院によって慰謝料等の賠償請求が認められるのは、交通事故と因果関係のある症状によって入通院をしている場合です。

このため、事故と関係の無い症状の改善のために、入通院をしている場合には、交通事故と因果関係が無いと判断されて、その通院期間をもとにして算出した慰謝料請求が認められないことがあります。

事故から一定期間経過した後に表れてきた症状については、交通事故と因果関係が否定されることもあり、このような症状のみをもとにリハビリを続けている場合には、因果関係が無いと判断されることがあります。

過度の通院

交通事故の慰謝料請求においては、入通院期間・通院頻度が重要となってきます。
通院頻度が少ない場合には、それだけ、症状が軽微であると判断されて、同様の入通院期間をもとに算出した慰謝料よりも低額と判断されることがあります。

しかし、通院頻度が少ないことでの慰謝料等が軽減されることに備えて、かえって、通院頻度が多くなる場合には、過剰な入通院とされて、慰謝料としての支払額の減額・否定されることがあります。

このため、治療に必要な通院頻度と慰謝料請求の減額にならないような通院頻度のバランスを見ながら、通院・リハビリ継続をしていただくことが必要です。

漫然としたリハビリ治療

通院の継続をしていても、単に、湿布の処方を受けるなど、症状の改善があまり無いにも関わらず、通院の継続をしている場合など、漫然としたリハビリの継続をしている場合には、症状の改善が見込まれず、症状固定の状態との判断にもつながりやすくなります。

この場合には、漫然とリハビリ治療を続けている時期以降が、必要な治療期間ではなく、慰謝料算定に必要な期間として考慮されないことがあり、慰謝料が低額となることがあります。

リハビリ通院中の慰謝料を請求する場合の注意点

転院する場合は事前に連絡する

転院をする場合には、事前に、治療費の支払いをしている保険会社に連絡をしておくことが必要です。転院先の治療費の支払いをその保険会社に対応させる、という意味でも必要です。

また、転院を把握していない場合には、転院後の入通院の継続を行っていた期間を考慮した慰謝料請求が認められにくくなることがあります。

このため、治療費の支払いをしている保険会社には、事前に、転院する旨を伝えておくことが必要です。

整骨院への通院は整形外科医に許可をもらってから

本来、リハビリによる通院治療費が認められるのは、症状の改善に向けて必要かつ相当な治療であるからです。

他方で、整骨院で受けるのは、「施術」であって「治療」ではありません。「施術」が治療と同様に必要なリハビリと認められるには、医師の許可を得ておくなどが必要です。

医師の許可等を得ておかなければ、慰謝料請求をするために必要な通院頻度の計算において、接骨院へ通う頻度を考慮されないなど出てくるため、注意が必要です。

保険会社による治療費の打ち切りに安易に応じない

事故後の通院の治療費について、加害者が任意の自動車保険の契約をしている場合には、その保険会社から、直接、通院先の病院に治療費の支払いがされています。

一定期間治療継続をしていると、保険会社から治療終了の打診がされます。
しかし、これについて、保険会社の判断で治療終了の打診をしていることが多いです。

症状固定時なのかどうか、ということが重要なため、安易に保険会社の治療終了の打診に応じると、それだけ、慰謝料算定のための治療期間が短くなり、結果として、本来獲得できる慰謝料よりも、低額となります。

健康保険を使う場合は150日ルールに気を付ける

健康保険を用いて治療継続をする場合もあります。健康保険を用いる場合には、標準的算定日数として、原則150日という期限が定められています。
この150日を超えると、健康保険を用いた通院に制限がかかってきます。

この標準的算定日数は、疾患の種類によって変わってきますので、具体的な状況については、入通院先の病院に相談いただくことがよいです。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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適正な慰謝料を受け取るために必要なこと

リハビリは適切な頻度で通う

リハビリ通院の頻度が適切ではない場合には、慰謝料の減額となることがあります。
このため、リハビリは、適切な頻度で行っていただくことが重要です。

では、リハビリの頻度をどの程度とすべきか、という点については、症状によって異なってくるので、担当医と相談していただくことが良いですが、概ね、1週間当たり2日から3日程度が目安となることが多いです。

弁護士基準で請求する

交通事故の入通院継続による慰謝料請求をする際、基準としては、大きく3つあります。

1つ目が自賠責基準、2つ目が任意保険基準、3つ目が弁護士基準の慰謝料です。
このうち、弁護士基準での慰謝料が、一番高い基準です。

保険会社は、自賠責基準又は任意保険基準での提示をしてくるので、これに応じて示談とすると、本来、獲得できる賠償額から少ない金額で示談をしてしまうことになります。

リハビリ期間の慰謝料を適正な金額で受け取るためにも弁護士にご相談ください

リハビリ期間を含めた治療期間を、慰謝料算定のために必要な期間として考慮するためには、これまで述べてきたように、注意が必要です。

お怪我の状況によっては、一般的な対応で足りる場合もあれば、個別の状況に応じて、個別の証拠の収集等が必要となる場合もあります。
証拠収集だけでなく、適切な通院ということも迷われることがあるかと思われます。

弁護士にご相談いただければ、状況に応じた対応方針を定めていくことが出来るでしょう。
また、慰謝料請求を弁護士基準で行うとしても、弁護士を通じた請求でなければ、保険会社は、弁護士基準での慰謝料の支払いに応じないことが多いです。

このため、適切な慰謝料等の賠償を受けるには、弁護士にご相談いただき、弁護士を通じた請求をしていくことが重要ですので、一度、ご相談ください。

相続税を節税するために、養子縁組をするという方法があります。

生前贈与や生命保険等制限が合ったり、不動産投資等により節税をしたりといった場合と異なり、養子縁組をするだけと聞けば、簡単と思われるかもしれません。
しかし、養子縁組による相続税対策にも制限やデメリットもあります。

養子縁組により相続税を節税するための注意点についてご説明します。

養子は相続税対策になる?

相続税については、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」の基礎控除額(遺産総額のうち非課税となる金額)認められています。

また、死亡保険・死亡退職金等も相続財産として相続税の課税対象となりますが、それぞれ「500万円×法定相続人の人数」は非課税額となっています。

したがって、養子縁組により、法定相続人の人数を増やせば、非課税となる金額が増えるため相続税対策となります。

ただし、上記の法定相続人の人数の対象となる養子は、被相続人に実子がいる場合には1人、被相続人に実子がいない場合には2人までとなっているため、養子を増やすほど非課税対象額が無限に増えるというものではない点には注意が必要です。

相続税対策として行われる養子縁組にはどんなものがある?

