離婚届の提出先は?必要なものや土日や夜間の提出方法などを解説

離婚届の提出先は?必要なものや土日や夜間の提出方法などを解説

名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善

監修弁護士 井本 敬善弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長 弁護士

いざ離婚届を提出しようと思っても、提出先などがわからず、混乱すると思います。

以下では、離婚届の提出方法、提出の際の注意点等について解説していきます。

離婚届の提出先はどこ?

離婚届の提出先はどこでもよいわけではなく、夫婦の本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場と決まっています。

夫婦の本籍地が遠方であれば、所在地の市町村役場に提出するのが良いでしょう。

離婚届は一人でも提出できる

離婚届の提出は、二人で行う必要はなく、一人でもできます。

二人で行う場合には、不備があればその場で訂正できますが、一人で行う場合は、不備をその場で訂正することができず、受理されないことになります。

代理人による提出も可能

離婚届は、本人以外の代理人による提出も可能です。
もっとも、本人の委任状や、本人、代理人の本人確認書類が必要となる場合があるので注意が必要です。

予め提出先の役場に問い合わせるなどして、必要書類を確認するようにしましょう。

離婚届の提出に必要なもの

離婚届以外にも、以下のような書類を一緒に提出する必要があります。

離婚届の入手方法

離婚届は、役所で入手するか、WEBでダウンロードすることによって入手することができます。様式は共通なので、役所で入手する場合、行きやすい役所から貰ってきてもらえればよいです。

役所によっては、WEBでダウンロードした離婚届の提出を受け付けていないところもあるようですので、WEBでダウンロードした離婚届の提出が可能か、予め役所に問い合わせた方が良いでしょう。

離婚届と一緒に提出する書類

離婚届の他には、届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等)が必要です。

さらに、離婚調停で離婚が成立した場合には調停調書、離婚裁判で離婚が成立した場合には判決書の謄本判決確定証明書がそれぞれ必要となります。

離婚届の提出方法

郵送で提出

離婚届は郵送で提出することも可能です。

離婚届が受理されると、相手に離婚届を受理したことの通知が送られます。
離婚届が受理されたかどうかは戸籍謄本でも確認することができます。

窓口へ提出

役所が開いている時間内であれば窓口に提出することができます。

その場合、不備があれば戻されることになり、不備を訂正して出し直すことも可能です。

土日祝日や夜間でも提出可能

役所には、夜間窓口や休日窓口がありますので、夜間や土日祝日であっても離婚届を提出することは可能です。

もっとも、夜間や休日には記載に不備がないか等のチェックがなされないため、後日の開庁日にチェックされることになります。
不備がない場合には、提出日に遡って受理されます。

離婚届が受理されないことはあるのか?

以下のような場合には、離婚届が受理されないので、注意が必要です。

①記載内容に不備がある場合

記載内容に不備があれば離婚届は受理されません。
漏れがないか確認するようにしましょう。

②未成年の子の親権が定まっていない場合

未成年の子の親権が定まっていない場合にも、離婚届は受理されません。
共同親権が令和8年4月1日に施行されることとなりました。
法務省が作成した共同親権施行後の離婚届のイメージでは、「父母双方が親権を行う子」、「父(夫)が親権を行う子」、「母(妻)が親権を行う子」、「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」のいずれかの欄に未成年の子を記入しなければならないこととなっています。

③離婚届の不受理申請が出されている場合

離婚届の提出には不受理申出という制度があります。
これは、配偶者が勝手に離婚届を提出することを防ぐための制度で、一度は離婚に応じる意思があったものの、翻意したという場合にも使われます。
不受理申出がなされている場合には離婚届を提出できませんので、もう一度話し合い、不受理申出を取下げてもらう必要があります。

離婚届の提出期限

協議離婚の場合には、離婚届の提出期限はありません。
調停離婚、審判離婚、裁判離婚の場合には、それぞれ、調停成立日、審判確定日、判決確定日から10日以内に離婚届を提出しなければならないとされています。

提出期限を過ぎてしまっても離婚届の提出ができないわけではありませんが、裁判所から過料の制裁が行われる可能性がありますので、提出期限は守るようにしましょう。

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離婚届を提出する前にチェックしておくこと

離婚届に不備はないか

不備があると離婚届は受理されません。
普段あまり書くことのない本籍地の記載など、間違えないよう注意しましょう。

婚姻届と同じく、離婚届にも証人が必要です。
家族や友人などに証人欄の記載をお願いする必要があります。

離婚後の氏や戸籍をどうするか

婚姻によって姓が変わった配偶者は、離婚によって婚姻前の姓に戻ります。

もっとも、周囲の目が気になる、各種手続きが面倒といった理由で、婚姻中の姓をそのまま使用したいという場合もあるでしょう。
その場合には、離婚から3か月以内に、婚氏続称の届出を役場に提出する必要があります。

婚姻中、戸籍上筆頭者でなかった配偶者は、離婚によって、婚姻前の戸籍(通常は、親の戸籍)に戻ります。
また、離婚を機に、新しい戸籍を作ることもできます。

離婚条件について取り決めているか

離婚条件には、慰謝料、財産分与、親権、養育費、面会交流、年金分割などがあります。
親権以外の条件については、離婚を成立させるために必要ではありませんが、離婚が成立した後にこれらを請求するのは負担が大きいといえます。

そのため、離婚条件について話し合った上で、離婚届を提出するのが望ましいです。
また、単なる口約束では、争いとなった際に請求できない可能性がありますので、離婚協議書で書面化しておくべきです。

離婚届の提出に関するQ&A

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることはできますか?

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることは原則としてできません。
もっとも、①離婚に取消事由がある場合、②離婚が無効の場合には、例外的に離婚届の取下げが可能な場合があります。

①詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができます(民法747条1項)。
もっとも、取消し請求は、詐欺を発見し、もしくは強迫を免れた後、3か月以内に行う必要がありますので(同条2項)、注意が必要です。

②離婚が無効な場合とは、離婚届を偽造され、勝手に提出された場合などがこれにあたります。

離婚届を出したら即日離婚できますか?

協議離婚の場合には、離婚届の提出日が離婚日となります。
そのため、離婚届を提出し、特に不備がなければ即日離婚できます。

「次、浮気したら即離婚」と5年前に書かせた記入済みの離婚届が手元にあります。提出に問題ありませんか?

離婚をするには、現時点での離婚意思が必要です。
5年前に離婚する意思があったとしても、現時点で離婚する意思があるかは分かりません。

離婚届の審査は形式的になされるため、記入済みの離婚届があれば基本的には受理されることになりますが、後で相手方から離婚の無効を主張される可能性があります。
そのため、現時点でも相手方に離婚意思があるかを確認してから提出するようにしましょう。

離婚届の提出前に一度、弁護士に相談することをおすすめします

離婚届の提出自体は、そこまで難しい手続きではなく、ご自身で行うことも可能です。
もっとも、一度離婚が成立すると、離婚の有効性を争うことは難しくなります。

また、離婚条件について、法的に不利な内容となっているにもかかわらず、離婚を成立させてしまうと、離婚条件を今後争うことが難しくなります(自分自身は離婚に積極的ではないが、離婚条件次第では離婚に応じても良いと考えている場合、離婚に応じることと引き換えに離婚条件を交渉するといったことが考えられますが、離婚に応じてしまうと、それが難しくなります。)。

離婚届を提出する前に、ぜひ一度ご相談にいらしてください。
離婚意思のみでなく離婚条件についても聴き取りを行い、現時点で離婚を成立させるのが良いかといった点も含め、アドバイスさせていただきます。

親族が亡くなったとき、「そもそも誰が相続人となるのか」「相続人の間で、誰にどれくらいずつ分ければいいのか」「再婚相手や養子は相続できるのか」など、相続人の範囲や相続分について疑問に思われたり、親族間でもめるご家庭は少なくありません。

そのようなとき、基準となるのが、「法定相続分」です。

以下では、民法の条文に基づいて、相続人の範囲や順位、法定相続分の考え方やケース別の計算方法、法定相続分が認められない人、遺留分との違いなどについて、具体例を用いて解説していきます。

