交通事故の休業補償を受け取る方法

交通事故の休業補償を受け取る方法

名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善

監修弁護士 井本 敬善弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長 弁護士

労働者が、仕事中や通勤途中に交通事故に遭ってしまった場合、労災保険に対して保険金を請求できるときがあります。

この労災から受けられる保険金の中には、交通事故によるケガで休業を余儀なくされたために受け取れなかった収入に対する補償があり、これは休業補償と呼ばれています。

この記事では、休業補償の制度・特徴や活用方法について説明していきます。

交通事故の休業補償とは

会社に雇用され、労災保険に加入している労働者が労災にあった場合、労災保険に対して保険金を請求出来ることがあり、業務中や通勤中の交通事故も労災に該当することがあります。

このとき、業務中に生じた交通事故は業務災害、通勤中の場合は通勤災害と呼ばれて区別されています。

休業に対する補償に関して、この分類に応じて、業務災害のときが「休業補償給付」、通勤災害のときが「休業給付」と名称の違いはありますが、支給要件は同じです。

その支給要件とは、①業務上の事由または通勤による負傷や疾病のため、②労働することができないため、③賃金を受けていない、という3要件とされています。

休業補償はいつもらえる?

休業補償には待機期間が存在し、事故の初日から3日目までは支給がされません。

業務中・通勤中の交通事故によるケガで仕事を休んでから、4日目以降の休業について支給対象となってきます。

この初日から3日目の休業については、業務災害であれば事業主に対して休業補償を請求できます。

他方で、通勤災害の場合は、事業主の補償責任を定めた法令上の規定はないため、加害者側に休業損害として請求することを検討することになります。

休業補償はいつまでもらえる?

休業補償は、上記の3要件を満たす期間の間はずっともらい続けることができます。

そのため、ケガが完治したり、症状固定(適切な治療を受け、これ以上は改善を見込むことができない状態)に至って治療が終了したりしたときには、①の要件を満たさなくなるため、終了となるでしょう。

ただし、療養開始後1年6ヶ月が経過しても、その負傷又は疾病が治っておらず、労基署が定める傷病等級表に該当する程度の障害がある場合は、休業補償ではなく、傷病(補償)等年金に切り替わることがあります。

交通事故の休業補償と休業損害の違い

これまで解説してきたとおり、休業補償とは、労災保険の制度の一つです。

そのため、交通事故の加害者側に対して請求できる休業損害とは、休業によって得られなかった収入を補填するものである点が共通しますが、請求先や対象となる事故が異なります。

下記の表では、両者の違いについてまとめています。

  休業補償 休業損害
請求先 労災保険 加害者本人、加害者加入の自賠責保険又は任意保険
対象となる事故 業務中又は通勤中に生じた交通事故 人身事故全般
(自身が100%の過失を負う自己を除く)
貰える金額 平均賃金に相当する額の60%を給付基礎日額と定めています。
この給付基礎日額×休業日数(但し、初日から3日目までを除く)で計算。
自賠責保険では、原則として6100円×休業日数で計算。
弁護士を介した交渉では、休業損害証明書より日額を算定し、その額×休業日数で請求を行うこともあります。
過失割合の影響 なし あり
有給休暇の取り扱い 休業保障の対象外となる 損害として請求できる
待機期間 初日から3日目までの3日間 なし
いつ貰えるか 請求してから審査の終了後
その後は、1か月ごとに支給
原則、示談成立後
貰える期間 ①業務上の事由または通勤による負傷や疾病のため、②労働することができないため、③賃金を受けていない、の3要件を満たしている期間。 休業の必要性・相当性が認められる期間

休業補償と休業損害はどちらを請求する?

休業補償と休業損害は、請求先などの違いはあれども、休業によって得られなかった収入を補填するものである点は共通しています。

どちらを先に請求するかは、被害者の意思に委ねられています。
このとき、過失割合が低ければ休業損害の方が高い計算結果となりやすい反面、休業補償には比較的早めに受け取れるメリットがあります。

そのため、休業補償を先に受け取っておき、治療終了後に加害者側へ差額分を請求するといったように、両方への請求を使い分けることが可能です。

ただし、重複して支払いを受けることはできないため、両方を満額受け取ることは不可能です。また、両方に請求を行うメリットはもう一つあります。

労災保険には、休業補償のほかに、「休業特別支給金」という制度が設けられており、休業補償と合わせて平均給与の20%を追加で受け取ることが可能です。

この休業特別支給金は、損害の補填ではなく、労働者の福祉のために支給される労災独自の制度であるため、休業損害の請求額にも影響しません。

そのため、休業損害を満額受け取っている場合でも、休業特別支給金を申請することで、おおよお120%の額の金額を受け取ることができるため、両方に申請を行った方がよいでしょう。

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交通事故の休業補償の特徴

以下の項目では、休業補償の制度の特徴について、詳細にまとめています。

待機期間がある

休業補償には、待機期間が設けられており、初日から3日目までは、労災保険からの保険金給付がなされません。

加害者の加入する自賠責保険や任意保険には待機期間がないため、1日目の分から請求をしていくことができます。

このとき、業務災害の場合は、あくまで労災保険から支給がないだけであるため、この3日間については、自賠責等への請求のほか、勤務先の事業主へ直接休業補償を行うように求めることもできます。

他方で、通勤災害の場合には、事業主が保障をすべきとの法令上の定めはないため、この3日分は、加害者側に対する請求で対応することになります。

支払いに過失割合の影響・上限はない

休業補償では、過失割合に応じた減額をしないため、常に満額を受け取ることができます。
また、支払い額に上限がないため、要件を満たす限りは、保険金の受け取りをすることができます。

一方で、加害者本人や任意保険への請求では、被害者に過失がつく事故に場合、その被害者の過失分だけ賠償額を減額するという過失相殺を行うことがほとんどです。

また、自賠責保険では、被害者側の過失による調整は、重過失(7割以上の過失の場合)のみに限定されていますが、ケガに関する賠償は120万円が上限となっています。

そのため、休業損害だけではなく、治療費や入通院慰謝料等の損害総額として120万円を超える分は、自賠責では対応できません。

そのため、過失割合が多いときにも活用しやすいのが、労災保険のメリットと言えるでしょう。

自営業者や専業主婦(夫)は対象とならない

休業補償は、労災保険の制度であるため、労働者ではない個人事業主(特別加入制度によって任意加入している人を除く)や専業主婦(主夫)といった加入者ではない者は、申請ができません。

有給休暇を取得した日は対象外

休業補償の要件の一つとして「③賃金を受けていない」を満たす必要があります。

このとき、ケガで休業を要するときに、有給休暇で対応した場合、その日は労働をしていなくても、会社から賃金が払われます。すると、上記要件を満たさないこととなり、休業補償の対象日から外れます。

一方で、休業損害の考え方では、有給休暇が取得できるという権利を、交通事故のケガのために消費させられたことを損害として考え、加害者側に請求することが認められています。

所定休日は要件を満たせば対象となる

休業補償は、上記の3要件を満たしている限り、会社の所定休日分も含めて休業日数として計算されます。

また、事故直前の勤務日数に関わらず、交通事故のケガなどで労働できない日であれば、待機期間の3日を除いた全日数で計算をします。

休業損害は、あくまで交通事故のせいで会社を休んだ日のみが対象となりうるので、もともと会社が休みの日は、含めません。

交通事故における休業補償の計算方法

交通事故における休業補償は、休業1日につき、給付基礎日額の80%(休業(補償)等給付の60%+休業特別支給金の20%をどちらも請求する場合)で計算されています。

この給付基礎日額は、事故が発生した日の直前3か月間に、その労働者に対して支払われた賃金総額を、その期間の歴日数で割った、一日当たりの賃金額を指します。

但し、この算定基礎となる「賃金」には、臨時的支払われるものや、賞与などは含まれません。また、休業日数は、上述のとおり、初日から3日目までを除いた、4日目以降から起算します。

休業補償の請求方法

休業補償の申請書類は、勤務先を管轄する労働基準監督署(労基署)に提出します。

法律上は労働者個人が申請者であり、勤務先には申請の協力義務が定められています。
しかし、多くの会社では、労災保険の申請を代わりにやってくれることも多いので、一度ご相談してみることをお勧めします。

申請書には、会社の証明欄のほか、通院先の担当医の証明欄もあるため、病院にも協力を依頼する必要があります。

会社が非協力的な場合は、自らが請求する必要があります。
申請書は、厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。