孫と養子縁組

相続税対策として、被相続人が孫と養子縁組をしていた場合、先述した相続税の基礎控除の対象となります。

その結果、相続税が発生しない場合(遺産が基礎控除額の範囲内であった場合)には問題ありませんが、相続税が発生してしまう場合は、当該養子縁組をした孫の相続税には相続税の2割が加算されるため、注意が必要となります(相続税法18条)。

子の配偶者と養子縁組

被相続人の子の配偶者は、相続人にはなりませんので、被相続人の遺産を相続することはできません。しかし、養子縁組をすれば、子の配偶者も相続人となることができます。

養子縁組をすれば、相続税の基礎控除額算定の対象となりますし、法定相続分どおりに遺産分割をするとしても、子の家庭により多くの遺産を相続させることができます。

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相続税対策のために養子縁組することの注意点

他の相続人とトラブルになることがある

被相続人が、法定相続人以外の人と養子縁組をして、法定相続人を増やせば、他の法定相続人の遺産の取り分が減り、養子以外の相続人は不満を感じることになります。

そのため、実際に相続が発生した場合には、養子と他の相続人(配偶者、実子)との間でトラブルになってしまうことになります。

これを防ぐためには、養子縁組について他の相続人に対して予め説明して、理解を得ることが望ましいと考えられます。

基礎控除の枠として有効な養子の数には制限がある

上記のとおり、相続税の基礎控除は、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」で算出されます。しかし、これは、養子縁組により法定相続人増やせばいくらでも基礎控除額が増やせるということではありません。

相続税法15条第2項によれば、基礎控除の算定にあたって考慮される養子の数を限定しています。

具体的には、

  • 被相続人に実子がある場合:1人
  • 被相続人に実子がない場合:2人

となっています。

相続税が2割加算されるケースもある

上記のとおり、実子や配偶者等の法定相続人にとっては、法定相続人の増加により基礎控除額が増えることで遺産総額中非課税金額が増えることで、相続税の負担が減ります。

ただし、養子縁組により相続人となった人が被相続人の孫の場合は、養子縁組により遺産を相続することができるようになる一方で、上記のとおり、相続税が発生する場合には、他の相続人とは異なり相続税が2割増しになります。

そのため、養子となった被相続人の孫にとっては、節税効果は薄くなってしまいます。

節税目的の養子縁組は否認されることがある

過去の判例によれば、節税目的であったとしても養子縁組自体は有効と判断されています。

相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合においては、基礎控除の算定の基礎となる相続人の人数から養子の数を算入しないで相続税の課税価格、及び相続税額を計算されることがあり得ます(相続税法63条)。

養子縁組により相続人を増やしたとしても、節税効果が認められない可能性があるため注意が必要です。

相続税対策として養子縁組する方法

節税対策として養子縁組をする場合は、特別養子縁組ではなく普通養子縁組をするのが一般的です。

普通養子縁組をする手続は、役所で入手するか、インターネットでダウンロードして印刷した養子縁組届に養親と養子、2名以上の証人が署名捺印をして役所に届出することによって効力を生じます。

なお、養親となる者が20歳以上であること、養子となる者が15歳未満である場合には法定代理人の合意があることが必要となります。

相続についてのお悩みは弁護士にご相談ください

節税対策のための養子縁組は、養子となる人にとってメリットもデメリットもあり、また、相続が発生した時点で、他の相続人との間でトラブルが生じたりと法律面でも、税金面でも問題が生じる可能性があります。

節税目的の養子縁組のトラブルを回避するためにもぜひ専門家にご相談ください。

子供がいる夫婦が別居している場合や離婚した場合の、子供を監護していない側の親(非監護親)と子供とが会う機会面会交流と呼びます。

今回は、面会交流を拒否された場合や、反対に、拒否することに正当な理由が認められる場合などについて、解説していきます。

面会交流は原則的に拒否できない

面会交流は、非監護親と子供とが交流する貴重な機会です。
非監護親にとってはもちろん、子供にとっても、非監護親からの愛情を感じ取る重要な機会になります。

そのため、面会自体が子供に悪影響を与えるなどの正当な理由がある場合を除き、監護親が面会交流を拒否することは認められません。

面会交流の拒否が認められてしまう正当な理由とは?

では、面会交流の拒否が認められる正当な理由があるというのは、どのような場合なのでしょうか。以下、いくつか例を挙げて解説していきます。

子供が面会交流を嫌がっている

まず、子供自身が面会交流を嫌がっている場合が挙げられます。
面会交流は、子供のために実施すべきものと考えると、子供が明確に嫌がっているときには、無理に実施すべきではないでしょう。

もっとも、特に幼い子供の場合、慣れない環境であったり、緊張などで泣いてしまったり拒否感を示すことはあります。
そのため、単に子供が嫌がったというだけで面会交流をしないと判断すべきではなく、短時間の実施から始めてみるなど、少しずつ慣らしていく工夫も必要です。

子供を虐待するおそれがある

また、子供を虐待するおそれがある場合が挙げられます。
これは、子供に悪影響を与える危険があると言えるため、虐待の危険が明確にある以上、面会交流を実施すべきでないでしょう。

もっとも、過去に虐待をした事実があるとしても、現在は改心し、その危険がなくなったといえる状態になったのであれば、少しずつ面会交流を始めることも考えるべきです。

子供を連れ去るおそれがある

これについても、上記の虐待と同様に、非監護親が子供を連れ去って、子供の生活環境を無理やり変えることになるため、それまでの経緯からしてそのおそれがある場合には、面会交流を拒否する正当な理由があると言えるでしょう。

また、そのおそれがなくなった場合には、少しずつ面会交流を始めるべきであることも、上記と同様です。

配偶者や子供へのDV・モラハラがあった

これについては、上記の子供を虐待するおそれがあると判断する際の考慮事情といえます。

過去に、配偶者や子供へのDV・モラハラがあった場合には、面会交流時にDV・モラハラのおそれがあるといえますので、そのおそれがなくならない限り、面会交流を拒否する正当な理由があると考えられます。

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面会交流を拒否されたときの対処法

では、面会交流を拒否された側としては、どのように対処すべきでしょうか。
いくつか対応の方法をご紹介します。

元配偶者と話し合う

まずは、元配偶者と話し合うのが重要です。
離婚したとしても、面会交流については、どうしても父母で一定の協力関係が必要です。

そのため、面会交流を拒否された場合、なぜ拒否するに至ったのか、また、どうすれば面会交流を実施できるのかなどについて、冷静に話し合うべきでしょう。

面会交流調停の申し立てを行う

面会交流についての話合いがうまくいかない、もしくは、そもそも話合い自体ができないということもあるかと思います。

そのような場合には、家庭裁判所に面会交流調停を申し立て、裁判所を介した話し合いの場を設けることをお勧めします。

なお、面会交流調停については、話し合いがまとまらず、調停が不成立になった場合でも、審判手続きに移行しますので、裁判官による判断を仰ぐことができます。

間接強制の申し立てを行う

面会交流について、調停調書や審判書があるにもかかわらず実施されない場合、間接強制の申し立てをすることが考えられます。

間接強制は、面会交流が実施されない場合、1回につき●円を支払えといった命令を出すことで、監護親に心理的圧力をかけ、間接的に面会交流を強制する制度です。

間接強制については、上記のような調停調書・審判書(※公正証書は不可)があること及び面会内容が特定されていることが必要です。

親権者の変更の申し立てを行う

面会交流が正当な理由なく実施されない場合、非監護親と子供とが会えない時間がどんどん過ぎていきます。このような状況は、子の福祉の観点から、望ましくありません。

そのため、監護親が、面会交流をさせないことは、親権者としての適格性がないと評価される一事情になります。そこで、非監護親としては、面会交流が実施されないことが子供に悪影響であるということで、親権者変更の申し立てをすることも考えられます。

もっとも、親権者変更は、その他の事情も含めて総合的に考慮し、親権者を変更すべき特段の事情があるか否かで判断されますので、簡単ではありません。

面会交流を拒否されたら慰謝料請求は可能?