法定相続分とは

法定相続分とは、法律上規定された、各相続人が相続財産を承継する割合、つまり、「原則として、各相続人が相続できる割合」のことです。

遺言による相続分の指定がない場合や、遺産分割協議で話合いがまとまらない場合に、各相続人の相続分を決めるうえで基準として用いられます。

法定相続分は遺産分割協議で使用される

被相続人が亡くなり、相続が開始すると、原則として、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が、どの財産を、どの程度相続するかを話し合うことになります。

この話合いの際に、「どの程度相続するか」を考えるうえで、基本的な目安となるのが、民法で規定されている法定相続分です。

法定相続人の範囲と相続順位

誰が相続人となるかは、民法887条、889条、890条によって、定められています。

まず、相続人となる可能性があるのは、被相続人の配偶者、子(場合によっては孫)、被相続人の父母、被相続人の兄弟姉妹です。
そのうち、被相続人に配偶者がいる場合は、当該配偶者は常に相続人となります(民法890条)。

また、被相続人に子がいる場合には、当該子も相続人となりますが、被相続人の死亡時に当該子が既に死亡していた、または欠格事由(民法891条)を有していた場合には、当該子の子(被相続人からみると孫)が相続人となります。

相続する際の優先順位としては、まず、配偶者と子(または孫)(第1順位)、配偶者と子がいない場合には、被相続人の父母等(第2順位)、被相続人の兄弟姉妹(第3順位)となります。

順位 法定相続人
常に相続人 配偶者
第1順位 被相続人の子など直系卑属
(親子関係でつながった親族のうち下の世代)
第2順位 被相続人の父母など直系尊属
(親子関係でつながった親族のうち上の世代)
第3順位 被相続人の兄弟姉妹

【ケース別】法定相続分の割合と計算方法

配偶者+子供の場合

相続人が、配偶者+子どもの場合には、法定相続分は各2分の1ずつとなります。

なお、子どもが2人以上いる場合は、2分の1の相続分を頭数で割った金額が子1人あたりの法定相続分です。

(例)被相続人の相続財産が1200万円で、相続人が配偶者+子ども1人の場合
 配偶者600万円
 子ども:600万円

(例)被相続人の相続財産が1200万円で、相続人が配偶者+子ども2人の場合
 配偶者:600万円
 子どもA:300万円(1200万円×1/2×1/2)
 子どもB:300万円(1200万円×1/2×1/2)

配偶者+父母の場合

相続人が配偶者+被相続人の父母であった場合には、法定相続分は、配偶者が3分の2、父母が3分の1となります。

(例)被相続人の相続財産が1200万円であった場合
 配偶者:800万円(1200万円×2/3)
 父 母:400万円(1200万円×1/3。父母一人あたり200万円ずつ。)

配偶者+兄弟姉妹の場合

相続人が配偶者+兄弟姉妹であった場合は、法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。

なお、兄弟姉妹の場合も、上記の子どもの場合と同様、法定相続分を頭数で割った金額が、兄弟姉妹1人あたりの相続分です。

(例)被相続人の相続財産が1200万円、兄弟姉妹が3人いた場合
 配偶者:900万円(1200万円×3/4)
 兄弟姉妹A:100万円(1200万円×3/4×1/3)
 兄弟姉妹B:100万円(1200万円×3/4×1/3)
 兄弟姉妹C:100万円(1200万円×3/4×1/3)

配偶者のみ・子供のみ・親のみ・兄弟姉妹のみの場合

相続人が配偶者のみの場合は、原則として、被相続人の相続財産のすべてを、配偶者が相続することとなります。

子どものみ、親のみ、兄弟姉妹のみの場合には、いずれもその頭数で割った分が法定相続分となります。

(例)被相続人の相続財産が1200万円、子どもが2人のみである場合
 子どもA:600万円(2分の1)
 子どもB:600万円(2分の1)

配偶者+孫の場合(代襲相続)

被相続人の死亡時に、相続人となるはずであった子が既に死亡していたが、当該相続人となるはずであった子に子ども、被相続人からみると孫がいた場合、当該孫が相続人となります。

このように、ある人の相続開始前に、その相続人となるべき者(乙とします。)が死亡等していたとき、乙の直系卑属(子等)が乙に代わって相続することを、「代襲相続」といいます。

代襲相続人の法定相続分(代襲相続分)は、その直系尊属が受けるべきであった分(上記でいえば、乙が相続するはずであった相続分)と同じとされています。

(例)被相続人の相続財産が1200万円、配偶者+孫が二人の場合
 配偶者:600万円
 孫 A:300万円
 孫 B:300万円

養子がいる場合

養子の場合であっても、普通養子縁組や特別養子縁組をしている場合には、実子と同様に扱われますので、法定相続分は、子の場合と同様となります。

非嫡出子がいる場合

非嫡出子とは、法律上の婚姻関係にない両親から生まれた子どもを指します。

非嫡出子の場合、以前は、その法定相続分が、嫡出子(法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子ども)の2分の1とされていました。

しかし、現在は、法律が改正され、非嫡出子の場合も、嫡出子の相続分と同等となっています。

法定相続分が認められない人

離婚した元配偶者

離婚した元配偶者は、民法によって定められている相続人の範囲に含まれていません。

そのため、たとえ婚姻期間中は相続人であったとしても、離婚して元配偶者となれば、相続人とはならず、法定相続分は認められません。

内縁関係や事実婚の状態にある人

内縁関係や事実婚の状態にある方であっても、法律上の婚姻関係にはないことから、「配偶者」には当たらず、そのため、法定相続分は認められません。

養子縁組をしていない再婚相手の連れ子

再婚相手の連れ子であっても、被相続人と養子縁組をしていない場合には、前述の法定の相続人のいずれにも当たらないため、法定相続分は認められません。

代襲相続人でない孫や甥姪

孫や甥姪は、原則として相続人にはあたらず、法定相続分はありません。

孫や甥姪が相続人となるのは、被相続人の子や兄弟姉妹が死亡、欠格、廃除により相続権を失った場合に、民法に基づいて、代襲相続人となるときのみです。

相続放棄した人

ある相続人が相続放棄をした場合には、当該相続人ははじめから相続人でなかったとみなされます(民法938条)。

そのため、相続放棄をした人には、法定相続分も遺留分も認められません。

相続廃除や相続欠格に該当する人

被相続人を殺害した者など、民法891条各号に定める重大な事由にあたる行為をした者については、相続欠格となり、相続人となることができません。

また、相続人となる予定の者(推定相続人)が、被相続人に対して虐待をしたり、又は本人が著しい非行があったと認められるときには、被相続人が生前のうちに、家庭裁判所に当該推定相続人の廃除を請求することができます。

この請求が認められた場合には、当該推定相続人は相続人から廃除されることになります。

なお、相続欠格や相続排除にあたる相続人に子がいる場合には、当該子は代襲相続人として相続ができることに注意が必要です。

法定相続分と遺留分の違い

法定相続分とは、民法900条に規定されている、原則的な相続人の相続分(遺産総額に対する持分の割合)のことです。

これに対し、遺留分とは、一定の範囲の相続人(子、その代襲相続人、父母等の直系尊属、配偶者)が、相続について、法律上取得することを保証されている相続財産の一定の割合のことです。

法定相続分は、被相続人の遺言や贈与等によって、法定相続分を超える割合の相続をすることが可能です。

一方、遺留分は、法律上、上記相続人が受け取ることを保証している、いわば最低限度の相続分なので、被相続人のした贈与又は遺贈が遺留分を侵害した場合には、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求をすることができ、これによって金銭で調整されることになります。

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遺産分割が法定相続分どおりにならないケース

遺言書がある場合

有効に成立した遺言書がある場合には、原則として、遺言書の内容が法定相続分に優先するため、当該遺言に従った相続がされます。

たとえば、「特定の相続人にすべての不動産を相続させる」、「相続人ではない第三者に●万円を遺贈する」といった内容の遺言を残すことも可能です。

もっとも、当該遺言の内容が、相続人の遺留分を侵害しているときは、当該相続人からの遺留分侵害額請求によって、侵害された部分について、金銭での調整を求められることがあります。

生前贈与があった場合

なお、特定の相続人に特別受益がある場合の相続分の算定は、まず、特別受益の額をいったん相続財産に持ち戻し(みなし相続財産)、みなし相続財産に各相続人の法定相続分率を乗じたうえで、特別受益を受けた相続人は、そこから特別受益の額を差し引いて、相続分を算定します。