請求の時効に注意

休業補償には、時効があります。休業補償の場合、賃金を受けない日ごとに請求権が発生していますので、その翌日から2年間が経過すると申請ができなくなります。

早く受け取りたい場合は受任者払い制度を利用する

休業補償を申請すると、労基署での審査が行われ、支給の決定が出てから支払いがなされます。

この申請から支給までは、1か月程度かかりますが、事案によってはより長期間を要します。しかし、毎月の給与から生活費を工面している方がほとんどであると思いますので、この支払いまでの期間が長引くと、生活に大きな支障が出ます。

このような場合、会社に、休業補償に相当する金額を立て替えて支払ってもらい、労災保険から支給される休業補償については会社に直接払ってもらうという受任者払い制度というものがあります。

この受任者払い制度は、会社に強制できないため、あくまで会社の協力が得られる場合に限られるものの、早めに受け取ることができる場合があるので、利用したい場合は、一度会社にご相談してみることをお勧めします。

休業補償の請求が認められなかった場合の対処法

休業補償の申請をしても、労基署での審査により、要件を満たしていないなどの理由で、保険金の不支給決定が出ることがあります。

この決定に対して不服がある場合には、都道府県労働局に置かれている労働者災害補償保険審査官に不服申立てをすることができます。これを「審査請求」と呼びます。

この審査請求は、監督署長の決定の通知を受けた日の翌日から3か月以内に行う必要があります。

勤務中・通勤中の交通事故の休業補償・休業損害請求は弁護士にご相談ください

休業補償は、労災の制度の一つであり、加害者側への休業損害にかかる賠償請求とは、様々な点で相違点があります。

労災保険の休業補償には、特別支給金を併せて申請することで100%以上の額を受け取れる可能性があるほか、加害者への請求が認められる範囲よりも休業期間が長めに認められやすい点や比較的早めに受け取ることが出来るという点でメリットがあります。

また、過失割合に応じた減額がなされないので、こちらにも過失が大きく認められる事故の場合には、特に労災を活用することのメリットが大きいと言えます。

要件を満たす場合は、休業補償も休業損害の両方を支給していくべきですが、重複した受け取りができないため、過失割合などが絡んでくると、最終的にいくらを受け取りできるのかの予想がつかないケースも多いところです。

交通事故の休業補償について、自分の事故が対象となるのか、加害者からの賠償金よりも先に請求した方がよいのかといった点でお困りの方は、弁護士法人ALGにご相談ください。

この記事では、いわゆる、ダブル不倫と言われるケースについての法律関係について解説します。

ダブル不倫では、当事者が多岐にわたるため、法律関係が複雑化しやすいため、専門知識を有する弁護士へのご相談をお勧めします。

ダブル不倫とは

ダブル不倫とは法律用語ではありませんが、一般に、不貞の当事者双方に配偶者がいる場合があります。このような場合、不貞の当事者双方が加害者、不貞相手の配偶者が被害者という構図になります。

慰謝料を請求する相手

ダブル不倫の被害者は、①不貞相手②自身の配偶者の双方に対し、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法第709条)として、不貞を理由とする慰謝料を請求することが可能です。

以下では、主に、①不貞相手に対し、慰謝料請求をする場合を想定して説明します。

ダブル不倫では慰謝料請求が難しいと言われる理由

ダブル不倫では、慰謝料請求が難しいと言われることがあります。

こちら(被害者側)が、不貞相手に対して慰謝料請求をしたとしても、不貞相手が配偶者に対して求償権(後述します)を行使する他、不貞相手の配偶者が被害者の配偶者に対し、別途慰謝料を請求した結果、こちら(被害者側)の家計全体として十分な賠償額を獲得できないことがあります。

ダブル不倫の慰謝料の相場はいくら?

離婚する場合 150万円~200万円
離婚しない場合 50万円~100万円

明確な文献上の根拠があるわけではないですが、不貞行為を理由とする慰謝料の相場は、被害者側の夫婦が離婚する場合は150万円~200万円、被害者側の夫婦が離婚をしない場合は50万円~100万円となります。

訴訟となった場合の判決では、不貞行為の回数、不貞期間、婚姻期間、不貞が発覚した後の加害者側の態度等の事情が総合的に考慮され、実際の慰謝料が決まります。

ダブル不倫の慰謝料を増額させるポイント

ダブル不倫の期間や頻度

不倫の期間が長ければ長いほど、また、性交渉の頻度が多ければ多いほど、慰謝料額は高額となります。

精神的・肉体的苦痛の程度

不倫発覚後の加害側の不誠実な態度など、被害者側が、高度の精神的・肉体的苦痛を負ったと評価し得る場合には、慰謝料は高額となります。

婚姻期間の長さ

婚姻期間が長いほど、慰謝料は高額となります。

相手の収入

相手の収入は、理論上は、慰謝料の増額事由にはあたりません。

もっとも、相手の収入が高い方が、相手方が高額な慰謝料の支払いに応じてきやすいという事情があるため、交渉や、訴訟上の和解において、高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まります。

子供の有無

被害者側に子供がいることは、慰謝料の増額事由として考慮されることがあります。

不倫の主導者がどちらなのか

不倫の主導が、被害者の配偶者ではなく、不貞相手である場合には、不貞相手に対する慰謝料は高額となります。

なお、ここでの「高額」とは、慰謝料全体の金額ではなく、被害者の配偶者と、不貞の相手方との負担割合の大小を指します。

夫婦関係が円満だったかどうか

不倫の時点で被害者側の夫婦関係が破綻していたといえる場合には、そもそも、精神的苦痛が発生しないということで、不倫による不法行為は成立しません。

これに対し、夫婦関係が破綻したとまでは言えないにしても、夫婦関係が円満ではなかった、と評価される場合には、慰謝料は相対的に低くなります。

逆に言えば、被害者側の夫婦関係が円満な場合には、慰謝料は高額となります。

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ダブル不倫で慰謝料を請求する方法

慰謝料請求のための証拠を集める

不貞相手に慰謝料を請求するためには、不倫の事実に加え、不貞相手が不倫だと認識していたとの事実(あるいはその認識に過失があったとの事実)を立証する必要があります。

また、慰謝料の増額事由を立証するため、被害者側の夫婦関係が円満であったことを裏付ける日常のやりとりも損害の大きさを立証するための証拠となります。

当事者間の話し合いで慰謝料の請求額を決める

通常は、当事者間の話し合いで慰謝料の額を決めることとなります。
これを、交渉と呼びます。

交渉においては、相手方の支払い可能性や、証拠資料の多寡等を見極めて、請求額を決め、妥協点を想定する必要があります。

交渉開始後の、不貞相手方からの反論により、被害者側に不利な事実、又は、不貞相手側に有利な事実が明らかになる場合もあります。

そのような場合には、方針を変更しながら、交渉を進めていく必要があります。

内容証明郵便を送る

慰謝料の請求は、通常、内容証明郵便を発送して行います。

内容証明郵便は、ある内容を記載した書面が相手方に到達したことを事後的に証明し得るものです。

不貞相手が、内容証明郵便を受領したにもかかわらず、支払いに応じなかった場合、訴訟において、相手方の態度が不誠実だとして、慰謝料の増額事由として主張することもあり得ます。

合意できなければ調停や裁判を検討

交渉を開始しても慰謝料額その他の条件について合意ができなければ、調停や訴訟を検討することになります。

交渉で一定額の慰謝料額の獲得が認められる場合に、訴訟や調停に移行することで、むしろ、獲得できる賠償額が下がることもあります。

そのため、調停や訴訟に移行する際には、慎重な検討が必要となります。

ダブル不倫の慰謝料を請求する際の注意点

慰謝料請求の時効

慰謝料請求の時効は、損害及び加害者を知ってから3年、不法行為の時から20年となります。20年の方は、除斥期間といって、通常、いかなる事由をもっても、延長されることはありません。

時効又は除斥期間が満了すると、不貞を理由とする慰謝料請求をすることができないため、注意が必要です。

求償権について

被害者が、不貞慰謝料の相手方に対し、慰謝料請求を行った場合、不貞慰謝料の相手方が、被害者の配偶者に対し、求償権を行使する場合があります。

被害者から見た場合、不貞行為の相手方と、被害者との配偶者が、共同不法行為を行った、という形になります。

被害者側からは、不貞行為の相手方に対しても、被害者の配偶者に対しても、損害の全額について損害賠償請求をすることができますが、共同不法行為者である、不貞行為の相手方と被害者の配偶者との間で公平に損害賠償責任を分担すべきということになります。

そのため、例えば、被害者が、不貞行為の相手方に対し、200万円の損害賠償請求を行い、これが認められた場合でも、不貞行為の相手方が、被害者の配偶者に対し、求償権として、100万円を請求する、といったことがあり得ます。

ダブル不倫で、慰謝料請求が難しいとされる理由は一般にここにあります。

ダブル不倫の慰謝料は早い段階で弁護士に相談することをおすすめいたします

ダブル不倫をめぐる法律関係は非常に複雑です。また、当事者間で話し合いをした結果、不合理な条件を受け入れさせられるということもあります。

ダブル不倫の慰謝料請求について検討している場合には、早い段階で弁護士に相談することをおすすめいたします。

亡くなった方に後妻がいるような場合、相続はどうなるのか、また、後妻の連れ子がいる場合にはどうなるのか、把握されている方は少ないかと思います。

ここでは、後妻と相続に関して、解説をしていきます。

被相続人に後妻がいる場合の相続はどうなる?