面会交流を拒否された場合、それが不当な拒否と評価されれば、慰謝料請求が可能な場合もあります。

もっとも、面会条件が具体的に決められていて、かつ、その拒否に正当な理由がない場合に慰謝料請求ができる可能性があるということですので、ケースとしては限定的と思われます。

また、面会交流をさせるつもりが一切ないことが明らかな場合などには、比較的慰謝料の金額は高額になるものと思われます。

面会交流を拒否された際のQ&A

面会交流を拒否されたので養育費の支払いを止めようと思いますが構いませんか?

養育費の支払いは、扶養義務を負っている限り、支払わなければならないものです。そのため、面会交流の拒否がいかに不当なものであっても、養育費の支払いを止めてはいけません。

養育費の支払いを止めた場合、相手方から強制執行がされる可能性がありますので、支払うようにしましょう。

面会交流を子供が拒否した場合はどうしたらいいでしょうか?

面会交流を子供が拒否した場合は、まず、なぜ行きたくないのか、会いたくないのかを、しっかりと聞いてあげましょう。

そして、年齢にもよるところですが、子供が明確に拒否している場合については、無理に面会交流を実施するべきではないという判断もあり得ます。

もっとも、子供がまだ小さく、面会交流の場に慣れていないなどで、反射的に泣いてしまったり、後ろ向きな態度をとることがあります。
そのような場合には、少しずつ子供を慣れさせる方向で考えるべきでしょう。

面会交流を拒否されてお困りの方は弁護士にご相談ください

面会交流については、子供を中心に考えるべき事項ですが、どうしても監護親と非監護親との関係性に左右されがちです。

そして、監護親と非監護親との関係が良好でない場合は多いため、面会交流についてトラブルになることも多いです。

面会交流の話合いの仕方や、個別事案ごとの面会交流の在り方については、これといった正解はないと思います。

そのため、面会交流についてお悩みの方は、経験が豊富な弁護士にお早めにご相談されることをお勧めします。

交通事故は、被害者の年齢や社会的立場によって賠償金の計算方法が大きく異なります。

特に「学生」の場合、現時点での収入が少ないために「賠償金が低くなるのではないか」と不安に感じる方も多いですが、実際には将来の可能性(逸失利益)を考慮し、高額な賠償が認められるケースも少なくありません。

本記事では、学生特有の慰謝料事情や休業損害、将来の収入減少を補う逸失利益について詳しく解説します。

学生の場合にもらえる慰謝料

学生が交通事故で怪我をした場合、受け取れる慰謝料には主に「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類があります。

これらは精神的苦痛に対する補償であり、基本的には職業や年齢によって金額が変わることはありません。

しかし、算出基準には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあり、どの基準を用いるかで金額に大きな差が出ます。

弁護士基準(裁判所基準)で交渉すれば、学生であっても適切な賠償額を請求可能です。
特に、試験や卒業行事、部活動の大会など、学生時代の貴重な機会を失った精神的苦痛は、慰謝料の増額要因として考慮されるべき重要なポイントとなります。

慰謝料以外に受け取れるもの

慰謝料は精神的苦痛への賠償ですが、それ以外にも実費として以下の費用を「積極損害」として請求可能です。

  • 治療費・診察費・投薬代(病院に支払った全額)
  • 通院交通費(公共交通機関の運賃やガソリン代)
  • 入院諸雑費(入院中に必要な日用品代など)
  • 付添看護費(親などが看病のために付き添った場合)
    これらは領収書などの証拠が必要になるため、大切に保管しておきましょう。

バイト収入があれば学生でも休業損害が認められる

学生であっても、アルバイトをしていて事故により働くことができなくなった場合は「休業損害」を請求できます。
休業損害とは、事故に遭わなければ得られたはずの収入を補償するものです。

「学生だから働けなくても損害はない」と判断されることはありません。
たとえ短時間の勤務であっても、実際に収入が減少したのであれば、加害者の保険会社に対してその損失分を正当に主張することができます。

アルバイトの休業日数の出し方

休業日数は、単に「大学を休んだ日数」ではなく「怪我の影響でバイトを休まざるを得なかった日数」を指します。

基本的には、医師の診断書をもとに「就労不能」と判断された期間内の、本来シフトが入っていた日が対象です。
シフトが決まっていなかった場合は、直近3ヶ月の勤務実績から平均的な稼働日数を割り出し、実態に近い日数を算出します。

アルバイトの休業損害の計算方法

休業損害の計算は、一般的に以下の式で行われます。

1日あたりの基礎収入 × 休業日数

1日あたりの基礎収入は、事故前3ヶ月間の総収入を90日で割って算出するのが一般的です。ただし、自賠責基準では原則として1日6,100円と定められています。

もし実際のアルバイト代がこれを超える場合や、弁護士基準で請求する場合は、実収入に基づいたより高い金額を基準に計算することになります。

請求には休業損害証明書・源泉徴収票が必要

休業損害を証明するためには、アルバイト先に「休業損害証明書」を作成してもらう必要があります。

これには、事故前の給与額や実際に休んだ日数が記載されます。また、給与の裏付けとして「源泉徴収票」「給与明細」の提出も求められます。

もしバイト代を現金で受け取っており、記録が残っていない場合は証明が難しくなるため、日頃から振込口座の記録や明細を管理しておくことが重要です。

学生の後遺障害逸失利益は高額になりやすい

「逸失利益」とは、事故で後遺障害が残ったために、将来得られるはずだった収入が減ってしまうことに対する補償です。

学生の場合、現時点では収入がなくても、将来数十年間にわたって働くことが前提となります。そのため、統計データである「賃金センサス」を基礎に計算されることが多く、労働可能期間も長いため、結果として賠償額が1億円を超えるような高額になるケースも珍しくありません。

学生の逸失利益の基礎になる収入はどうやって計算するの?