(例)相続財産が1000万円、相続人4人(いずれも子)、うち1人(子A)が被相続人から200万円の贈与を受けている場合
 みなし相続財産=1000万円+200万円
        =1200万円
 子A:100万円(1200万円÷4‐特別受益額200万円)
 子B:300万円(1200万円÷4)
 子C:300万円(1200万円÷4)
 子D:300万円(1200万円÷4)

寄与分が認められる場合

長年にわたって、無給又はこれに近い状態で被相続人の事業に従事したり、被相続人の借金を代位弁済する等して被相続人の財産の維持又は増加に特別に貢献した場合、被相続人を長年看護した場合等に、寄与分が認められる可能性があります。

なお、この場合の相続分の計算は、まず、相続財産から寄与分相当額を差し引いて、その残額を法定相続分に従って各人の相続分を計算し、そのうえで、寄与分を有する相続人には、前記相続分に寄与分額を加算して、相続分を算出します。

(例)相続財産が1200万円、相続人4人(いずれも子)、うち1人(子D)に寄与分として200万円が認められる場合
 相続財産‐寄与分相当額=1200万円‐200万円
            =1000万円
 子A:250万円(1000万円÷4)
 子B:250万円(1000万円÷4)
 子C:250万円(1000万円÷4)
 子D:450万円(1000万円÷4+寄与分200万円)

法定相続分に関するよくある質問

法定相続分を超える相続にはどんなものがありますか?

被相続人が遺言によって、特定の相続人に法定相続分を超える相続分を相続させる場合(民法902条)、遺産分割協議によって、他の相続人の同意を得て、法定相続分を超えた割合による相続をする場合(民法907条)、寄与分が認められ、法定相続分に上乗せされる場合(民法904条の2)等があります。

法定相続分がない人に遺産を取得させる方法はありますか?

内縁の配偶者や、お世話になった第三者等、法定相続分がない人にご自身の財産を残したい場合には、遺言による遺贈(民法964条)や死因贈与、生前贈与という方法が考えられます。

法定相続分についてのお悩みは遺産分割問題に強い弁護士にご相談ください

法定相続分は一見分かりやすいルールに見えますが、実際には、代襲相続や遺留分侵害額請求、生前贈与、遺言、特別受益、寄与分の有無等、複数の要素を考慮する必要があり、とても複雑になることも少なくありません。

また、相続人間の感情的な対立が深まると、なかなか当事者間の話合いでは話が進まなかったり、法的に正しいことを主張していても、話合いがまとまらないということもままあります。

相続が発生した場合はもちろん、生前のうちに、将来的に遺産相続が発生した際の親族間の紛争を未然に防ぎたいというご希望がある方は、一度、遺産分割問題に精通した弁護士にご相談ください。

交通事故の過失割合は、いつ、どのように決まるのでしょうか。過失割合は、当事者間で合意が成立すれば合意に従い、合意が成立しなければ、裁判所の判決等により決まります。

この記事では、交通事故の過失割合が決まるまでのプロセスについて説明します。

交通事故の過失割合はいつ決まる?

交通事故の過失割合は、当事者間で合意が成立すれば合意に従い、合意が成立しなければ、裁判所の判決等により決まります。いずれにしても、当該交通事故についての紛争が終局的に解決するタイミングで過失割合も決まることが通常です。

そのため、事故直後に、相手方から何らかの過失割合が示されたり、相手方がこちらの主張する過失割合を受け入れたかのように見えても、紛争が終局的に解決するまでは、過失割合は決まらないので、注意しましょう。

過失割合は誰がどうやって決めている?

過失割合は、当事者間で合意が成立すれば合意に従い、合意が成立しなければ、裁判所の判決等により決まります。当事者間の合意による場合、裁判所の判決等による場合のいずれの場合でも、過去の類似事例を参考に過失割合が検討されます。

したがって、過失割合は、「当事者」または「裁判所等の紛争解決機関」が、過去の類似事例をもとに、当該交通事故の具体的状況を踏まえて、決めているとご理解ください。

交通事故の過失割合は誰が決めるの?

過失割合の連絡がこない場合はどうしたらいい?

過失割合の連絡がこない場合には大きく2つのパターンがあります。

1つは、過去の類似事例にてらして過失割合を争うことがおよそ不可能といえるほど過失割合が明らかな場合です。
このような場合には相手方から過失割合についての連絡がなく、示談成立時に、当事者双方の間で暗黙に了解された過失割合を前提に示談が進むことがあります。

もう1つは、過失割合が主要な争点の1つとなる場合で、相手方としても、双方の損害額を踏まえて慎重に過失割合を主張すべきと考えている場合です。
いずれの場合においても、すぐに相手方に対して過失割合について問い合わせるのではなく、専門家に相談をしてください。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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保険会社から提示された過失割合に納得いかない時の対処法

相手方保険会社から過失割合が提示された場合、この過失割合に納得できない場合もあるかと思います。そのような場合には、相手方保険会社の主張する過失割合が、過去の類似事例と比較して、合理的なものかを検討する必要があります。

仮に、過去の類似事例と比較して、合理的なものといえる場合には、相手方保険会社が提示した過失割合を大きく動かすことは困難です。

これに対し、過去の類似事例と当該交通事故との事故状況とが異なっており、この異なっている点が、過失割合の判断において重要な意味を持ち得るような場合、また、参照し得る類似事例が複数あるような場合には、こちらに有利な過失割合を主張する余地がないか検討する必要があります。

こちらが主張する過失割合に合理的理由がある場合、相手方保険会社も、こちらの提案に応じて過失割合を修正する可能性があります。
もっとも、交通事故の過失割合については、豊富な類似事例がある他、示談交渉段階・訴訟段階双方において主張立証のポイントがあります。

不必要に相手方に有利な過失割合を受け入れることがないよう、過失割合について疑問があるときは弁護士にご相談ください。

交通事故の過失割合に納得がいかない場合の対処法

過失割合の疑問点は弁護士にご相談ください

交通事故の過失割合について疑問がある場合は、交通事故事件の処理について豊富な経験を持つ弁護士にご相談ください。

交通事故について弁護士に依頼していても、解決の方向性が合わない、対応が遅く連絡も付かないといった状況になることがあります。
本記事では、そのような場合に、弁護士を変えた方がいいのか、弁護士を変更する方法等について解説していきます。

交通事故の弁護士は変更できる!セカンドオピニオンの重要性

交通事故で弁護士に依頼している場合、弁護士を変更することは可能です。
他の弁護士に意見を求めることで、弁護士の変更を検討すべきかが分かる可能性があります。

法テラスや交通事故紛争処理センターを利用している場合は注意が必要

もっとも、法テラスや交通事故紛争処理センターを利用している場合には、注意が必要です。

法テラスでは、弁護士を変更するのに法テラスの承認が必要となっています。
また、紛争処理センターでは、弁護士の変更はできないことになっています。

弁護士の変更を検討したほうが良いケース

相性が良くない

弁護士の変更を検討した方がいいケースとして、相性が良くない場合があります。

コミュニケーションがスムーズにいかず会話が成り立たない場合や、質問したことに答えてもらえない場合、弁護士と話す気持ちになれない場合などは、その弁護士との相性が良くない可能性があります。

解決の方向性が合わない

解決の方向性が合わない場合も、弁護士の変更を検討すべきです。

自分としては、仮に後遺障害が認められる可能性は低いとしても申請自体は行いたいと考えているにもかかわらず、弁護士が後遺障害申請をせずに進めようとしているといった場合がこれにあたります。

対応が遅い、連絡が取りにくい

弁護士の対応があまりに遅い場合にも、弁護士の変更を検討したほうがいいでしょう。

交通事故の示談交渉は、相手方保険会社から資料が共有されるまでに時間がかかることや、弁護士会照会で資料を収集しようとしていれば照会結果が出るまでに時間がかかることなどがあり、必ずしも弁護士の対応が遅いわけではない場合もあります。

もっとも、弁護士に状況を確認して、そのような待ちの状況などではないことが判明したにもかかわらず、さらに長期間進展がない場合には、自分の事件が後回しにされている可能性があります。