まず、被相続人に後妻がいる場合に、その後妻が相続人になるのか、また、連れ子がいる場合はどうなるかなどについて、解説いたします。

後妻は相続人になる?

民法では、「配偶者」は相続人になると定められているところ、後妻は、「配偶者」ですので、相続人になります。なお、法定相続分は、2分の1です。

後妻の連れ子に相続権はある?

民法では、「被相続人の子」は相続人となる旨定められていますが、血縁関係のない連れ子については含まれず、相続人とするためには、養子縁組をする必要があります。

後妻に相続させない方法はある?

夫の立場でできること

それでは、夫の立場として、自身の死後に後妻に相続をさせないということができるのかですが、法律上それはできません。

もっとも、他の相続人に全部を相続させる旨の遺言を作成するなどで、後妻について遺留分額に制限することは可能です。

相続人の立場でできること

他の相続人としては、例えば、全財産を後妻に相続させるといった遺言がある場合、それが不自然(遺言が作成された当時すでに認知機能が低下していたなどで)であれば、遺言無効を主張することが考えられます。

その他にも、法律上認められた遺留分請求をすることも当然考えられます。

後妻の死後に前妻の子供が遺産を相続することはできる?

ここについては、結局のところ、前妻の子が後妻の相続人になるか否かによって異なります。

つまり、前妻の子が、後妻と養子縁組をしている場合には、後妻が亡くなった際の相続人となりますので、遺産を相続することができます。

他方、養子縁組をしていない場合、法定相続人にはなりませんので、遺贈等がない限り、遺産を相続することはできません。

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後妻と前妻の子の間でよくある相続トラブル

被相続人が亡くなる前、後妻がずっとそばにいて看病等をしていたことから、財産を全て後妻に相続させる旨の遺言が作成されることが良くあります。

ただ、関係性にもよりますが、前妻の子からすると、全く知らない人が父の財産を全て相続することになっており、感情的対立になることも多いです。

遺産相続については、協議で解決することがほとんどですが、場合によっては、調停・審判になることもあります。

後妻がいる場合の相続を円滑に進めるための対策

夫の立場でできること

夫としては、まずは遺言をしっかり残しておくことが重要です。

また、遺言については、後で有効性が争われないように、できれば公正証書の形で残しておくべきでしょう(※状況により公正証書遺言でも有効性が争われる余地はあります。)。

相続人の立場でできること

相続人としては、できる限り生前に財産状況や生活状況を把握しておくことが大切です。

また、状況次第では、相続放棄を検討する場合もあるかと思いますので、なるべく早めに専門家に相談することをお勧めします。

後妻がいる場合の相続をスムーズに行うためにも経験豊富な弁護士にご相談ください

後妻がいる場合の相続については、法律関係が複雑になるのに加え、関係性によっては、どうしても感情的対立が生まれ、円滑に相続手続きが進まないこともあります。

そのような場合、当事者間で解決するのはなかなか難しいかと思われます。
そのため、専門家である弁護士にお早めにご相談されることをお勧めいたします。

相続登記とは、登記簿上の不動産の所有者の名義を、亡くなられた方から、その不動産を相続する方に変更することをいいます。

相続登記は、相続人のうちの1人の名義にすることもできますし、2人以上で共有して名義を登記することも可能です。

また、2人以上の共有名義とするときの持分は、相続人間で遺産分割協議等で話し合って決めた任意の持分で登記することもできますし、法定相続分に従った持分の登記をすることもできます。

しかし、不動産登記を共有名義ですることはあまりおすすめできません。
以下では、不動産を共有名義で行った場合のデメリットや、共有名義としないための対処方法について解説します。

共有名義とはどんな状態のこと?

共有名義とは、不動産を複数人で所有し、登記簿にそれぞれの持分に応じて複数人の名義が記載されている状態のことです。

相続においては、被相続人の相続財産である不動産を、複数人の相続人(被相続人の配偶者と子等)が、それぞれ相続し、共同して所有している状態を指します。

共有名義のメリット

共有名義のメリットとしては、法定相続分に応じて相続し、それぞれの持分に応じた登記をすれば良いため、相続人間で協議をしたり、調整をする必要がないことがあげられます。

また、法定相続分に応じた登記をするため、遺産分割協議書等の書類も必要なく、登記のために必要な書類も少なくなります。

共有名義のデメリット

共有名義の不動産は、共有者全員の意思が合致しなければ賃貸や売却などの有効活用ができません。
そのため、共有者の一人が当該不動産を賃貸物件としたいと考えていても、他の共有者が反対した場合、当該不動産を賃貸することはできません。

また、共有者全員が当該不動産を売却するという意思が合致していたとしても、売却先の業者をめぐって意見が割れて、なかなか売却が進まないということも考えられます。

相続当初は相続人間の仲が良くても、環境の変化によって関係が悪化することも少なくありませんし、不動産の共有名義は後々トラブルになりがちです。

共有名義で不動産を相続する場合の手続き

共有名義で不動産を相続し、登記する場合には、主に以下のような手順で手続きを進めていきます。

  • ① 相続登記をする対象となる不動産を特定する。
    固定資産税の通知書や、不動産の権利証等から、相続登記をする対象となる不動産を特定することになります。
  • ② 不動産の登記簿謄本を取得する
  • ③ 相続登記をするにあたって、各相続人の持分割合を決める。
    遺産分割協議をして任意に持分割合を決めた場合には、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の実印を押す必要があります。
    法定相続分に従って共有する場合には、この手続きは不要です。
  • ④ 必要書類の収集
    登記申請のために必要な書類(被相続人や相続人の戸籍謄本、遺産分割協議をした場合には、相続人全員の実印が押された遺産分割協議書と相続人全員の印鑑登録証明書等)を用意します。
  • ⑤ 登記申請
    必要書類を用意した上で、相続対象となる不動産の所在地を管轄する法務局で申請書類を提出して、登記申請をする必要があります。
    なお、この書類の提出方法は、窓口のほか、郵送でもできます。

自分が相続した持分だけ名義変更したい場合

共有名義で登記をしていたとしても、自分の持分として登記している部分は、所有権を有しています。

そのため、原則として、自分の持分部分の名義のみであれば、他の共有者の同意を得ることなく、自由に名義を変更することができます。

共有名義で不動産を相続したくない場合の対処法

共有名義で不動産を相続することを避けるための方法としては、被相続人が生前に遺産分割の内容を具体的に指定する内容の遺言書を作成しておくほか、相続時に相続対象となる不動産等を売却し、その売却代金を相続人間で分割する「換価分割」、相続人のうち1人が不動産等を相続し、他の相続人の相続分を不動産の代わりに現金等で支払う「代償分割」があげられます。

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共有名義の相続登記を解消する方法は?

  • 自分の持分を売却または買取りをする
    自分の持分を他の共有者に売却したり、他の共有者から持分を買い取ったりして、当該不動産の持分を一人に集め、単独名義にすることで、共有名義を解消することができます。
  • 自分の持分を放棄する
    自分の持分を放棄すると、放棄した持分は他の共有者に帰属することになります。
    そのため、共有者のうち1人を残して、他の共有者が全員持分を放棄すれば、1人にすべての持分が帰属するので、共有名義を解消することができます。
  • 相続人全員の同意の下、第三者へ売却する
    不動産を第三者へ売却し、売却代金を持分に応じて各共有名義人に分配することで、共有名義を解消することができます。
    もっとも、不動産を第三者へ売却するためには、共有者全員の同意が必要ですので、1人でも反対する人がいた場合には、この方法は採れません。

共有名義での相続登記に関するQ&A

共有名義の不動産の固定資産税は、どう課税されるのですか?

不動産が共有されている場合には、共有者全員が、連帯して、固定資産税を支払う義務が生じます。
そのため、何人で共有していたとしても、持分に関わらず、不動産登記簿上に名義が記載されている全員にそれぞれ固定資産税全額を納める義務が発生することになります。

なお、固定資産税の納税通知書は、共有者全員に届くわけではなく、共有者の中の代表者に対してされます。
この代表者は、共有者間の話合いや、各市町村の基準によって決められます。

親と長男の共有名義の不動産、親が死亡したらどうなる?