学生には事故当時の現実の収入がないため、厚生労働省の統計データである「賃金センサス」を用います。
具体的には「全産業・全年齢の男女別平均賃金」を基礎収入とすることが一般的です。

大学生であれば「大卒平均」、高校生であれば「高卒平均」など、本人の進路状況に応じてデータを選択します。将来の夢や内定先が具体的に決まっていた場合は、それに応じた高い基準が認められることもあります。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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学生の交通事故被害に関する裁判例

交通事故の被害者が高校生だった場合の裁判例

【名古屋地裁 平成15年4月28日判決】

事案:音大附属高校に在籍しており、バイオリン演奏という専門的な技術を有していた女子高校生(15歳)が死亡した事案。

争点:基礎収入を大卒男子卒業者の平均として算定することができるか。

裁判所の判断:同校の8~9割が音楽大学に入学していることを踏まえ、将来、演奏家になっているとまでは認められないものの、音楽関係の仕事に就く可能性が高く、このような職種において男女間の賃金格差は認められないとして、大卒男子卒業者の平均賃金の9割を基礎収入として(死亡)逸失利益を算定しました。

事故に遭った大学生に高額な逸失利益が認められた裁判例

【仙台地裁 平成10年3月6日判決】

事案:医学生(男・22歳)が、死亡した事案。

争点:医師(男)・企業規模計の全年齢平均を基礎収入とすることができるか。

裁判所の判断:医師国家試験の高い合格率に照らすと、67歳まで医師として稼働した蓋然性が極めて高いものということができるとし、賃金センサス・医師(男)・企業規模計の全年齢平均の給与額を基礎収入として(死亡)逸失利益を算定しました。

学生の交通事故に関するQ&A

事故により入試が受けられず、入学が1年遅れました。慰謝料は請求できますか?

交通事故により入試を受けることができず、入学が1年遅れてしまった場合には慰謝料ではなく、1年就職が遅れてしまった休業損害として請求できる可能性があります。

怪我の治療のために就活を中断せざるを得ず、就職が1年遅れました。休業損害は請求できますか?

請求できる可能性があります。

本来卒業して働き始めるはずだった時期に、事故の影響で就職できなかった場合、その1年分の給与相当額が「休業損害」または「逸失利益」として認められることがあります。

ただし、事故と就職遅延との間の因果関係を証明する必要があるため、医師の診断や就職活動の状況を証拠として示す準備が重要です。

交通事故で入院していたために留年してしまいました。授業料や慰謝料は請求できますか?

原則として請求可能です。

事故によって留年が確定した場合、余分に支払うことになった1年分の授業料は実損害として認められます。また、同級生と一緒に卒業できなかった精神的苦痛についても、慰謝料の増額事由として認められる可能性があります。

ただし、単なる成績不良ではなく、怪我や入院を原因とした留年であることを客観的に証明する必要があります。

勉強の遅れを取り戻すために家庭教師を付けました。家庭教師代は請求できますか?

必要性が認められれば請求可能です。

長期欠席によって学力が低下し、進級や進学に支障が出るのを防ぐための支出であれば、損害として認められることがあります。ただし、事故前の成績や欠席日数に照らして、必要かつ妥当な範囲であると判断される必要があります。

事前に弁護士に相談し、どの程度の費用なら認められやすいか確認しておくのが賢明です。

交通事故に遭われた学生の方・ご家族の方は弁護士にご相談ください

学生の事故被害は、その後の長い人生に大きな影響を及ぼします。
保険会社はしばしば、将来の可能性を過小評価し、最低限の基準で示談案を提示してくることがあります。

弁護士にご相談いただければ、賃金センサスを用いた正確な逸失利益の算出や、学業への支障を考慮した慰謝料の増額交渉を代行いたします。特に「弁護士費用特約」がご家族の保険に付帯されていれば、実質的な自己負担なしで依頼できるケースも多いです。

そのため、まずは是非一度、弁護士法人ALG&Associatesにご相談ください。

いざ離婚届を提出しようと思っても、提出先などがわからず、混乱すると思います。

以下では、離婚届の提出方法、提出の際の注意点等について解説していきます。

離婚届の提出先はどこ?

離婚届の提出先はどこでもよいわけではなく、夫婦の本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場と決まっています。

夫婦の本籍地が遠方であれば、所在地の市町村役場に提出するのが良いでしょう。

離婚届は一人でも提出できる

離婚届の提出は、二人で行う必要はなく、一人でもできます。

二人で行う場合には、不備があればその場で訂正できますが、一人で行う場合は、不備をその場で訂正することができず、受理されないことになります。

代理人による提出も可能

離婚届は、本人以外の代理人による提出も可能です。
もっとも、本人の委任状や、本人、代理人の本人確認書類が必要となる場合があるので注意が必要です。

予め提出先の役場に問い合わせるなどして、必要書類を確認するようにしましょう。

離婚届の提出に必要なもの

離婚届以外にも、以下のような書類を一緒に提出する必要があります。

離婚届の入手方法

離婚届は、役所で入手するか、WEBでダウンロードすることによって入手することができます。様式は共通なので、役所で入手する場合、行きやすい役所から貰ってきてもらえればよいです。

役所によっては、WEBでダウンロードした離婚届の提出を受け付けていないところもあるようですので、WEBでダウンロードした離婚届の提出が可能か、予め役所に問い合わせた方が良いでしょう。

離婚届と一緒に提出する書類

離婚届の他には、届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等)が必要です。

さらに、離婚調停で離婚が成立した場合には調停調書、離婚裁判で離婚が成立した場合には判決書の謄本判決確定証明書がそれぞれ必要となります。

離婚届の提出方法

郵送で提出

離婚届は郵送で提出することも可能です。

離婚届が受理されると、相手に離婚届を受理したことの通知が送られます。
離婚届が受理されたかどうかは戸籍謄本でも確認することができます。

窓口へ提出

役所が開いている時間内であれば窓口に提出することができます。

その場合、不備があれば戻されることになり、不備を訂正して出し直すことも可能です。

土日祝日や夜間でも提出可能

役所には、夜間窓口や休日窓口がありますので、夜間や土日祝日であっても離婚届を提出することは可能です。

もっとも、夜間や休日には記載に不備がないか等のチェックがなされないため、後日の開庁日にチェックされることになります。
不備がない場合には、提出日に遡って受理されます。

離婚届が受理されないことはあるのか?