弁護士に業務停止処分が下った

よくあることではありませんが、弁護士に業務停止処分が下ることがあります。
弁護士には、独自の懲戒制度があり、弁護士法等の違反が重いケースでは、弁護士に業務停止の処分が下る場合があります。

業務停止処分が下れば、弁護士はその期間業務を行うことができませんので、依頼している事件が止まってしまうことになります。
この場合、依頼している事件を今すぐ進めるためには、弁護士を変更せざるを得ません。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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弁護士を変更する方法

以下、弁護士を変更する方法について解説していきます。

新しい弁護士を探して相談する

まずは、新しい弁護士を探して相談しましょう。
その際、弁護士の変更を考えている旨とその理由を伝えます。

新しい弁護士なら解決してくれそうということであれば、依頼したい旨を伝えましょう。

今依頼している弁護士に変更したい旨を伝える

その上で、今依頼している弁護士に、弁護士の変更をしたい旨を伝えます。
依頼している弁護士に資料を預けている場合には、全て返却してもらう必要があります。

(弁護士費用特約を利用している場合)保険会社にも弁護士を変更する旨を伝える

弁護士費用特約を使用している場合には、保険会社にも弁護士を変更する旨伝える必要があります。
弁護士費用特約では、保険会社が弁護士費用を支払うため、弁護士が変われば保険会社の支払先も変わることになるからです。

新たな弁護士に着手金を支払う

新しい弁護士に依頼する場合には、新しい弁護士に着手金を支払う必要があります。

弁護士費用特約に入っている場合は、上限はありますが、基本的には弁護士費用特約から弁護士費用が支払われるため、新たに負担は生じない可能性もあります。
弁護士費用特約に入っていない場合には、自己負担となります。

引継ぎをしてもらう

新しい弁護士は、事件の内容や交渉の経過を知らないため、引き継ぎを行う必要があります。前の弁護士から回収した資料を新しい弁護士に渡し、どこまで話が進んでいるかを伝えましょう。

弁護士間で共有してほしい場合には、両方の弁護士にその旨を伝えれば、対応してくれる場合もあります。

新たな弁護士が対応を開始する

新しい弁護士が事件の内容等を把握すれば、対応が開始できます。
前回と同じ事態とならないためにも、弁護士と綿密なコミュニケーションを図るようにしましょう。

弁護士を変更した場合のデメリット

以下、弁護士を変更した場合に考えられるデメリットについて解説していきます。

着手金は返ってこない

1つ目は、着手金が返ってこないということです。

着手金は、弁護士が事件に着手するにあたってかかる費用のため、途中で弁護士を変更したとしても、前の弁護士の着手金の返還を求めることはできません。

完全成功報酬型でも解任までの費用は請求される

報酬体系の中の1つに、完全成功報酬型というものがあります。

これは、着手金をゼロとする代わりに、成功報酬を通常より高めに設定するもので、依頼者が着手金を用意することが難しい事件で採用されることがあります。
この場合でも、解任までの費用は請求されるため、注意が必要です。

解約金が発生する可能性がある

委任契約書に、解約金の定めがある場合、当該条項に基づいて解約金が発生する可能性があります。
弁護士の変更を検討する場合には、委任契約書を確認するようにしましょう。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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弁護士変更にあたっての注意点

書類は全て返してもらう

新しい弁護士が対応するにあたり、書類がなければ事件を進めることができません。
書類は全て返してもらうようにしましょう。

弁護士費用特約を利用している場合は要確認

弁護士費用特約には上限額があり(通常は300万円)、これを使い切ってしまっている場合には、新しい弁護士に対し、自費で弁護士費用を支払う必要があります。

そのため、弁護士費用特約に加入している保険会社に、弁護士費用の枠がどれだけ残っているかを確認するようにしましょう。

変更しても結果が変わらない場合もある

弁護士を変更しても結果が変わらないこともあります。
以下、その例を挙げます。

示談を締結してしまった場合

相手方保険会社と示談を締結してしまった場合には、新しい弁護士でもその示談を覆すことはできません。

示談書には、清算条項といって、示談書に定める他に請求しうる債権が存在しない旨の条項が規定されています。
そのため、弁護士が変わったからといって、慰謝料等を増額して請求することはできないことになります。

症状固定してしまった場合

すでに症状固定してしまった場合にも、その示談を覆すことはできません。
症状固定は、簡単に言えば、治療してもこれ以上良くならない状態のことを言います。

症状固定時期ついては、医師の判断が重視され、新しい弁護士でも、すでになされた医師の判断を変更することはできません。
そのため、すでに症状固定してしまった場合には、弁護士を変更してもその時期をずらすことはできないことになります。

交通事故に強い弁護士の選び方

解決事例が豊富にある

弁護士によって、これまでに扱ってきた事件の数や割合は異なります。
交通事故事件には、交通事故特有の知識や経験を必要とするため、ベテランの弁護士であっても、交通事故にはあまり詳しくないといったことがあり得ます。

相談時に、交通事故の解決事例が豊富にあるかを確認するようにしましょう。

交通事故専門にやっている・専門の部署があるか

交通事故は、事件処理に関してある程度定型化されている側面がある一方、複雑な論点も多く存在します。

そのため、交通事故を専門的に扱っている事務所でなければ、対応が難しいケースがあります。ホームページを確認するなどして、事務所として交通事故に力を入れているかを確認するようにしましょう。

医学知識があるか

症状固定時期や後遺障害等級が争いになる場合など、交通事故には少なからず医学的知識が必要となります。

弁護士は医学の専門家ではないので、医者と同じレベルの医学的知識を有している人はほとんどいませんが、主張を構成するにあたって、医学的要素を含んだ議論を避けることはできないため、ある程度の医学的知識を有しているのが望ましいと言えます。

交通事故は弁護士法人ALGにお任せください

弊所は交通事故に力を入れており、対応件数が非常に多いのが特徴です。
交通事故を専門的に扱っている事業部も存在し、事案によっては連携を図ることができます。

依頼している弁護士の事件処理に関し、不満がある場合には、ぜひ一度ご相談ください。

妊娠中であっても、夫婦で生活していく中で、様々なことが起こり、困難に直面する等して、離婚を考える方もいらっしゃるかもしれません。

以下では、妊娠中に離婚する場合、慰謝料が請求できるのかや、生まれてくる子どもの養育費、戸籍など、離婚を考える上で気になると思われる項目について、解説していきます。

妊娠中の離婚で慰謝料を請求できるのか?

離婚の際に請求できる離婚慰謝料は、離婚によって生じた精神的苦痛に対する補償であり、相手方の行為が原因で離婚に至った場合等に発生します。

そのため、原則として、妊娠中の離婚であることのみを理由とした慰謝料請求は、認められません。

以下では、妊娠中であるかどうかにかかわらず、離婚に伴って慰謝料を請求できる場合を説明していきます。

慰謝料請求が認められるケース

離婚に伴う慰謝料請求が認められるケースは、相手方が婚姻関係破綻の原因を作った、婚姻関係が破綻する原因となった行為があったと認められる場合です。

たとえば、相手方の不貞行為や、身体的、精神的、経済的DVがあった場合等が挙げられます。

一方、妊娠中に離婚に至ったとして、上記のような事情はなく、相手方との価値観の不一致等で離婚に至った場合には、相手方に一方的に落ち度があるわけではないため、離婚に伴う慰謝料請求は認められません。

妊娠中に離婚した場合の慰謝料相場はどれぐらい?

妊娠中に離婚した場合でも、離婚に至った原因や事情によって、慰謝料の金額は変わります。

そして、離婚慰謝料というのは、原則としては、離婚によって生じた精神的苦痛に対する補償であるため、妊娠中であるかどうかによって、慰謝料の金額が変わるかは、事情によって異なります。

裁判例によっては、妊娠中に離婚をすることは、精神的苦痛の程度が大きいと判断するものもありますが、必ずしも、このような判断がされるとは限らないことにご注意ください。

中絶に至った場合の慰謝料は?