例)家族構成:父・母・長男・次男で、父と長男の2分の1ずつの共有名義、遺産が家屋の場合

上記家族構成で、父が死亡した場合、共有名義の家屋が相続対象となります。
父が死亡した場合の法定相続分は、母が2分の1、長男が4分の1、次男が2分の1です。
そのため、父と長男の共有名義であった家屋を法定相続分に応じて相続し、共有登記をする場合、同家屋の共有名義は、母(持分4分の1)、長男(持分8分の5)、次男(持分8分の1)の共有名義となります。

この場合、たとえば母が同家屋を売却したいと思っても、長男、次男のいずれかが反対すれば、共有者全員の同意が得られないため、売却することができません。
また、母が自分の持分のみ第三者に売却した場合には、同家屋の4分の1が家族ではない無関係の第三者の所有となるため、それまで通りに同家屋に住み続けるということは難しくなると考えられます。

このように、共有名義の登記は、当該不動産を自分の意思のみで自由に処分することができなかったり、共有者の1人が自分の持分を第三者へ売却した場合、見知らぬ第三者と不動産を共有することになるおそれがある等、デメリットが大きいと考えられます。

共有持分を相続する場合の登録免許税はいくらですか?

共有持分を相続する場合の登録免許税は、相続する持分に対応する固定資産評価額に対して、0.4%を乗じた額となります。

共有名義の相続登記についてご心配な点は、ぜひ弁護士にご相談ください

共有名義の相続登記は、登記をする時点では共有者間の仲が良好であったとしても、環境の変化等で意見が対立し、相続人間のトラブルに発展する可能性があるため、あまりおすすめできません。

もっとも、どうしても遺産分割協議が整わず、法定相続分での共有名義をするほかないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

遺産分割協議がなかなかまとまらないとお悩みの方は、一度弁護士にご相談ください。
交渉のプロでもある弁護士が、第三者の立場から助言をし、協議をまとめるお手伝いをさせていただきます。

不貞行為という言葉を耳にしたことはありますか。
一般的にはなじみが薄い言葉かもしれません。

不貞行為にあたるか否かによって、慰謝料が請求できたり、離婚が請求できたりするため、法律上、不貞行為にあたるか否かはとても重要です。

以下では、どのような行為が不貞行為に該当するか、不貞行為に該当する場合にどのような手段が取れるかなどについて解説していきます。

不貞行為になるのはどこから?

不貞行為とは、婚姻関係にある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外と性的関係を結ぶことをいいます。

そのため、既婚者でなければ、特定のパートナーがいる状態で他の人と性的な行為を行ったとしても、不貞行為には該当しません。

また、無理やり性行為をされたなど、自由な意思に基づかない場合も不貞行為には該当しません。そのような場合には、迷わず警察に相談するようにしましょう。

ここでいう性的関係とは、性行為及び、性交類似行為をいいます。
性交類似行為については、以下で詳しく解説します。

浮気や不倫との違い

よく浮気や不倫という言葉を耳にすることがあると思いますが、これらは法律用語ではありません。

一般的には、浮気は、特定のパートナーがいながらその人以外の人と恋愛的、性的な関係を持つことを指し、不倫は、既婚者が配偶者以外と恋愛的、性的な関係を持つことを指すかと思います。

もっとも、浮気や不倫の定義は人によって様々であり、不貞行為に該当するかの判断とはずれる場合があります。

不貞行為と認められやすいケース

肉体関係がある

肉体関係がある場合は、典型的な不貞行為と言えます。
たとえ1回限りの関係であったとしても、肉体関係がある以上は、不貞行為となります。

もっとも、肉体関係そのものを証明することは、そのような動画が存在するような場合を除き、難しいことが多いです。

性行為に類似する行為がある

性行為に類似する行為がある場合も、不貞行為と認められます。
性行為に類似する行為とは、具体的には以下のような行為を指します。

  • 口腔性交
  • 手淫行為
  • 裸で抱き合う行為

ラブホテルに二人で長時間滞在していた

ラブホテルに長時間滞在していた場合も、不貞行為があったと認定される可能性が高いです。

ラブホテルは、一般的に性的行為が行われることが想定された場所であり、その場所に二人で長時間滞在していた場合には、性的行為があったと認められる可能性が高いことになります。

二人で宿泊を伴う旅行をしていた

二人で宿泊を伴う旅行をしていた場合も、性的行為を伴うものとして、不貞行為があったと認定される可能性が高いです。

また、仮に性的行為がない場合であっても、婚姻関係にあるにもかかわらず異性と二人で宿泊を伴う旅行をするのは、度が過ぎた行為であるとして、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)に該当する可能性があります。

同棲している・頻繁に泊まりに行っている

同棲している・頻繁に泊まりに行っている場合も、不貞行為があったと認定される可能性が高いです。

同棲は、性的関係を伴うものと捉えられることが多いため、不貞行為が認定される可能性が高いです。頻繁に泊まりに行っている場合も、通常、性的関係がなければ泊まるという選択にはならないと考えられますので、不貞行為が認定される可能性が高いです。

不貞行為と認められにくいケース

食事やデート

食事やデートを行っているという程度では、不貞行為とは認められません。
もっとも、食事やデートから、今後不貞行為につながっていく可能性は考えられますので、今後の様子を注意して観察する必要はあります。

キスや手つなぎ

キスや手つなぎといった行為も許しがたい行為ですが、それのみでは不貞行為となる性的行為には該当しません。

もっとも、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)が認定される一事情にはなりますので、他の事情との兼ね合いにより、離婚が認められる可能性はあります。

LINEやメールのやりとり

単に異性とLINEやメールでやり取りをしているだけでは、不貞行為とは認定されません。
もっとも、LINEやメールのやり取りの中に、性的関係にあることをうかがわせる内容があれば、不貞行為の認定が可能となることもあります。

不貞行為は立証が難しいため証拠が重要

不貞行為となる性的行為は密室で行われることが多いため、性的行為自体を証明することは難しいです。

そのため、複数の証拠を組み合わせて不貞行為の存在を証明することが多いです。
一般的に、不貞行為の証拠となり得るものとして、以下のものがあります。

  • 性的行為を行っている動画、写真
  • 本人が不貞行為を行ったことを認める書面
  • ラブホテルや互いの家に出入りする動画、写真
  • ラブホテルの領収証
  • LINE、メールのやり取り

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不貞行為が発覚したらどうしたらいい?

慰謝料を請求する

不貞行為があった場合、慰謝料を請求することができます。
以下では、不貞行為による慰謝料相場、慰謝料の請求方法等について解説していきます。

不貞行為の慰謝料相場はどれくらい?

不貞行為の慰謝料は、50万円から300万円くらいの幅に収まることが多いです。
離婚につながると慰謝料は高くなることが多いです。

また、婚姻期間の長さ、子どもの有無、不貞前の夫婦関係、不貞行為の期間、回数等が重要な考慮要素となります。

不貞行為の慰謝料の請求方法

慰謝料を請求する方法としては、口頭で請求する方法や、書面で請求する方法等があります。配偶者が任意にこれに応じれば良いですが、応じない場合には裁判手続きを利用して請求する必要があります。

また、配偶者の不貞行為の相手方が、婚姻関係にあることを知っていた場合には、相手方にも慰謝料を請求することができます。

ただし、配偶者からすでに慰謝料を受け取っている場合には、その分は請求できませんので、注意が必要です。

慰謝料請求には時効がある

不貞による慰謝料請求には時効があります。

不貞行為の存在やその相手方を知った時から3年間、又は不貞行為の時から20年間が経過すると、慰謝料請求を行うことができなくなりますので、注意が必要です。

離婚を請求する

不貞行為の存在は離婚事由になりますので、離婚を請求することができます。

配偶者が素直に離婚に応じれば、離婚届を役場に提出することのみで離婚を成立させることができます(これを協議離婚といいます。)。

もっとも、配偶者が頑なに離婚したくないと言っているような場合には、協議離婚を成立させることは難しいです。その場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります(これを調停離婚といいます。)。

また、調停が成立しない場合には、最終的には裁判で離婚を請求する必要があります(これを裁判離婚といいます。)。

弁護士に相談する

不貞行為が発覚した場合、どういった手段を取れるか、今後どう進めていくかについては、弁護士に相談してみることも有効です。
弁護士であれば、その時々に応じた有効な手段を提案することが可能です。

不貞行為の判断基準や離婚に関する悩みは弁護士にご相談ください

不貞行為の存在が認められるか否かについては、どのような証拠が存在するかに左右されます。

実際に、どの程度の証拠があれば不貞行為の存在が証明できるかについては、分からない場合が多いかと思います。
また、離婚を考えているような場合には、今後の離婚の進め方などについても不安が生じると思います。