以下のような場合には、離婚届が受理されないので、注意が必要です。

①記載内容に不備がある場合

記載内容に不備があれば離婚届は受理されません。
漏れがないか確認するようにしましょう。

②未成年の子の親権が定まっていない場合

未成年の子の親権が定まっていない場合にも、離婚届は受理されません。
共同親権が令和8年4月1日に施行されることとなりました。
法務省が作成した共同親権施行後の離婚届のイメージでは、「父母双方が親権を行う子」、「父(夫)が親権を行う子」、「母(妻)が親権を行う子」、「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」のいずれかの欄に未成年の子を記入しなければならないこととなっています。

③離婚届の不受理申請が出されている場合

離婚届の提出には不受理申出という制度があります。
これは、配偶者が勝手に離婚届を提出することを防ぐための制度で、一度は離婚に応じる意思があったものの、翻意したという場合にも使われます。
不受理申出がなされている場合には離婚届を提出できませんので、もう一度話し合い、不受理申出を取下げてもらう必要があります。

離婚届の提出期限

協議離婚の場合には、離婚届の提出期限はありません。
調停離婚、審判離婚、裁判離婚の場合には、それぞれ、調停成立日、審判確定日、判決確定日から10日以内に離婚届を提出しなければならないとされています。

提出期限を過ぎてしまっても離婚届の提出ができないわけではありませんが、裁判所から過料の制裁が行われる可能性がありますので、提出期限は守るようにしましょう。

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離婚届を提出する前にチェックしておくこと

離婚届に不備はないか

不備があると離婚届は受理されません。
普段あまり書くことのない本籍地の記載など、間違えないよう注意しましょう。

婚姻届と同じく、離婚届にも証人が必要です。
家族や友人などに証人欄の記載をお願いする必要があります。

離婚後の氏や戸籍をどうするか

婚姻によって姓が変わった配偶者は、離婚によって婚姻前の姓に戻ります。

もっとも、周囲の目が気になる、各種手続きが面倒といった理由で、婚姻中の姓をそのまま使用したいという場合もあるでしょう。
その場合には、離婚から3か月以内に、婚氏続称の届出を役場に提出する必要があります。

婚姻中、戸籍上筆頭者でなかった配偶者は、離婚によって、婚姻前の戸籍(通常は、親の戸籍)に戻ります。
また、離婚を機に、新しい戸籍を作ることもできます。

離婚条件について取り決めているか

離婚条件には、慰謝料、財産分与、親権、養育費、面会交流、年金分割などがあります。
親権以外の条件については、離婚を成立させるために必要ではありませんが、離婚が成立した後にこれらを請求するのは負担が大きいといえます。

そのため、離婚条件について話し合った上で、離婚届を提出するのが望ましいです。
また、単なる口約束では、争いとなった際に請求できない可能性がありますので、離婚協議書で書面化しておくべきです。

離婚届の提出に関するQ&A

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることはできますか?

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることは原則としてできません。
もっとも、①離婚に取消事由がある場合、②離婚が無効の場合には、例外的に離婚届の取下げが可能な場合があります。

①詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができます(民法747条1項)。
もっとも、取消し請求は、詐欺を発見し、もしくは強迫を免れた後、3か月以内に行う必要がありますので(同条2項)、注意が必要です。

②離婚が無効な場合とは、離婚届を偽造され、勝手に提出された場合などがこれにあたります。

離婚届を出したら即日離婚できますか?

協議離婚の場合には、離婚届の提出日が離婚日となります。
そのため、離婚届を提出し、特に不備がなければ即日離婚できます。

「次、浮気したら即離婚」と5年前に書かせた記入済みの離婚届が手元にあります。提出に問題ありませんか?

離婚をするには、現時点での離婚意思が必要です。
5年前に離婚する意思があったとしても、現時点で離婚する意思があるかは分かりません。

離婚届の審査は形式的になされるため、記入済みの離婚届があれば基本的には受理されることになりますが、後で相手方から離婚の無効を主張される可能性があります。
そのため、現時点でも相手方に離婚意思があるかを確認してから提出するようにしましょう。

離婚届の提出前に一度、弁護士に相談することをおすすめします

離婚届の提出自体は、そこまで難しい手続きではなく、ご自身で行うことも可能です。
もっとも、一度離婚が成立すると、離婚の有効性を争うことは難しくなります。

また、離婚条件について、法的に不利な内容となっているにもかかわらず、離婚を成立させてしまうと、離婚条件を今後争うことが難しくなります(自分自身は離婚に積極的ではないが、離婚条件次第では離婚に応じても良いと考えている場合、離婚に応じることと引き換えに離婚条件を交渉するといったことが考えられますが、離婚に応じてしまうと、それが難しくなります。)。

離婚届を提出する前に、ぜひ一度ご相談にいらしてください。
離婚意思のみでなく離婚条件についても聴き取りを行い、現時点で離婚を成立させるのが良いかといった点も含め、アドバイスさせていただきます。

親族が亡くなったとき、「そもそも誰が相続人となるのか」「相続人の間で、誰にどれくらいずつ分ければいいのか」「再婚相手や養子は相続できるのか」など、相続人の範囲や相続分について疑問に思われたり、親族間でもめるご家庭は少なくありません。

そのようなとき、基準となるのが、「法定相続分」です。

以下では、民法の条文に基づいて、相続人の範囲や順位、法定相続分の考え方やケース別の計算方法、法定相続分が認められない人、遺留分との違いなどについて、具体例を用いて解説していきます。

法定相続分とは

法定相続分とは、法律上規定された、各相続人が相続財産を承継する割合、つまり、「原則として、各相続人が相続できる割合」のことです。

遺言による相続分の指定がない場合や、遺産分割協議で話合いがまとまらない場合に、各相続人の相続分を決めるうえで基準として用いられます。

法定相続分は遺産分割協議で使用される

被相続人が亡くなり、相続が開始すると、原則として、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が、どの財産を、どの程度相続するかを話し合うことになります。

この話合いの際に、「どの程度相続するか」を考えるうえで、基本的な目安となるのが、民法で規定されている法定相続分です。

法定相続人の範囲と相続順位

誰が相続人となるかは、民法887条、889条、890条によって、定められています。

まず、相続人となる可能性があるのは、被相続人の配偶者、子(場合によっては孫)、被相続人の父母、被相続人の兄弟姉妹です。
そのうち、被相続人に配偶者がいる場合は、当該配偶者は常に相続人となります(民法890条)。

また、被相続人に子がいる場合には、当該子も相続人となりますが、被相続人の死亡時に当該子が既に死亡していた、または欠格事由(民法891条)を有していた場合には、当該子の子(被相続人からみると孫)が相続人となります。

相続する際の優先順位としては、まず、配偶者と子(または孫)(第1順位)、配偶者と子がいない場合には、被相続人の父母等(第2順位)、被相続人の兄弟姉妹(第3順位)となります。

順位 法定相続人
常に相続人 配偶者
第1順位 被相続人の子など直系卑属
(親子関係でつながった親族のうち下の世代)
第2順位 被相続人の父母など直系尊属
(親子関係でつながった親族のうち上の世代)
第3順位 被相続人の兄弟姉妹

【ケース別】法定相続分の割合と計算方法

配偶者+子供の場合

相続人が、配偶者+子どもの場合には、法定相続分は各2分の1ずつとなります。

なお、子どもが2人以上いる場合は、2分の1の相続分を頭数で割った金額が子1人あたりの法定相続分です。

(例)被相続人の相続財産が1200万円で、相続人が配偶者+子ども1人の場合
 配偶者600万円
 子ども:600万円

(例)被相続人の相続財産が1200万円で、相続人が配偶者+子ども2人の場合
 配偶者:600万円
 子どもA:300万円(1200万円×1/2×1/2)
 子どもB:300万円(1200万円×1/2×1/2)