原則として、当事者双方の合意のうえ、中絶に至った場合には、当事者の自由な意思に基づいて中絶に至ったといえるため、これに対する慰謝料を請求することはできません。

もっとも、相手方が暴力や暴言、恐喝等によって、中絶を強要した場合など、相手方の一方的な原因により、中絶に至ったといえる場合には、慰謝料を請求することができる場合があります。

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妊娠中の離婚で慰謝料以外に請求できるもの

養育費

未成年の子どもがいるときは、離婚する夫婦のどちらかが親権者となります。

養育費とは、親権者であるかどうかに関係なく、子を引き取って養育する親に対して、他方の親から子を養育する費用として給付されるもので、原則として、親権者は、他方の親に対して、養育費を請求することができます。

養育費は、夫婦双方の収入や、子の人数、年齢等を考慮して、算定されます。
養育費算定にあたっては、裁判所が発表している養育費算定表を参考にされることをおすすめいたします。

財産分与

夫婦が離婚する際は、婚姻期間中に形成した財産を夫婦で分け合うことになります。

実務上、財産分与は2分の1ずつとなることがほとんどですが、離婚に至った原因が相手にある場合には、慰謝料分を考慮して、2分の1より多く分与されることもあります。

なお、財産分与については、必ずしも離婚時に決めなければならないものではありませんが、離婚が成立した日から2年が経過すると、財産分与を請求することができなくなることに注意が必要です。

財産分与について詳しく見る

慰謝料以外に出産費用も請求することはできるのか?

原則として、離婚時に出産費用を請求することは難しいです。

婚姻期間中であれば、出産費用は、お互いの収入を考慮した上で、婚姻費用として分担する義務があると考えられていますが、離婚すれば、夫婦ではなくなるため、婚姻費用を分担する義務がなくなります。

そのため、法的に相手に出産費用を請求することは難しく、相手が任意で出産費用の支払いに応じない限り、相手から出産費用を受け取ることは困難です。

妊娠中の離婚で子供の親権と戸籍はどうなる?

親権はどちらが持つ?

妊娠中に離婚し、離婚後に子どもが生まれた場合には、通常、その子どもの親権者が母親となるのがほとんどです。

もっとも、病気等の原因で、母親が看護養育することが難しい場合には、父親が親権者となることもあります。

一度親権者が決まって、届出をした後に親権者を変更したい場合には、双方の合意があったとしても変更はできず、親権者変更の調停または審判という裁判所の手続きをとらなければならないことにご留意ください。

子供の戸籍はどうなる?

民法では、「婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と規定されています(民法772条2項)。

そのため、離婚してから300日以内に生まれた子どもは、元配偶者の子どもと推定され、元配偶者の戸籍に入ることになります。
この場合、子どもを母親の戸籍に移すためには、以下の手続きをとる必要があります。

  • ①子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に、「子の氏の変更許可」の申立てをする。
  • ②家庭裁判所が調査した上で、子の氏の変更許可をもらう。
  • ③役所に行き、必要書類とともに、母親の戸籍への入籍の届出をする。

一方、離婚してから300日経過後に生まれた子については、元配偶者の子どもと推定されませんので、母親の戸籍に入ることになります。

妊娠中の離婚でお困りなら弁護士に相談してみましょう

離婚する上で、親権や、養育費、財産分与についてしっかり決めておくのは、その後のトラブルを防止するためにも重要です。

特に、妊娠中に離婚に伴う取り決めをするために、相手と話し合うことは、精神的にも大きな負担がかかってしまうかと思います。

弁護士であれば、本人に代わって、離婚に向かって、少しでも早期に話がまとまるように、円滑に協議を進めていきやすいですし、養育費の適正額や、財産分与、離婚に伴う慰謝料請求をする場合には、適正な額を具体的に助言することができます。

妊娠中の離婚をお考えの方や、お困りの方、不安を感じている方は、一度弁護士にご相談ください。

大切なご家族を亡くされた後、残されたご遺族には故人の財産を引き継ぐ「相続手続き」が待っています。

この手続きは複雑で多岐にわたるため、「自分で全て進めるのは難しいのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。

時間や費用を節約するために自分で手続きをしたいと考える一方で、ミスなく確実に手続きを完了させるにはどうすれば良いのでしょうか。

この記事では、自分で相続手続きができるケースと、専門家である弁護士に依頼した方が良いケース、そして自分で進める際のリスクについて詳しく解説します。

相続手続きは自分でできる?

相続手続きは、原則として自分で行うことも可能です。
法的に「弁護士でなければできない」というものではありません。

ただし、故人の出生から死亡までの戸籍謄本など、非常に多くの公的書類を集める必要があり、また、それらの書類を基に、銀行や法務局、税務署など、様々な機関で手続きを行う必要があります。

相続の状況がシンプルであれば自分でも対応しやすいですが、複雑になると専門知識が求められ、時間や労力が大幅にかかることになります。

自分で相続手続きができるケース

相続財産がシンプルで、相続人同士の仲が良い場合は、比較的自分で手続きを進めやすいでしょう。

具体的には、相続人が配偶者と子のみなどで少なく、遺産が現金や預貯金が主で不動産などが少ないケースです。
さらに、遺言書があり、その内容にすべての相続人が納得しており、相続人全員が手続きに協力的であることも重要な条件です。

この場合、金融機関や法務局での手続きのみで完結しやすく、複雑な法律問題が生じる可能性が低いため、自分で書類を集め、手続きを一つずつ完了させることが十分に可能です。

専門家に相続手続きを依頼した方がよいケース

以下のようなケースでは、手続きの複雑さや法的なリスクから、最初から弁護士などの専門家に依頼した方がスムーズです。

相続人の間で遺産の分け方について意見の対立がある場合や、相続財産に不動産や株式、複数の銀行口座など多岐にわたるものが含まれる場合です。

また、相続人の中に連絡が取りにくい人がいる、遺言書の内容に不明確な点がある、あるいは多額の借金があることが判明し、相続放棄を検討する必要がある場合なども、専門的な判断と対応が不可欠となります。

相続手続きを自分で行うときの5つのリスク

必要書類を集めるのに時間と労力がかかる

相続手続きでは、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡まで全ての戸籍謄本など、非常に広範な公的書類の収集が必要です。

これらは複数の役所を回って取得する必要があり、郵送でのやり取りにも時間がかかります。特に、本籍地を何度も変更している場合や、代襲相続が発生しているケースでは、戸籍の数が増え、その読み解きだけでもかなりの労力が必要です。

日中に役所へ行く時間が取れない方にとって、この書類収集の段階で大きな負担となるリスクがあります。

預金解約や不動産の名義変更などやるべきことが多い

集めた書類を基に、次は実際に名義変更や解約の手続きを行う必要があります。

具体的には、銀行口座の解約や名義変更、不動産の所有権移転登記(名義変更)、自動車の名義変更、株式などの証券の移管手続きなど、多岐にわたります。

それぞれの金融機関や法務局で求められる書類が微妙に異なっていたり、手続きのルールが違っていたりするため、一つ一つ個別に確認しながら進める必要があり、予想以上に時間と手間がかかることになります。

裁判所や銀行に何度も足を運ぶ必要がある

手続きを進める上で、戸籍や印鑑証明書などの提出、あるいは金融機関や法務局の担当者との面談が必要になるため、平日の日中に何度も各所へ足を運ぶ必要が生じます。

特に、不動産の名義変更を行う法務局や、複数の銀行が遠方にある場合は、移動だけでも大きな負担となります。

何度も足を運んだにもかかわらず、書類の不備で手続きが完了しないという事態も起こり得るリスクがあります。

手続きの期限に間に合わない可能性がある

相続に関する手続きには、期限が設けられているものがあります。

特に重要なのは、相続放棄や限定承認の申述期限(原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内)や、相続税の申告・納付期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内)です。

これらの期限は非常に短く、手続きに手間取っているうちに期限を過ぎてしまうと、多大な不利益を被るリスクがあるため、迅速かつ正確な対応が求められます。

相続人でトラブルになりスムーズに進まないことがある

相続財産の分け方について、当初は合意できていたつもりでも、手続きの途中でそれぞれの主張がぶつかり、相続人同士でトラブルに発展するリスクがあります。

特に、不動産や非上場株式など、評価が難しい財産がある場合や、寄与分や特別受益を主張する人がいる場合に紛争化しやすいです。

一旦トラブルになると、手続きは完全にストップし、長期化する上、弁護士を立てての交渉や裁判所の調停・審判といった、より複雑な対応が必要になる可能性が高まります。

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相続手続きを弁護士に依頼するメリット

必要書類の収集など全ての手続きを任せられる

弁護士は、法律に基づき、相続に必要なほぼ全ての手続きを代理で行うことができます。

煩雑な戸籍謄本などの収集、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続き、不動産の名義変更に必要な書類作成(司法書士との連携)など、依頼者様がやるべきことを大幅に減らすことができます。