そのような場合には、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。
今後のことも含めて、一緒に考えましょう。

交通事故に遭われてから、リハビリの継続を行い、リハビリ終了後に、慰謝料の請求をしていくことが多いでしょう。しかし、リハビリの継続をしていても、思うように慰謝料が認められない、という場合もあります。

では、そもそも、リハビリの継続をしている期間の慰謝料請求はできるでしょうか。
適切な慰謝料の支払いを受けるために注意すべき点を解説していきます。

リハビリ期間の慰謝料は請求できる

交通事故に遭われてから怪我の治療・リハビリのために、病院への通院を余儀なくされる期間が生じます。

怪我の治療・リハビリのために病院の通院を余儀なくされる期間が、入通院・リハビリによる症状の改善があるなど、入通院期間として必要かつ相当な期間であれば、リハビリを含む入通院期間をもとに算出した慰謝料の請求をすることが出来ます。

このように、リハビリ期間でも、必要かつ相当な期間であれば、その期間をもとに慰謝料請求をすることはできます。

入通院慰謝料がもらえるのは症状固定と判断されるまで

リハビリの期間をもとに慰謝料の請求をすることができますが、リハビリを継続していれば、その分の期間全て慰謝料請求のための期間として認められるのではありません。

入通院慰謝料がもらえるのは、リハビリを終了した時点までの期間をもとに計算した慰謝料ではなく、症状固定時までの期間をもとに計算した慰謝料です。

それでは、症状固定時とは、いつの時点を指すのでしょうか。

症状固定時は、入通院継続により、症状の改善が見込まれない状態になった時点です。
症状が良くなることも無ければ、悪くなることも無い、という状態です。これは、慰謝料算定の基礎となる入通院期間が、症状の改善に向けて必要かつ相当な期間であるためです。

症状固定時以降のリハビリ期間については、慰謝料算定の考慮に入れることはできないので、注意が必要です。

リハビリ期間の慰謝料請求が認められないケースもある

リハビリ期間を含めた入通院期間をもとに、慰謝料請求をすることはできます。

しかし、通院の継続をしていても、以下の主に3つの場合に入通院期間をもとに算定した慰謝料が認められないケースがあります。

交通事故との因果関係がない

交通事故による入通院によって慰謝料等の賠償請求が認められるのは、交通事故と因果関係のある症状によって入通院をしている場合です。

このため、事故と関係の無い症状の改善のために、入通院をしている場合には、交通事故と因果関係が無いと判断されて、その通院期間をもとにして算出した慰謝料請求が認められないことがあります。

事故から一定期間経過した後に表れてきた症状については、交通事故と因果関係が否定されることもあり、このような症状のみをもとにリハビリを続けている場合には、因果関係が無いと判断されることがあります。

過度の通院

交通事故の慰謝料請求においては、入通院期間・通院頻度が重要となってきます。
通院頻度が少ない場合には、それだけ、症状が軽微であると判断されて、同様の入通院期間をもとに算出した慰謝料よりも低額と判断されることがあります。

しかし、通院頻度が少ないことでの慰謝料等が軽減されることに備えて、かえって、通院頻度が多くなる場合には、過剰な入通院とされて、慰謝料としての支払額の減額・否定されることがあります。

このため、治療に必要な通院頻度と慰謝料請求の減額にならないような通院頻度のバランスを見ながら、通院・リハビリ継続をしていただくことが必要です。

漫然としたリハビリ治療

通院の継続をしていても、単に、湿布の処方を受けるなど、症状の改善があまり無いにも関わらず、通院の継続をしている場合など、漫然としたリハビリの継続をしている場合には、症状の改善が見込まれず、症状固定の状態との判断にもつながりやすくなります。

この場合には、漫然とリハビリ治療を続けている時期以降が、必要な治療期間ではなく、慰謝料算定に必要な期間として考慮されないことがあり、慰謝料が低額となることがあります。

リハビリ通院中の慰謝料を請求する場合の注意点

転院する場合は事前に連絡する

転院をする場合には、事前に、治療費の支払いをしている保険会社に連絡をしておくことが必要です。転院先の治療費の支払いをその保険会社に対応させる、という意味でも必要です。

また、転院を把握していない場合には、転院後の入通院の継続を行っていた期間を考慮した慰謝料請求が認められにくくなることがあります。

このため、治療費の支払いをしている保険会社には、事前に、転院する旨を伝えておくことが必要です。

整骨院への通院は整形外科医に許可をもらってから

本来、リハビリによる通院治療費が認められるのは、症状の改善に向けて必要かつ相当な治療であるからです。

他方で、整骨院で受けるのは、「施術」であって「治療」ではありません。「施術」が治療と同様に必要なリハビリと認められるには、医師の許可を得ておくなどが必要です。

医師の許可等を得ておかなければ、慰謝料請求をするために必要な通院頻度の計算において、接骨院へ通う頻度を考慮されないなど出てくるため、注意が必要です。

保険会社による治療費の打ち切りに安易に応じない

事故後の通院の治療費について、加害者が任意の自動車保険の契約をしている場合には、その保険会社から、直接、通院先の病院に治療費の支払いがされています。

一定期間治療継続をしていると、保険会社から治療終了の打診がされます。
しかし、これについて、保険会社の判断で治療終了の打診をしていることが多いです。

症状固定時なのかどうか、ということが重要なため、安易に保険会社の治療終了の打診に応じると、それだけ、慰謝料算定のための治療期間が短くなり、結果として、本来獲得できる慰謝料よりも、低額となります。

健康保険を使う場合は150日ルールに気を付ける

健康保険を用いて治療継続をする場合もあります。健康保険を用いる場合には、標準的算定日数として、原則150日という期限が定められています。
この150日を超えると、健康保険を用いた通院に制限がかかってきます。

この標準的算定日数は、疾患の種類によって変わってきますので、具体的な状況については、入通院先の病院に相談いただくことがよいです。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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適正な慰謝料を受け取るために必要なこと

リハビリは適切な頻度で通う

リハビリ通院の頻度が適切ではない場合には、慰謝料の減額となることがあります。
このため、リハビリは、適切な頻度で行っていただくことが重要です。

では、リハビリの頻度をどの程度とすべきか、という点については、症状によって異なってくるので、担当医と相談していただくことが良いですが、概ね、1週間当たり2日から3日程度が目安となることが多いです。

弁護士基準で請求する

交通事故の入通院継続による慰謝料請求をする際、基準としては、大きく3つあります。

1つ目が自賠責基準、2つ目が任意保険基準、3つ目が弁護士基準の慰謝料です。
このうち、弁護士基準での慰謝料が、一番高い基準です。

保険会社は、自賠責基準又は任意保険基準での提示をしてくるので、これに応じて示談とすると、本来、獲得できる賠償額から少ない金額で示談をしてしまうことになります。

リハビリ期間の慰謝料を適正な金額で受け取るためにも弁護士にご相談ください

リハビリ期間を含めた治療期間を、慰謝料算定のために必要な期間として考慮するためには、これまで述べてきたように、注意が必要です。

お怪我の状況によっては、一般的な対応で足りる場合もあれば、個別の状況に応じて、個別の証拠の収集等が必要となる場合もあります。
証拠収集だけでなく、適切な通院ということも迷われることがあるかと思われます。

弁護士にご相談いただければ、状況に応じた対応方針を定めていくことが出来るでしょう。
また、慰謝料請求を弁護士基準で行うとしても、弁護士を通じた請求でなければ、保険会社は、弁護士基準での慰謝料の支払いに応じないことが多いです。

このため、適切な慰謝料等の賠償を受けるには、弁護士にご相談いただき、弁護士を通じた請求をしていくことが重要ですので、一度、ご相談ください。

相続税を節税するために、養子縁組をするという方法があります。

生前贈与や生命保険等制限が合ったり、不動産投資等により節税をしたりといった場合と異なり、養子縁組をするだけと聞けば、簡単と思われるかもしれません。
しかし、養子縁組による相続税対策にも制限やデメリットもあります。

養子縁組により相続税を節税するための注意点についてご説明します。

養子は相続税対策になる?

相続税については、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」の基礎控除額(遺産総額のうち非課税となる金額)認められています。

また、死亡保険・死亡退職金等も相続財産として相続税の課税対象となりますが、それぞれ「500万円×法定相続人の人数」は非課税額となっています。

したがって、養子縁組により、法定相続人の人数を増やせば、非課税となる金額が増えるため相続税対策となります。

ただし、上記の法定相続人の人数の対象となる養子は、被相続人に実子がいる場合には1人、被相続人に実子がいない場合には2人までとなっているため、養子を増やすほど非課税対象額が無限に増えるというものではない点には注意が必要です。

相続税対策として行われる養子縁組にはどんなものがある?