配偶者+父母の場合

相続人が配偶者+被相続人の父母であった場合には、法定相続分は、配偶者が3分の2、父母が3分の1となります。

(例)被相続人の相続財産が1200万円であった場合
 配偶者:800万円(1200万円×2/3)
 父 母:400万円(1200万円×1/3。父母一人あたり200万円ずつ。)

配偶者+兄弟姉妹の場合

相続人が配偶者+兄弟姉妹であった場合は、法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。

なお、兄弟姉妹の場合も、上記の子どもの場合と同様、法定相続分を頭数で割った金額が、兄弟姉妹1人あたりの相続分です。

(例)被相続人の相続財産が1200万円、兄弟姉妹が3人いた場合
 配偶者:900万円(1200万円×3/4)
 兄弟姉妹A:100万円(1200万円×3/4×1/3)
 兄弟姉妹B:100万円(1200万円×3/4×1/3)
 兄弟姉妹C:100万円(1200万円×3/4×1/3)

配偶者のみ・子供のみ・親のみ・兄弟姉妹のみの場合

相続人が配偶者のみの場合は、原則として、被相続人の相続財産のすべてを、配偶者が相続することとなります。

子どものみ、親のみ、兄弟姉妹のみの場合には、いずれもその頭数で割った分が法定相続分となります。

(例)被相続人の相続財産が1200万円、子どもが2人のみである場合
 子どもA:600万円(2分の1)
 子どもB:600万円(2分の1)

配偶者+孫の場合(代襲相続)

被相続人の死亡時に、相続人となるはずであった子が既に死亡していたが、当該相続人となるはずであった子に子ども、被相続人からみると孫がいた場合、当該孫が相続人となります。

このように、ある人の相続開始前に、その相続人となるべき者(乙とします。)が死亡等していたとき、乙の直系卑属(子等)が乙に代わって相続することを、「代襲相続」といいます。

代襲相続人の法定相続分(代襲相続分)は、その直系尊属が受けるべきであった分(上記でいえば、乙が相続するはずであった相続分)と同じとされています。

(例)被相続人の相続財産が1200万円、配偶者+孫が二人の場合
 配偶者:600万円
 孫 A:300万円
 孫 B:300万円

養子がいる場合

養子の場合であっても、普通養子縁組や特別養子縁組をしている場合には、実子と同様に扱われますので、法定相続分は、子の場合と同様となります。

非嫡出子がいる場合

非嫡出子とは、法律上の婚姻関係にない両親から生まれた子どもを指します。

非嫡出子の場合、以前は、その法定相続分が、嫡出子(法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子ども)の2分の1とされていました。

しかし、現在は、法律が改正され、非嫡出子の場合も、嫡出子の相続分と同等となっています。

法定相続分が認められない人

離婚した元配偶者

離婚した元配偶者は、民法によって定められている相続人の範囲に含まれていません。

そのため、たとえ婚姻期間中は相続人であったとしても、離婚して元配偶者となれば、相続人とはならず、法定相続分は認められません。

内縁関係や事実婚の状態にある人

内縁関係や事実婚の状態にある方であっても、法律上の婚姻関係にはないことから、「配偶者」には当たらず、そのため、法定相続分は認められません。

養子縁組をしていない再婚相手の連れ子

再婚相手の連れ子であっても、被相続人と養子縁組をしていない場合には、前述の法定の相続人のいずれにも当たらないため、法定相続分は認められません。

代襲相続人でない孫や甥姪

孫や甥姪は、原則として相続人にはあたらず、法定相続分はありません。

孫や甥姪が相続人となるのは、被相続人の子や兄弟姉妹が死亡、欠格、廃除により相続権を失った場合に、民法に基づいて、代襲相続人となるときのみです。

相続放棄した人

ある相続人が相続放棄をした場合には、当該相続人ははじめから相続人でなかったとみなされます(民法938条)。

そのため、相続放棄をした人には、法定相続分も遺留分も認められません。

相続廃除や相続欠格に該当する人

被相続人を殺害した者など、民法891条各号に定める重大な事由にあたる行為をした者については、相続欠格となり、相続人となることができません。

また、相続人となる予定の者(推定相続人)が、被相続人に対して虐待をしたり、又は本人が著しい非行があったと認められるときには、被相続人が生前のうちに、家庭裁判所に当該推定相続人の廃除を請求することができます。

この請求が認められた場合には、当該推定相続人は相続人から廃除されることになります。

なお、相続欠格や相続排除にあたる相続人に子がいる場合には、当該子は代襲相続人として相続ができることに注意が必要です。

法定相続分と遺留分の違い

法定相続分とは、民法900条に規定されている、原則的な相続人の相続分(遺産総額に対する持分の割合)のことです。

これに対し、遺留分とは、一定の範囲の相続人(子、その代襲相続人、父母等の直系尊属、配偶者)が、相続について、法律上取得することを保証されている相続財産の一定の割合のことです。

法定相続分は、被相続人の遺言や贈与等によって、法定相続分を超える割合の相続をすることが可能です。

一方、遺留分は、法律上、上記相続人が受け取ることを保証している、いわば最低限度の相続分なので、被相続人のした贈与又は遺贈が遺留分を侵害した場合には、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求をすることができ、これによって金銭で調整されることになります。

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遺産分割が法定相続分どおりにならないケース

遺言書がある場合

有効に成立した遺言書がある場合には、原則として、遺言書の内容が法定相続分に優先するため、当該遺言に従った相続がされます。

たとえば、「特定の相続人にすべての不動産を相続させる」、「相続人ではない第三者に●万円を遺贈する」といった内容の遺言を残すことも可能です。

もっとも、当該遺言の内容が、相続人の遺留分を侵害しているときは、当該相続人からの遺留分侵害額請求によって、侵害された部分について、金銭での調整を求められることがあります。

生前贈与があった場合

なお、特定の相続人に特別受益がある場合の相続分の算定は、まず、特別受益の額をいったん相続財産に持ち戻し(みなし相続財産)、みなし相続財産に各相続人の法定相続分率を乗じたうえで、特別受益を受けた相続人は、そこから特別受益の額を差し引いて、相続分を算定します。

(例)相続財産が1000万円、相続人4人(いずれも子)、うち1人(子A)が被相続人から200万円の贈与を受けている場合
 みなし相続財産=1000万円+200万円
        =1200万円
 子A:100万円(1200万円÷4‐特別受益額200万円)
 子B:300万円(1200万円÷4)
 子C:300万円(1200万円÷4)
 子D:300万円(1200万円÷4)

寄与分が認められる場合

長年にわたって、無給又はこれに近い状態で被相続人の事業に従事したり、被相続人の借金を代位弁済する等して被相続人の財産の維持又は増加に特別に貢献した場合、被相続人を長年看護した場合等に、寄与分が認められる可能性があります。

なお、この場合の相続分の計算は、まず、相続財産から寄与分相当額を差し引いて、その残額を法定相続分に従って各人の相続分を計算し、そのうえで、寄与分を有する相続人には、前記相続分に寄与分額を加算して、相続分を算出します。

(例)相続財産が1200万円、相続人4人(いずれも子)、うち1人(子D)に寄与分として200万円が認められる場合
 相続財産‐寄与分相当額=1200万円‐200万円
            =1000万円
 子A:250万円(1000万円÷4)
 子B:250万円(1000万円÷4)
 子C:250万円(1000万円÷4)
 子D:450万円(1000万円÷4+寄与分200万円)

法定相続分に関するよくある質問

法定相続分を超える相続にはどんなものがありますか?