これにより、ご遺族は精神的負担を軽減し、本来故人を偲ぶべき時間を確保できます。

相続トラブルにも適切に対応できる

弁護士は、唯一、相続人の代理人として法律交渉や調停、審判といった裁判所での手続きを行うことができる専門家です。

もし相続人間の意見対立が発生し、遺産分割協議が難航した場合でも、法律の専門家として、解決策を提案し、依頼者の利益を守りながら紛争の解決へと導きます。

また、トラブルの予防的な観点からも、遺産分割協議書の作成を依頼することは非常に有効です。

自分で相続手続きを進めるのが難しいと感じたら、できるだけ早めに弁護士へ相談しましょう

相続手続きは、期限があるもの、専門知識が必要なもの、そして相続人間でトラブルになり得るリスクを多く含んでいます。

特に、「3ヶ月の相続放棄の期限」や「10ヶ月の相続税申告期限」を考えると、手続きを先延ばしにすることは大きなリスクにつながります。

戸籍収集の段階でつまずいた、相続人の連絡先が分からない、遺産の評価が複雑で不安など、少しでも自分で進めるのが難しいと感じたら、是非一度、弁護士法人ALG&Associatesにご相談ください。

モラハラを理由に離婚を突き付けられた場合、どう対応してよいか分からず、戸惑うと思います。
本記事では、モラハラを理由とする離婚請求に対してどう対応すべきか、離婚は回避できるのかといったことについて解説していきます。

モラハラを理由に離婚請求されたらどうしたらいい?

モラハラを理由に離婚を請求されることはよくあります。

特に現代は、些細なことでもモラハラと言われかねない時代となっており、モラハラを理由に離婚を希望する人は以前より多くなっているように思います。

相手にモラハラと言われた場合には、どのような行動(発言)を不快に感じたのか聞き取りましょう。
そして、思い当たるところがあれば誠心誠意謝り、今後繰り返さないようにする、思い当たるところがないのであればそれを説明するなどの対応が考えられます。

そもそもモラハラとはどのような行為?

モラハラとは、ことばや態度で繰り返し相手を攻撃し、人格の尊厳を傷つける精神的暴力とされています(香山リカ『知らずに他人を傷つける人たち』21頁(KKベストセラーズ、2014年))。

具体的には、以下のような行為が目安となります。

  • 何時間もしつこく説教する
  • 土下座を強要して謝らせる
  • 「頭が悪い」「役立たず」「何をやらせてもできない」などと言って侮辱する

そのため、相手がモラハラと言っていても、実際にはモラハラにあたるような行為はしていないということはあります。

モラハラを理由に離婚できる?離婚する際に知っておくべきこと

離婚を拒否することは可能だけど、裁判になると…

離婚には主に、①協議離婚、②調停離婚、③裁判離婚の3種類があります。

まず、当事者間で話し合いが行われることが一般的です(①協議離婚)。
協議離婚は、両当事者の合意がなければ成立しないため、離婚を拒否することで、離婚を成立させないことができます。

①協議離婚が成立しない場合、相手から調停を申し立てられることになります(②調停離婚)。
調停では調停委員が両当事者の間に入り、話し合いを進めます。
これも、最終的には両当事者の合意がなければ成立しないため、離婚を拒否し続けることで、離婚を成立させないことができます。

その場合、相手から離婚裁判を起こされることになります(③裁判離婚)。
裁判では、法定の離婚事由が認められると、離婚が成立してしまいます。
そのため、裁判となった際には、相手が主張する行為が法定の離婚事由に当たらないことを主張する必要があります。

モラハラで離婚が認められるケースとは

裁判になった際に、離婚が認められるためには、相手が主張する行為が、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項4号)にあたることが必要となります。

離婚を望んでいる相手が証拠によってこれを証明する必要があります。
想定される証拠としては、長時間相手を説教している録音や、相手の日記、第三者の証言などが考えられます。

これらの証拠によって、婚姻関係をこれ以上継続させるのは妥当ではないと裁判官が判断すれば、離婚が認められることになります。

離婚が認められないケース

反対に、相手が証拠を有していない場合や、証拠を有していても、夫婦げんかのようなレベルでモラハラとは言いがたいような場合には、離婚は認められないことになります。

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身に覚えのないモラハラ・冤罪をかけられたときの対処法

相手が言うモラハラに全く身に覚えがないときは、まずは相手に事実確認を行いましょう。

いつ、どこで、どのような発言等があったのかを聞き取ります。
それでも全く思い出せない、心当たりがないといった場合には、その旨相手に伝えます。

モラハラの事実が認められた場合、慰謝料は発生するのか?

慰謝料は、精神的苦痛を受けた場合に、それを賠償するためのお金です。

モラハラの場合も、慰謝料が認められることがあります。
また、受けた精神的苦痛の程度によって、認められる慰謝料の額は異なります。

モラハラ行為が悪質であったり、行為に及んだ期間が長かったりすれば、支払う慰謝料はより高額になります。
モラハラの場合、慰謝料額は数十万円〜100万円程度となることが多いです。

モラハラで離婚したら親権はどちらがとる?

親権者については、両当事者の合意がなければ、裁判官が決定することになります。

親権者は、子の福祉の観点から、子を養育するのにふさわしい親が選ばれます。
モラハラ行為が相手(子にとっての親)にしか及んでおらず、子には及んでいないのであれば、それによって直ちに親権者となれないわけではありません。

もっとも、子はそのような行為を目撃している可能性が高いため、少なからず子にもダメージがあると考えられます。また、相手に対しそのような行為に及んでいたことで、相手と別居すれば今度は子に及びかねないと考えられ、親権者の判定において不利に働くことが考えられます。

2026年以降、共同親権が施行される見込みとなっています。
共同親権が施行されれば、①協議離婚及び②調停離婚の場合には、話し合いで双方又は一方を親権者と定めます。

③裁判離婚の場合には、裁判所が双方または一方を親権者と定めることになりますが、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると裁判所が認めれば、父母の一方が親権者と定められることになります。

モラハラによる場合も、子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると裁判所が判断すれば、モラハラを行っていた親には親権が認められなくなります。

相手が別居することを選んだら

婚姻費用を請求される可能性がある

相手が家を出て行った場合、離婚が成立するまでの間、婚姻費用を支払う必要が生じ得ることになります。

婚姻費用は、婚姻期間中の生活費を分担する仕組みであり、両当事者の収入をもとに、支払う金額の相場が決まっています。

収入が多い方がモラハラを行い、別居に至った場合には、収入が多い方の当事者は、婚姻費用を支払う必要があります。
反対に、収入の少ない方がモラハラを行い、別居に至った場合には、収入の多い方の当事者は、婚姻費用の支払いを免れることができる可能性があります。

子供を連れて別居された場合

子供を連れて相手が出て行くこともあり得ます。

その場合、保育園で待ち伏せするなど、無理に子供を取り戻すと、親権者としてふさわしくないと裁判所に判断されるおそれがあります。

子供を取り戻したい場合には、①監護者指定、及び、②子の引き渡しを求める調停を申し立てるなど、裁判手続きを利用するようにしましょう。

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モラハラによる離婚請求に関するQ&A

私の親族のモラハラが原因で、妻から離婚請求されました。親族のモラハラは、離婚理由になるのでしょうか?

親族がモラハラを行っていたとしても、婚姻関係にある当事者がモラハラを行っていたわけではないため、当然には離婚理由にはなりません。

もっとも、親族によるモラハラ行為を知っていたにもかかわらず、それを止めなかった場合には、モラハラに同調あるいは助長しているとして、離婚理由になる可能性があります。

私からのモラハラを訴え別居した夫が不倫したようです。離婚が回避できないならせめて慰謝料をもらいたいのですが可能ですか?