孫と養子縁組

相続税対策として、被相続人が孫と養子縁組をしていた場合、先述した相続税の基礎控除の対象となります。

その結果、相続税が発生しない場合(遺産が基礎控除額の範囲内であった場合)には問題ありませんが、相続税が発生してしまう場合は、当該養子縁組をした孫の相続税には相続税の2割が加算されるため、注意が必要となります(相続税法18条)。

子の配偶者と養子縁組

被相続人の子の配偶者は、相続人にはなりませんので、被相続人の遺産を相続することはできません。しかし、養子縁組をすれば、子の配偶者も相続人となることができます。

養子縁組をすれば、相続税の基礎控除額算定の対象となりますし、法定相続分どおりに遺産分割をするとしても、子の家庭により多くの遺産を相続させることができます。

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相続税対策のために養子縁組することの注意点

他の相続人とトラブルになることがある

被相続人が、法定相続人以外の人と養子縁組をして、法定相続人を増やせば、他の法定相続人の遺産の取り分が減り、養子以外の相続人は不満を感じることになります。

そのため、実際に相続が発生した場合には、養子と他の相続人(配偶者、実子)との間でトラブルになってしまうことになります。

これを防ぐためには、養子縁組について他の相続人に対して予め説明して、理解を得ることが望ましいと考えられます。

基礎控除の枠として有効な養子の数には制限がある

上記のとおり、相続税の基礎控除は、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」で算出されます。しかし、これは、養子縁組により法定相続人増やせばいくらでも基礎控除額が増やせるということではありません。

相続税法15条第2項によれば、基礎控除の算定にあたって考慮される養子の数を限定しています。

具体的には、

  • 被相続人に実子がある場合:1人
  • 被相続人に実子がない場合:2人

となっています。

相続税が2割加算されるケースもある

上記のとおり、実子や配偶者等の法定相続人にとっては、法定相続人の増加により基礎控除額が増えることで遺産総額中非課税金額が増えることで、相続税の負担が減ります。

ただし、養子縁組により相続人となった人が被相続人の孫の場合は、養子縁組により遺産を相続することができるようになる一方で、上記のとおり、相続税が発生する場合には、他の相続人とは異なり相続税が2割増しになります。

そのため、養子となった被相続人の孫にとっては、節税効果は薄くなってしまいます。

節税目的の養子縁組は否認されることがある

過去の判例によれば、節税目的であったとしても養子縁組自体は有効と判断されています。

相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合においては、基礎控除の算定の基礎となる相続人の人数から養子の数を算入しないで相続税の課税価格、及び相続税額を計算されることがあり得ます(相続税法63条)。

養子縁組により相続人を増やしたとしても、節税効果が認められない可能性があるため注意が必要です。

相続税対策として養子縁組する方法

節税対策として養子縁組をする場合は、特別養子縁組ではなく普通養子縁組をするのが一般的です。

普通養子縁組をする手続は、役所で入手するか、インターネットでダウンロードして印刷した養子縁組届に養親と養子、2名以上の証人が署名捺印をして役所に届出することによって効力を生じます。

なお、養親となる者が20歳以上であること、養子となる者が15歳未満である場合には法定代理人の合意があることが必要となります。

相続についてのお悩みは弁護士にご相談ください

節税対策のための養子縁組は、養子となる人にとってメリットもデメリットもあり、また、相続が発生した時点で、他の相続人との間でトラブルが生じたりと法律面でも、税金面でも問題が生じる可能性があります。

節税目的の養子縁組のトラブルを回避するためにもぜひ専門家にご相談ください。

子供がいる夫婦が別居している場合や離婚した場合の、子供を監護していない側の親(非監護親)と子供とが会う機会親子交流(面会交流)と呼びます。

今回は、親子交流(面会交流)を拒否された場合や、反対に、拒否することに正当な理由が認められる場合などについて、解説していきます。

親子交流(面会交流)は原則的に拒否できない

親子交流(面会交流)は、非監護親と子供とが交流する貴重な機会です。
非監護親にとってはもちろん、子供にとっても、非監護親からの愛情を感じ取る重要な機会になります。

そのため、面会自体が子供に悪影響を与えるなどの正当な理由がある場合を除き、監護親が親子交流(面会交流)を拒否することは認められません。

親子交流(面会交流)の拒否が認められてしまう正当な理由とは?

では、親子交流(面会交流)の拒否が認められる正当な理由があるというのは、どのような場合なのでしょうか。以下、いくつか例を挙げて解説していきます。

子供が親子交流(面会交流)を嫌がっている

まず、子供自身が親子交流(面会交流)を嫌がっている場合が挙げられます。
親子交流(面会交流)は、子供のために実施すべきものと考えると、子供が明確に嫌がっているときには、無理に実施すべきではないでしょう。

もっとも、特に幼い子供の場合、慣れない環境であったり、緊張などで泣いてしまったり拒否感を示すことはあります。
そのため、単に子供が嫌がったというだけで親子交流(面会交流)をしないと判断すべきではなく、短時間の実施から始めてみるなど、少しずつ慣らしていく工夫も必要です。

子供を虐待するおそれがある

また、子供を虐待するおそれがある場合が挙げられます。
これは、子供に悪影響を与える危険があると言えるため、虐待の危険が明確にある以上、親子交流(面会交流)を実施すべきでないでしょう。

もっとも、過去に虐待をした事実があるとしても、現在は改心し、その危険がなくなったといえる状態になったのであれば、少しずつ親子交流(面会交流)を始めることも考えるべきです。

子供を連れ去るおそれがある

これについても、上記の虐待と同様に、非監護親が子供を連れ去って、子供の生活環境を無理やり変えることになるため、それまでの経緯からしてそのおそれがある場合には、親子交流(面会交流)を拒否する正当な理由があると言えるでしょう。

また、そのおそれがなくなった場合には、少しずつ親子交流(面会交流)を始めるべきであることも、上記と同様です。

配偶者や子供へのDV・モラハラがあった

これについては、上記の子供を虐待するおそれがあると判断する際の考慮事情といえます。

過去に、配偶者や子供へのDV・モラハラがあった場合には、親子交流(面会交流)時にDV・モラハラのおそれがあるといえますので、そのおそれがなくならない限り、親子交流(面会交流)を拒否する正当な理由があると考えられます。

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親子交流(面会交流)を拒否されたときの対処法

では、親子交流(面会交流)を拒否された側としては、どのように対処すべきでしょうか。
いくつか対応の方法をご紹介します。

元配偶者と話し合う

まずは、元配偶者と話し合うのが重要です。
離婚したとしても、親子交流(面会交流)については、どうしても父母で一定の協力関係が必要です。

そのため、親子交流(面会交流)を拒否された場合、なぜ拒否するに至ったのか、また、どうすれば親子交流(面会交流)を実施できるのかなどについて、冷静に話し合うべきでしょう。

親子交流(面会交流)調停の申し立てを行う

親子交流(面会交流)についての話合いがうまくいかない、もしくは、そもそも話合い自体ができないということもあるかと思います。

そのような場合には、家庭裁判所に親子交流(面会交流)調停を申し立て、裁判所を介した話し合いの場を設けることをお勧めします。

なお、親子交流(面会交流)調停については、話し合いがまとまらず、調停が不成立になった場合でも、審判手続きに移行しますので、裁判官による判断を仰ぐことができます。

間接強制の申し立てを行う

親子交流(面会交流)について、調停調書や審判書があるにもかかわらず実施されない場合、間接強制の申し立てをすることが考えられます。

間接強制は、親子交流(面会交流)が実施されない場合、1回につき●円を支払えといった命令を出すことで、監護親に心理的圧力をかけ、間接的に親子交流(面会交流)を強制する制度です。

間接強制については、上記のような調停調書・審判書(※公正証書は不可)があること及び面会内容が特定されていることが必要です。

親権者の変更の申し立てを行う

親子交流(面会交流)が正当な理由なく実施されない場合、非監護親と子供とが会えない時間がどんどん過ぎていきます。このような状況は、子の福祉の観点から、望ましくありません。

そのため、監護親が、親子交流(面会交流)をさせないことは、親権者としての適格性がないと評価される一事情になります。そこで、非監護親としては、親子交流(面会交流)が実施されないことが子供に悪影響であるということで、親権者変更の申し立てをすることも考えられます。

もっとも、親権者変更は、その他の事情も含めて総合的に考慮し、親権者を変更すべき特段の事情があるか否かで判断されますので、簡単ではありません。

親子交流(面会交流)を拒否されたら慰謝料請求は可能?