被相続人が遺言によって、特定の相続人に法定相続分を超える相続分を相続させる場合(民法902条)、遺産分割協議によって、他の相続人の同意を得て、法定相続分を超えた割合による相続をする場合(民法907条)、寄与分が認められ、法定相続分に上乗せされる場合(民法904条の2)等があります。

法定相続分がない人に遺産を取得させる方法はありますか?

内縁の配偶者や、お世話になった第三者等、法定相続分がない人にご自身の財産を残したい場合には、遺言による遺贈(民法964条)や死因贈与、生前贈与という方法が考えられます。

法定相続分についてのお悩みは遺産分割問題に強い弁護士にご相談ください

法定相続分は一見分かりやすいルールに見えますが、実際には、代襲相続や遺留分侵害額請求、生前贈与、遺言、特別受益、寄与分の有無等、複数の要素を考慮する必要があり、とても複雑になることも少なくありません。

また、相続人間の感情的な対立が深まると、なかなか当事者間の話合いでは話が進まなかったり、法的に正しいことを主張していても、話合いがまとまらないということもままあります。

相続が発生した場合はもちろん、生前のうちに、将来的に遺産相続が発生した際の親族間の紛争を未然に防ぎたいというご希望がある方は、一度、遺産分割問題に精通した弁護士にご相談ください。

交通事故の過失割合は、いつ、どのように決まるのでしょうか。過失割合は、当事者間で合意が成立すれば合意に従い、合意が成立しなければ、裁判所の判決等により決まります。

この記事では、交通事故の過失割合が決まるまでのプロセスについて説明します。

交通事故の過失割合はいつ決まる?

交通事故の過失割合は、当事者間で合意が成立すれば合意に従い、合意が成立しなければ、裁判所の判決等により決まります。いずれにしても、当該交通事故についての紛争が終局的に解決するタイミングで過失割合も決まることが通常です。

そのため、事故直後に、相手方から何らかの過失割合が示されたり、相手方がこちらの主張する過失割合を受け入れたかのように見えても、紛争が終局的に解決するまでは、過失割合は決まらないので、注意しましょう。

過失割合は誰がどうやって決めている?

過失割合は、当事者間で合意が成立すれば合意に従い、合意が成立しなければ、裁判所の判決等により決まります。当事者間の合意による場合、裁判所の判決等による場合のいずれの場合でも、過去の類似事例を参考に過失割合が検討されます。

したがって、過失割合は、「当事者」または「裁判所等の紛争解決機関」が、過去の類似事例をもとに、当該交通事故の具体的状況を踏まえて、決めているとご理解ください。

交通事故の過失割合は誰が決めるの?

過失割合の連絡がこない場合はどうしたらいい?

過失割合の連絡がこない場合には大きく2つのパターンがあります。

1つは、過去の類似事例にてらして過失割合を争うことがおよそ不可能といえるほど過失割合が明らかな場合です。
このような場合には相手方から過失割合についての連絡がなく、示談成立時に、当事者双方の間で暗黙に了解された過失割合を前提に示談が進むことがあります。

もう1つは、過失割合が主要な争点の1つとなる場合で、相手方としても、双方の損害額を踏まえて慎重に過失割合を主張すべきと考えている場合です。
いずれの場合においても、すぐに相手方に対して過失割合について問い合わせるのではなく、専門家に相談をしてください。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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保険会社から提示された過失割合に納得いかない時の対処法

相手方保険会社から過失割合が提示された場合、この過失割合に納得できない場合もあるかと思います。そのような場合には、相手方保険会社の主張する過失割合が、過去の類似事例と比較して、合理的なものかを検討する必要があります。

仮に、過去の類似事例と比較して、合理的なものといえる場合には、相手方保険会社が提示した過失割合を大きく動かすことは困難です。

これに対し、過去の類似事例と当該交通事故との事故状況とが異なっており、この異なっている点が、過失割合の判断において重要な意味を持ち得るような場合、また、参照し得る類似事例が複数あるような場合には、こちらに有利な過失割合を主張する余地がないか検討する必要があります。

こちらが主張する過失割合に合理的理由がある場合、相手方保険会社も、こちらの提案に応じて過失割合を修正する可能性があります。
もっとも、交通事故の過失割合については、豊富な類似事例がある他、示談交渉段階・訴訟段階双方において主張立証のポイントがあります。

不必要に相手方に有利な過失割合を受け入れることがないよう、過失割合について疑問があるときは弁護士にご相談ください。

交通事故の過失割合に納得がいかない場合の対処法

過失割合の疑問点は弁護士にご相談ください

交通事故の過失割合について疑問がある場合は、交通事故事件の処理について豊富な経験を持つ弁護士にご相談ください。

交通事故について弁護士に依頼していても、解決の方向性が合わない、対応が遅く連絡も付かないといった状況になることがあります。
本記事では、そのような場合に、弁護士を変えた方がいいのか、弁護士を変更する方法等について解説していきます。

交通事故の弁護士は変更できる!セカンドオピニオンの重要性

交通事故で弁護士に依頼している場合、弁護士を変更することは可能です。
他の弁護士に意見を求めることで、弁護士の変更を検討すべきかが分かる可能性があります。

法テラスや交通事故紛争処理センターを利用している場合は注意が必要

もっとも、法テラスや交通事故紛争処理センターを利用している場合には、注意が必要です。

法テラスでは、弁護士を変更するのに法テラスの承認が必要となっています。
また、紛争処理センターでは、弁護士の変更はできないことになっています。

弁護士の変更を検討したほうが良いケース

相性が良くない

弁護士の変更を検討した方がいいケースとして、相性が良くない場合があります。

コミュニケーションがスムーズにいかず会話が成り立たない場合や、質問したことに答えてもらえない場合、弁護士と話す気持ちになれない場合などは、その弁護士との相性が良くない可能性があります。

解決の方向性が合わない

解決の方向性が合わない場合も、弁護士の変更を検討すべきです。

自分としては、仮に後遺障害が認められる可能性は低いとしても申請自体は行いたいと考えているにもかかわらず、弁護士が後遺障害申請をせずに進めようとしているといった場合がこれにあたります。