夫が不倫したのであれば、不貞による慰謝料を請求できる可能性があります。
もっとも、婚姻関係が破綻した後に不倫に及んだ場合には、慰謝料請求は認められません。

別居に至ったとしても、直ちに婚姻関係が破綻したとなるわけではないので、基本的には慰謝料請求は可能ですが、別居から数年経った後の不倫であれば、すでに婚姻関係が破綻しているとして、慰謝料請求が認められない可能性があります。

モラハラを理由に離婚を請求されていますが、嫌なら都度言ってくれればいいのにいきなり離婚なんて納得いきません。離婚を拒否できませんか?

先に解説したように、裁判となるまでは、離婚を拒否することは可能です。

モラハラの事実について相手が有力な証拠を有している場合には、最終的には離婚が認められる可能性が高いと言えます。
そのような場合には、相手に対し誠心誠意謝罪し、今後繰り返さないことを誓った上で、離婚の意思が翻意されるよう努力するしかありません。

モラハラが原因で離婚請求をされたら、弁護士に相談することで解決に繋がる場合があります

相手にモラハラと言われていても、それが本当にモラハラにあたるのか、離婚が認められるほどの事実が存在するのか等については、ご本人ではなかなかわからないことが多いと思います。

弁護士であれば、日頃より似たような事件を多く扱っているため、その判断や、仮に離婚となった場合における今後の進め方等についてアドバイスすることが可能です。

相手からモラハラを理由に離婚を請求されたような場合には、是非一度ご相談いただければと思います。

亡くなって財産を遺した方(被相続人)が、現金・預金を残している場合、銀行口座の解約手続きを経るなど必要となりますが、遺産分割による取得は、分かりやすいでしょう。

それでは、被相続人が株式を保有している場合、遺産分割手続によって、株式を取得するには、どのような手続が必要となるのでしょうか。
特に、株式には、上場株式非上場株式があります。

上場株式と非上場株式では、相続によって取得するために、どのような違いがあるのでしょうか。以下では、詳しく見ていきます。

上場株式と非上場株式で相続手続きに違いが出る

手続きの窓口・流れが違う

上場株式と非上場株式とでは、相続手続に違いが出てきます。
まず、手続をする窓口や流れが大きく異なります。

上場株式は、取引をしている証券会社の被相続人名義の口座を通じて管理されています。
このため、上場株式の相続の手続きは、証券会社を通じて行う必要があります。
具体的には、証券会社の口座を介して株式の移管(振替)の手続きを行う必要があります。

他方で、非上場株式は、株式発行している会社に対して、遺産の株式を相続したことを示して、相続手続をしていきます。

上場株式の場合には証券会社に相続人であることを示して相続手続を行うのに対し、非上場株式の場合には株式発行会社に相続人であることを示して相続手続を行うことが必要です。

必要書類が違う

上場株式の場合には、証券会社の所定の請求書、移管手続依頼書、口座振替申請書などが必要となります。

他方で、非上場株式の場合には、株式を発行している会社によって異なりますので、相続の際には、株式発行をしている会社に必要書類を確認のうえで、所定の書類を提出することが必要となります。

口座開設の必要性

上場株式を相続した場合でも、被相続人が開設した取引口座を相続人がそのまま承継することができません。
移管(振替)のために、被相続人が利用していた証券会社において、相続人自身の取引口座を新たに開設することが必要です。

上場株式と非上場株式の見分け方は?

上場株式か、非上場株式かによって、問い合わせ先や手続が異なってきます。

上場株式と非上場株式は、上場されているかどうか、という点で異なってきます。
このため、証券取引所に掲載されている会社の株式であれば、上場株式に該当すると判断できます。

金融情報サイトで上場している会社であることを確認することで、上場会社の株式か確認することも出来ます。
金融庁のEDNETで有価証券報告書により、詳細に確認をすることもできます。

特別口座・タンス株の扱い

特別口座とは、決済合理化法の施行時に、振替口座簿に転記されなかった株式の記録、または、株主等から口座通知が無い場合に、会社が申出て開設する口座です。
いわゆるタンス株は特別口座で管理されています。

特別口座の株主が亡くなった場合、相続人は、相続人名義の一般口座(特別口座以外の口座)を振替先とする振替の申請を行うことができます。

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名義変更の方法と必要書類

上場株式の名義を変更する方法

上場株式は、移管手続の他に、株式発行をしている会社に対して、株式を取得して株主であることを示せるように、株主名簿上の名義変更手続が必要となります。

名義変更手続は、発行会社の株主名簿管理人(信託銀行や証券代行会社)に問い合わせ、必要書類を作成のうえで、株主名簿上の名義変更手続を行うことができます。

非上場株式の名義を変更する場合

非上場株式は、取引市場が無く、手続は各会社によって異なりますが、株式の発行会社に対し、被相続人から株式を相続したことを示す書類を提出することで、名義変更を行うことができます。

会社によって異なってきますので、被相続人の死亡の連絡の際に、必要な手続・書類を確認しておくことが必要です。
株主名簿への記載の変更のためには、相続人が、会社に対して、名義書き換えの請求をすることが必要です。

必要書類の具体例

上場株式の場合でも非上場株式の場合でも、遺産分割協議書・遺言など株式を相続したことを示す書類、被相続人の戸籍謄本相続人全員の戸籍や法定相続情報証明制度を利用した相続情報一覧図、印鑑登録証明書が必要となります。

特に、非上場株式の場合には、会社によって、請求の際に必要とされる申請書類が異なることがあります。
このため、相続の際に、会社に対して、必要書類を確認しておくことが必要です。

有価証券(株式)の相続手続きの流れ

証券会社への問い合わせする際の注意点

有価証券の相続の際には、証券会社や有価証券を発行する会社に問い合わせて、相続に必要な手続を確認しておくことがよいでしょう。

証券会社への連絡の際には、まず、被相続人名義の証券口座がある証券会社の支店に問い合わせを行い、相続発生日における取引残高を確認することが必要です。
もし、被相続人がどの証券会社に口座を持っていたか分からない場合には、証券保管振替機構に開示請求を行い、証券会社を特定します。

証券会社が判明してからは、上記のように、相続発生日の残高証明書を発行するようにしましょう。

遺産分割協議が整う前に、必要書類一式をそろえておくと、その後の手続きが円滑に進みますので、遺産分割協議や相続後の手続きを見据えて、必要な手続・書類を網羅的に確認できるとよいでしょう。

相続発生後の配当金や未受領分の手続きについて

株式などの有価証券は、遺産分割の対象となり、相続人のうち、どの相続人が有価証券の取得をするのか、協議によって定める必要があります。

株式の場合には、配当金等の利益を得る可能性を期待できる場合があるかと思われますが、それでも、有価証券の取得をする相続人が、相続発生後の配当金・未受領分を取得することになるのではなく、相続人間で話し合ったうえで、どの相続人が配当金・未受領分の取得をするのか、定める必要があります。

相続した株券を紛失した場合

株券は、株券の呈示をすることで、株主であることを示すことができます。

株券が紛失して第三者が取得した場合には、相続人であっても、株式を相続したことを示せなくなる可能性もあります。このため、株券を紛失した場合には、株券喪失登録の手続きを行い、株券を無効にしたうえで、再発行を受け、その後、名義変更を請求することが必要です。

具体的には、株券喪失登録請求書を発行会社又は株主名簿管理人に提出します。
会社は、株券喪失登録簿に記載します。
登録された株券は、登録日の翌日から1年を経過した日に無効となります。

その後、会社によって株券が再発行されます。
相続人は、再発行された新株券を用いて、名義変更手続請求をすることが可能になります。

専門家への相談のメリット

これまで述べてきたように、株式などの有価証券の相続の際には、必要な書類を準備することが必要です。
一つでも欠ける場合には、相続の手続きが進められなくなる可能性があります。

また、遺産分割後を含む相続手続の流れを理解しておかなければ、二度手間になってしまうこともあります。
相続は争族と言われることもありますので、ようやく協議が整ったにも関わらず、再度、他の相続人の協力を求めなければならないことが生じ、苦労が絶えなくなってしまいます。