親子交流(面会交流)を拒否された場合、それが不当な拒否と評価されれば、慰謝料請求が可能な場合もあります。

もっとも、面会条件が具体的に決められていて、かつ、その拒否に正当な理由がない場合に慰謝料請求ができる可能性があるということですので、ケースとしては限定的と思われます。

また、親子交流(面会交流)をさせるつもりが一切ないことが明らかな場合などには、比較的慰謝料の金額は高額になるものと思われます。

親子交流(面会交流)を拒否された際のQ&A

親子交流(面会交流)を拒否されたので養育費の支払いを止めようと思いますが構いませんか?

養育費の支払いは、扶養義務を負っている限り、支払わなければならないものです。そのため、親子交流(面会交流)の拒否がいかに不当なものであっても、養育費の支払いを止めてはいけません。

養育費の支払いを止めた場合、相手方から強制執行がされる可能性がありますので、支払うようにしましょう。

親子交流(面会交流)を子供が拒否した場合はどうしたらいいでしょうか?

親子交流(面会交流)を子供が拒否した場合は、まず、なぜ行きたくないのか、会いたくないのかを、しっかりと聞いてあげましょう。

そして、年齢にもよるところですが、子供が明確に拒否している場合については、無理に親子交流(面会交流)を実施するべきではないという判断もあり得ます。

もっとも、子供がまだ小さく、親子交流(面会交流)の場に慣れていないなどで、反射的に泣いてしまったり、後ろ向きな態度をとることがあります。
そのような場合には、少しずつ子供を慣れさせる方向で考えるべきでしょう。

親子交流(面会交流)を拒否されてお困りの方は弁護士にご相談ください

親子交流(面会交流)については、子供を中心に考えるべき事項ですが、どうしても監護親と非監護親との関係性に左右されがちです。

そして、監護親と非監護親との関係が良好でない場合は多いため、親子交流(面会交流)についてトラブルになることも多いです。

親子交流(面会交流)の話合いの仕方や、個別事案ごとの親子交流(面会交流)の在り方については、これといった正解はないと思います。

そのため、親子交流(面会交流)についてお悩みの方は、経験が豊富な弁護士にお早めにご相談されることをお勧めします。

交通事故は、被害者の年齢や社会的立場によって賠償金の計算方法が大きく異なります。

特に「学生」の場合、現時点での収入が少ないために「賠償金が低くなるのではないか」と不安に感じる方も多いですが、実際には将来の可能性(逸失利益)を考慮し、高額な賠償が認められるケースも少なくありません。

本記事では、学生特有の慰謝料事情や休業損害、将来の収入減少を補う逸失利益について詳しく解説します。

学生の場合にもらえる慰謝料

学生が交通事故で怪我をした場合、受け取れる慰謝料には主に「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類があります。

これらは精神的苦痛に対する補償であり、基本的には職業や年齢によって金額が変わることはありません。

しかし、算出基準には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあり、どの基準を用いるかで金額に大きな差が出ます。

弁護士基準(裁判所基準)で交渉すれば、学生であっても適切な賠償額を請求可能です。
特に、試験や卒業行事、部活動の大会など、学生時代の貴重な機会を失った精神的苦痛は、慰謝料の増額要因として考慮されるべき重要なポイントとなります。

慰謝料以外に受け取れるもの

慰謝料は精神的苦痛への賠償ですが、それ以外にも実費として以下の費用を「積極損害」として請求可能です。

  • 治療費・診察費・投薬代(病院に支払った全額)
  • 通院交通費(公共交通機関の運賃やガソリン代)
  • 入院諸雑費(入院中に必要な日用品代など)
  • 付添看護費(親などが看病のために付き添った場合)
    これらは領収書などの証拠が必要になるため、大切に保管しておきましょう。

バイト収入があれば学生でも休業損害が認められる

学生であっても、アルバイトをしていて事故により働くことができなくなった場合は「休業損害」を請求できます。
休業損害とは、事故に遭わなければ得られたはずの収入を補償するものです。

「学生だから働けなくても損害はない」と判断されることはありません。
たとえ短時間の勤務であっても、実際に収入が減少したのであれば、加害者の保険会社に対してその損失分を正当に主張することができます。

アルバイトの休業日数の出し方

休業日数は、単に「大学を休んだ日数」ではなく「怪我の影響でバイトを休まざるを得なかった日数」を指します。

基本的には、医師の診断書をもとに「就労不能」と判断された期間内の、本来シフトが入っていた日が対象です。
シフトが決まっていなかった場合は、直近3ヶ月の勤務実績から平均的な稼働日数を割り出し、実態に近い日数を算出します。

アルバイトの休業損害の計算方法

休業損害の計算は、一般的に以下の式で行われます。

1日あたりの基礎収入 × 休業日数

1日あたりの基礎収入は、事故前3ヶ月間の総収入を90日で割って算出するのが一般的です。ただし、自賠責基準では原則として1日6,100円と定められています。

もし実際のアルバイト代がこれを超える場合や、弁護士基準で請求する場合は、実収入に基づいたより高い金額を基準に計算することになります。

請求には休業損害証明書・源泉徴収票が必要

休業損害を証明するためには、アルバイト先に「休業損害証明書」を作成してもらう必要があります。

これには、事故前の給与額や実際に休んだ日数が記載されます。また、給与の裏付けとして「源泉徴収票」「給与明細」の提出も求められます。

もしバイト代を現金で受け取っており、記録が残っていない場合は証明が難しくなるため、日頃から振込口座の記録や明細を管理しておくことが重要です。

学生の後遺障害逸失利益は高額になりやすい

「逸失利益」とは、事故で後遺障害が残ったために、将来得られるはずだった収入が減ってしまうことに対する補償です。

学生の場合、現時点では収入がなくても、将来数十年間にわたって働くことが前提となります。そのため、統計データである「賃金センサス」を基礎に計算されることが多く、労働可能期間も長いため、結果として賠償額が1億円を超えるような高額になるケースも珍しくありません。

学生の逸失利益の基礎になる収入はどうやって計算するの?

学生には事故当時の現実の収入がないため、厚生労働省の統計データである「賃金センサス」を用います。
具体的には「全産業・全年齢の男女別平均賃金」を基礎収入とすることが一般的です。

大学生であれば「大卒平均」、高校生であれば「高卒平均」など、本人の進路状況に応じてデータを選択します。将来の夢や内定先が具体的に決まっていた場合は、それに応じた高い基準が認められることもあります。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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学生の交通事故被害に関する裁判例

交通事故の被害者が高校生だった場合の裁判例

【名古屋地裁 平成15年4月28日判決】

事案:音大附属高校に在籍しており、バイオリン演奏という専門的な技術を有していた女子高校生(15歳)が死亡した事案。

争点:基礎収入を大卒男子卒業者の平均として算定することができるか。

裁判所の判断:同校の8~9割が音楽大学に入学していることを踏まえ、将来、演奏家になっているとまでは認められないものの、音楽関係の仕事に就く可能性が高く、このような職種において男女間の賃金格差は認められないとして、大卒男子卒業者の平均賃金の9割を基礎収入として(死亡)逸失利益を算定しました。

事故に遭った大学生に高額な逸失利益が認められた裁判例

【仙台地裁 平成10年3月6日判決】

事案:医学生(男・22歳)が、死亡した事案。

争点:医師(男)・企業規模計の全年齢平均を基礎収入とすることができるか。

裁判所の判断:医師国家試験の高い合格率に照らすと、67歳まで医師として稼働した蓋然性が極めて高いものということができるとし、賃金センサス・医師(男)・企業規模計の全年齢平均の給与額を基礎収入として(死亡)逸失利益を算定しました。

学生の交通事故に関するQ&A

事故により入試が受けられず、入学が1年遅れました。慰謝料は請求できますか?

交通事故により入試を受けることができず、入学が1年遅れてしまった場合には慰謝料ではなく、1年就職が遅れてしまった休業損害として請求できる可能性があります。

怪我の治療のために就活を中断せざるを得ず、就職が1年遅れました。休業損害は請求できますか?

請求できる可能性があります。

本来卒業して働き始めるはずだった時期に、事故の影響で就職できなかった場合、その1年分の給与相当額が「休業損害」または「逸失利益」として認められることがあります。

ただし、事故と就職遅延との間の因果関係を証明する必要があるため、医師の診断や就職活動の状況を証拠として示す準備が重要です。

交通事故で入院していたために留年してしまいました。授業料や慰謝料は請求できますか?