対応が遅い、連絡が取りにくい

弁護士の対応があまりに遅い場合にも、弁護士の変更を検討したほうがいいでしょう。

交通事故の示談交渉は、相手方保険会社から資料が共有されるまでに時間がかかることや、弁護士会照会で資料を収集しようとしていれば照会結果が出るまでに時間がかかることなどがあり、必ずしも弁護士の対応が遅いわけではない場合もあります。

もっとも、弁護士に状況を確認して、そのような待ちの状況などではないことが判明したにもかかわらず、さらに長期間進展がない場合には、自分の事件が後回しにされている可能性があります。

弁護士に業務停止処分が下った

よくあることではありませんが、弁護士に業務停止処分が下ることがあります。
弁護士には、独自の懲戒制度があり、弁護士法等の違反が重いケースでは、弁護士に業務停止の処分が下る場合があります。

業務停止処分が下れば、弁護士はその期間業務を行うことができませんので、依頼している事件が止まってしまうことになります。
この場合、依頼している事件を今すぐ進めるためには、弁護士を変更せざるを得ません。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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弁護士を変更する方法

以下、弁護士を変更する方法について解説していきます。

新しい弁護士を探して相談する

まずは、新しい弁護士を探して相談しましょう。
その際、弁護士の変更を考えている旨とその理由を伝えます。

新しい弁護士なら解決してくれそうということであれば、依頼したい旨を伝えましょう。

今依頼している弁護士に変更したい旨を伝える

その上で、今依頼している弁護士に、弁護士の変更をしたい旨を伝えます。
依頼している弁護士に資料を預けている場合には、全て返却してもらう必要があります。

(弁護士費用特約を利用している場合)保険会社にも弁護士を変更する旨を伝える

弁護士費用特約を使用している場合には、保険会社にも弁護士を変更する旨伝える必要があります。
弁護士費用特約では、保険会社が弁護士費用を支払うため、弁護士が変われば保険会社の支払先も変わることになるからです。

新たな弁護士に着手金を支払う

新しい弁護士に依頼する場合には、新しい弁護士に着手金を支払う必要があります。

弁護士費用特約に入っている場合は、上限はありますが、基本的には弁護士費用特約から弁護士費用が支払われるため、新たに負担は生じない可能性もあります。
弁護士費用特約に入っていない場合には、自己負担となります。

引継ぎをしてもらう

新しい弁護士は、事件の内容や交渉の経過を知らないため、引き継ぎを行う必要があります。前の弁護士から回収した資料を新しい弁護士に渡し、どこまで話が進んでいるかを伝えましょう。

弁護士間で共有してほしい場合には、両方の弁護士にその旨を伝えれば、対応してくれる場合もあります。

新たな弁護士が対応を開始する

新しい弁護士が事件の内容等を把握すれば、対応が開始できます。
前回と同じ事態とならないためにも、弁護士と綿密なコミュニケーションを図るようにしましょう。

弁護士を変更した場合のデメリット

以下、弁護士を変更した場合に考えられるデメリットについて解説していきます。

着手金は返ってこない

1つ目は、着手金が返ってこないということです。

着手金は、弁護士が事件に着手するにあたってかかる費用のため、途中で弁護士を変更したとしても、前の弁護士の着手金の返還を求めることはできません。

完全成功報酬型でも解任までの費用は請求される

報酬体系の中の1つに、完全成功報酬型というものがあります。

これは、着手金をゼロとする代わりに、成功報酬を通常より高めに設定するもので、依頼者が着手金を用意することが難しい事件で採用されることがあります。
この場合でも、解任までの費用は請求されるため、注意が必要です。

解約金が発生する可能性がある

委任契約書に、解約金の定めがある場合、当該条項に基づいて解約金が発生する可能性があります。
弁護士の変更を検討する場合には、委任契約書を確認するようにしましょう。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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弁護士変更にあたっての注意点

書類は全て返してもらう

新しい弁護士が対応するにあたり、書類がなければ事件を進めることができません。
書類は全て返してもらうようにしましょう。

弁護士費用特約を利用している場合は要確認

弁護士費用特約には上限額があり(通常は300万円)、これを使い切ってしまっている場合には、新しい弁護士に対し、自費で弁護士費用を支払う必要があります。

そのため、弁護士費用特約に加入している保険会社に、弁護士費用の枠がどれだけ残っているかを確認するようにしましょう。

変更しても結果が変わらない場合もある

弁護士を変更しても結果が変わらないこともあります。
以下、その例を挙げます。

示談を締結してしまった場合

相手方保険会社と示談を締結してしまった場合には、新しい弁護士でもその示談を覆すことはできません。

示談書には、清算条項といって、示談書に定める他に請求しうる債権が存在しない旨の条項が規定されています。
そのため、弁護士が変わったからといって、慰謝料等を増額して請求することはできないことになります。

症状固定してしまった場合

すでに症状固定してしまった場合にも、その示談を覆すことはできません。
症状固定は、簡単に言えば、治療してもこれ以上良くならない状態のことを言います。

症状固定時期ついては、医師の判断が重視され、新しい弁護士でも、すでになされた医師の判断を変更することはできません。
そのため、すでに症状固定してしまった場合には、弁護士を変更してもその時期をずらすことはできないことになります。

交通事故に強い弁護士の選び方

解決事例が豊富にある

弁護士によって、これまでに扱ってきた事件の数や割合は異なります。
交通事故事件には、交通事故特有の知識や経験を必要とするため、ベテランの弁護士であっても、交通事故にはあまり詳しくないといったことがあり得ます。

相談時に、交通事故の解決事例が豊富にあるかを確認するようにしましょう。

交通事故専門にやっている・専門の部署があるか

交通事故は、事件処理に関してある程度定型化されている側面がある一方、複雑な論点も多く存在します。

そのため、交通事故を専門的に扱っている事務所でなければ、対応が難しいケースがあります。ホームページを確認するなどして、事務所として交通事故に力を入れているかを確認するようにしましょう。

医学知識があるか

症状固定時期や後遺障害等級が争いになる場合など、交通事故には少なからず医学的知識が必要となります。

弁護士は医学の専門家ではないので、医者と同じレベルの医学的知識を有している人はほとんどいませんが、主張を構成するにあたって、医学的要素を含んだ議論を避けることはできないため、ある程度の医学的知識を有しているのが望ましいと言えます。

交通事故は弁護士法人ALGにお任せください

弊所は交通事故に力を入れており、対応件数が非常に多いのが特徴です。
交通事故を専門的に扱っている事業部も存在し、事案によっては連携を図ることができます。

依頼している弁護士の事件処理に関し、不満がある場合には、ぜひ一度ご相談ください。

名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善
監修:弁護士 井本 敬善弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:45721)
愛知県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。