原則として請求可能です。

事故によって留年が確定した場合、余分に支払うことになった1年分の授業料は実損害として認められます。また、同級生と一緒に卒業できなかった精神的苦痛についても、慰謝料の増額事由として認められる可能性があります。

ただし、単なる成績不良ではなく、怪我や入院を原因とした留年であることを客観的に証明する必要があります。

勉強の遅れを取り戻すために家庭教師を付けました。家庭教師代は請求できますか?

必要性が認められれば請求可能です。

長期欠席によって学力が低下し、進級や進学に支障が出るのを防ぐための支出であれば、損害として認められることがあります。ただし、事故前の成績や欠席日数に照らして、必要かつ妥当な範囲であると判断される必要があります。

事前に弁護士に相談し、どの程度の費用なら認められやすいか確認しておくのが賢明です。

交通事故に遭われた学生の方・ご家族の方は弁護士にご相談ください

学生の事故被害は、その後の長い人生に大きな影響を及ぼします。
保険会社はしばしば、将来の可能性を過小評価し、最低限の基準で示談案を提示してくることがあります。

弁護士にご相談いただければ、賃金センサスを用いた正確な逸失利益の算出や、学業への支障を考慮した慰謝料の増額交渉を代行いたします。特に「弁護士費用特約」がご家族の保険に付帯されていれば、実質的な自己負担なしで依頼できるケースも多いです。

そのため、まずは是非一度、弁護士法人ALG&Associatesにご相談ください。

いざ離婚届を提出しようと思っても、提出先などがわからず、混乱すると思います。

以下では、離婚届の提出方法、提出の際の注意点等について解説していきます。

離婚届の提出先はどこ?

離婚届の提出先はどこでもよいわけではなく、夫婦の本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場と決まっています。

夫婦の本籍地が遠方であれば、所在地の市町村役場に提出するのが良いでしょう。

離婚届は一人でも提出できる

離婚届の提出は、二人で行う必要はなく、一人でもできます。

二人で行う場合には、不備があればその場で訂正できますが、一人で行う場合は、不備をその場で訂正することができず、受理されないことになります。

代理人による提出も可能

離婚届は、本人以外の代理人による提出も可能です。
もっとも、本人の委任状や、本人、代理人の本人確認書類が必要となる場合があるので注意が必要です。

予め提出先の役場に問い合わせるなどして、必要書類を確認するようにしましょう。

離婚届の提出に必要なもの

離婚届以外にも、以下のような書類を一緒に提出する必要があります。

離婚届の入手方法

離婚届は、役所で入手するか、WEBでダウンロードすることによって入手することができます。様式は共通なので、役所で入手する場合、行きやすい役所から貰ってきてもらえればよいです。

役所によっては、WEBでダウンロードした離婚届の提出を受け付けていないところもあるようですので、WEBでダウンロードした離婚届の提出が可能か、予め役所に問い合わせた方が良いでしょう。

離婚届と一緒に提出する書類

離婚届の他には、届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等)が必要です。

さらに、離婚調停で離婚が成立した場合には調停調書、離婚裁判で離婚が成立した場合には判決書の謄本判決確定証明書がそれぞれ必要となります。

離婚届の提出方法

郵送で提出

離婚届は郵送で提出することも可能です。

離婚届が受理されると、相手に離婚届を受理したことの通知が送られます。
離婚届が受理されたかどうかは戸籍謄本でも確認することができます。

窓口へ提出

役所が開いている時間内であれば窓口に提出することができます。

その場合、不備があれば戻されることになり、不備を訂正して出し直すことも可能です。

土日祝日や夜間でも提出可能

役所には、夜間窓口や休日窓口がありますので、夜間や土日祝日であっても離婚届を提出することは可能です。

もっとも、夜間や休日には記載に不備がないか等のチェックがなされないため、後日の開庁日にチェックされることになります。
不備がない場合には、提出日に遡って受理されます。

離婚届が受理されないことはあるのか?

以下のような場合には、離婚届が受理されないので、注意が必要です。

①記載内容に不備がある場合

記載内容に不備があれば離婚届は受理されません。
漏れがないか確認するようにしましょう。

②未成年の子の親権が定まっていない場合

未成年の子の親権が定まっていない場合にも、離婚届は受理されません。
共同親権が令和8年4月1日に施行されることとなりました。
法務省が作成した共同親権施行後の離婚届のイメージでは、「父母双方が親権を行う子」、「父(夫)が親権を行う子」、「母(妻)が親権を行う子」、「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」のいずれかの欄に未成年の子を記入しなければならないこととなっています。

③離婚届の不受理申請が出されている場合

離婚届の提出には不受理申出という制度があります。
これは、配偶者が勝手に離婚届を提出することを防ぐための制度で、一度は離婚に応じる意思があったものの、翻意したという場合にも使われます。
不受理申出がなされている場合には離婚届を提出できませんので、もう一度話し合い、不受理申出を取下げてもらう必要があります。

離婚届の提出期限

協議離婚の場合には、離婚届の提出期限はありません。
調停離婚、審判離婚、裁判離婚の場合には、それぞれ、調停成立日、審判確定日、判決確定日から10日以内に離婚届を提出しなければならないとされています。

提出期限を過ぎてしまっても離婚届の提出ができないわけではありませんが、裁判所から過料の制裁が行われる可能性がありますので、提出期限は守るようにしましょう。

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離婚届を提出する前にチェックしておくこと

離婚届に不備はないか

不備があると離婚届は受理されません。
普段あまり書くことのない本籍地の記載など、間違えないよう注意しましょう。

婚姻届と同じく、離婚届にも証人が必要です。
家族や友人などに証人欄の記載をお願いする必要があります。

離婚後の氏や戸籍をどうするか

婚姻によって姓が変わった配偶者は、離婚によって婚姻前の姓に戻ります。

もっとも、周囲の目が気になる、各種手続きが面倒といった理由で、婚姻中の姓をそのまま使用したいという場合もあるでしょう。
その場合には、離婚から3か月以内に、婚氏続称の届出を役場に提出する必要があります。

婚姻中、戸籍上筆頭者でなかった配偶者は、離婚によって、婚姻前の戸籍(通常は、親の戸籍)に戻ります。
また、離婚を機に、新しい戸籍を作ることもできます。

離婚条件について取り決めているか

離婚条件には、慰謝料、財産分与、親権、養育費、親子交流(面会交流)、年金分割などがあります。
親権以外の条件については、離婚を成立させるために必要ではありませんが、離婚が成立した後にこれらを請求するのは負担が大きいといえます。

そのため、離婚条件について話し合った上で、離婚届を提出するのが望ましいです。
また、単なる口約束では、争いとなった際に請求できない可能性がありますので、離婚協議書で書面化しておくべきです。

離婚届の提出に関するQ&A

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることはできますか?

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることは原則としてできません。
もっとも、①離婚に取消事由がある場合、②離婚が無効の場合には、例外的に離婚届の取下げが可能な場合があります。

①詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができます(民法747条1項)。
もっとも、取消し請求は、詐欺を発見し、もしくは強迫を免れた後、3か月以内に行う必要がありますので(同条2項)、注意が必要です。

②離婚が無効な場合とは、離婚届を偽造され、勝手に提出された場合などがこれにあたります。

離婚届を出したら即日離婚できますか?

協議離婚の場合には、離婚届の提出日が離婚日となります。
そのため、離婚届を提出し、特に不備がなければ即日離婚できます。

「次、浮気したら即離婚」と5年前に書かせた記入済みの離婚届が手元にあります。提出に問題ありませんか?

離婚をするには、現時点での離婚意思が必要です。
5年前に離婚する意思があったとしても、現時点で離婚する意思があるかは分かりません。

離婚届の審査は形式的になされるため、記入済みの離婚届があれば基本的には受理されることになりますが、後で相手方から離婚の無効を主張される可能性があります。
そのため、現時点でも相手方に離婚意思があるかを確認してから提出するようにしましょう。

離婚届の提出前に一度、弁護士に相談することをおすすめします

離婚届の提出自体は、そこまで難しい手続きではなく、ご自身で行うことも可能です。
もっとも、一度離婚が成立すると、離婚の有効性を争うことは難しくなります。

また、離婚条件について、法的に不利な内容となっているにもかかわらず、離婚を成立させてしまうと、離婚条件を今後争うことが難しくなります(自分自身は離婚に積極的ではないが、離婚条件次第では離婚に応じても良いと考えている場合、離婚に応じることと引き換えに離婚条件を交渉するといったことが考えられますが、離婚に応じてしまうと、それが難しくなります。)。

離婚届を提出する前に、ぜひ一度ご相談にいらしてください。
離婚意思のみでなく離婚条件についても聴き取りを行い、現時点で離婚を成立させるのが良いかといった点も含め、アドバイスさせていただきます。

名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善
監修:弁護士 井本 敬善弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:45721)
愛知県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。