有価証券の相続に精通している専門家への相談をすることで、必要な段取りを確認し、円滑に相続手続を進めることができます。

株券・有価証券の相続手続きでお悩みの方はご相談ください

株券・有価証券の相続手続については、必要書類を整えることが重要です。

これだけでなく、遺産分割においては、有価証券をいくらと評価するのかという観点も重要になります。
上記に限らず、会社が名義変更に応じない場合の交渉力も必要となってくる場合があります。

このように、遺産のなかに有価証券が含まれる場合には、手続面だけでなく、評価、他の遺産との調整など、複合的な視点をもって、対応していくことが必要です。

被相続人が株券を持っていた、遺産のなかに有価証券が含まれている、という場合には、一度、ご相談ください。

交通事故に遭った場合、損害が発生すれば、その損害の賠償を求め、示談交渉を行うことが通常です。

交通事故の示談交渉では、示談成立までに、相当程度、時間がかかります。
もっとも、なかには、できる限り早く示談をしたいという希望を持たれる方もいらっしゃると思います。

以下では、一般的に、交通事故の示談交渉に要する期間の目安を事故別に紹介した上で、早期に示談を成立させるための方法、そのデメリット等を解説していきます。

なお、一般的には、車両等の運転手は任意保険に加入していることがほとんどですので、基本的には、示談交渉の相手方は、加害者が加入する保険会社の場合がほとんどです。
そのため、以下の記載は、保険会社との示談交渉を前提にしています。

示談交渉には何日くらいかかる?事故別の期間目安

示談が成立するまでの期間は、事故の態様等によって異なります。
原則として、示談交渉が始まるのは、「本件交通事故による損害がすべて確定してから」となります。

ここからは、事故の態様別に、一般的に、示談成立までにかかる期間の目安と理由について、解説します。

物損事故の場合

物損事故とは、交通事故によって「物」(車両や物品など)だけが損害を受けた事故のことです。

物損事故の場合には、車両の修理費用の見積り等を出す必要がありますが、この見積りが出るまでに約1ヶ月程度かかることがほとんどです。
特に争いがなければ、修理費用の見積りが出てからそれほど時間があかずに示談となることもあり、1ヶ月程度で示談が成立することも少なくないです。

過失割合や物品の時価額等が争点となる場合には、交通事故発生から2ヶ月~それ以上かかることもあります。

人身事故の場合

人身事故とは、被害者が怪我をしている事故のことです。
人身事故の場合は、「怪我が治癒した場合」と「後遺障害が残った場合」で、示談成立までの期間が大きく変わります。

・怪我が治癒した場合

怪我が治癒した場合には、治療が終了した時点ですべての損害が確定するため、治療が終了した段階で示談交渉を開始します。
過失割合等に特に争いがなければ、主に賠償額の話になるため、治療終了から2ヶ月~半年程度で示談が成立することが多いです。

・後遺障害が残った場合

後遺障害が残った場合には、治療が終了した後(症状固定となった後)に、後遺障害等級認定申請をすることになります。
後遺障害が残った場合の示談の流れとしては、医師に後遺障害に関する診断書を書いてもらい、後遺障害等級認定申請をし、結果が出てから示談交渉が始まります。

通常、治療終了から4ヶ月~半年程度で示談となることが多いですが、後遺障害等級が認定された場合、賠償額が大きくなるため、保険会社からの回答も時間がかかる傾向があり、示談成立まで時間を要する傾向があります。
なお、後遺障害等級申請が不認定だった場合に、異議申立てをすると、さらに時間がかかります。

死亡事故の場合

死亡事故の場合は、葬儀が終わってから、示談交渉が始まります。

被害者が亡くなってしまった場合には、慰謝料や逸失利益が高額になる傾向がありますので、前述と同様に、保険会社からの回答に時間がかかり、交渉に時間を要する傾向があります。

これに加え、ご遺族の方のお気持ちもありますので、示談交渉は長期化しやすいといえます。
そのため、交通事故発生から示談成立までの期間としては、1年以上かかることも珍しくありません。

当て逃げ、ひき逃げの場合

当て逃げやひき逃げの場合には、そもそも交通事故による損害を請求する相手(加害者)が誰なのかを特定しなければ、示談交渉の相手方となる保険会社も分からないため、示談交渉を進めることが難しくなります。

そのため、まず、加害者を特定するのに時間を要する場合があります。
また、加害者を特定したとしても、事故を起こしてから逃げていることを考えると、自身の関与を否定したり、自分の責任を理解していない可能性もあり、なるべく示談金を少なくしようとして、賠償額で争いになることも考えられます。

保険会社も、契約者の承認を得なければ示談を成立させることができませんので、加害者が上記のような態度をとる場合には、なかなか示談交渉が進まないことも想定されます。

そのため、当て逃げ、ひき逃げの場合には、示談の成立までに、他の類型よりも時間を要する可能性があります。

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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示談にかかる期間を短くできないの?時間がかかる理由は?

交通事故に遭った方の中には、「示談交渉を早く終わらせたい」、「早く示談金を受け取りたい」という方もいらっしゃると思います。

示談にかかる期間を短くしたい場合には、相手が提案する賠償案に合意すれば、示談が成立しますので、早く終わらせることができます。
しかし、「早く示談を終わらせたい」という理由で、相手の賠償案に合意し、示談するにはおすすめしません。

相手方保険会社が被害者の方に提案する賠償案は、多くの場合、できる限り相手方保険会社に有利な内容となっているため、被害者の方が本来受け取るべき賠償額よりも低額なことがほとんどです。

示談が成立してしまえば、その後に適切な示談金を受け取ることはかなり難しくなってしまいます。
そのため、賠償額の内容を精査しないまま、早期に示談をしてしまうことのないようにご留意ください。

示談に時間がかかる理由

示談成立までに時間がかかる理由としては、怪我の治療や、後遺障害等級認定の申請・審査、修理費見積りや診療報酬明細書等の資料を集めるのに時間がかかるという事情もありますが、一番大きな事情としては、「加害者と被害者の主張が一致しないこと」が挙げられます。

被害者の方は、当然、被害を受けた分、その損害に見合った賠償額を請求します。
一方、加害者側は、自身が支払う賠償額を少しでも少なくしたいと考えるため、過失割合や治療期間を争って、少しでも低額の賠償額となるように主張してきます。

このように、お互いに主張を譲らず、賠償案について合意ができないと、示談が成立するまでに時間がかかることになります。

自分で示談交渉をしようとしたら期間はどれくらいかかる?

交通事故の示談交渉をご自身でする場合には、示談成立までには、上記の目安期間よりも長い時間を要すると考えられます。

理由としては、交通事故の示談交渉の場合には、事故の態様や結果によって、取り決める必要のある損害費目や金額が一律ではなく、相手方が必ずしも正しい賠償案を提示しているとは限らないため、適正な賠償案かどうかを判断するのは容易ではありません。

一方、根拠なく賠償金の請求をしても、相手方は応じてくれず、双方譲らないまま、長引いてしまいます。
そのため、交通事故の示談交渉において、被害者の方の受けた損害に見合う、適切な賠償額を、最短で受け取るためには、弁護士による示談交渉をおすすめいたします。

交通事故の示談は弁護士にお任せください

交通事故の示談交渉は、適正な賠償額を受け取るためにも、慎重に進める必要があります。

もっとも、賠償金を請求できる期間は限られていますし、示談交渉は、精神的にも、経済的にも大きな負担がありますので、早く終わらせたい、示談金を受け取りたいとお考えの方もいらっしゃると思います。

弁護士であれば、できる限り短い期間で適正な賠償額を受け取れるよう、示談交渉を進めていくことができます。
また、弁護士に示談交渉を任せることで、精神的な負担が軽減することに加え、賠償額の増額が見込めます。

交通事故の示談交渉で、相手方が提示してきた賠償額に納得がいかない、これで示談して良いか分からない、ご自身で交渉するのが精神的に負担であるなど、お困りの方は、一度、弁護士にご相談ください。

遺言書を作成するにあたっては、よく、「遺言書を作成するのであれば、公正証書によるべきだ」と言われます。

もっとも、なぜ公正証書によるべきだと言われるのか、そのメリット・デメリットや、作成方法まではそれほど広く知られていないようです。

ここでは、公正証書遺言とは何か、メリット・デメリットに加え、作成の流れや注意点等を解説していきます。

公正証書遺言とは

公正証書遺言とは、公証人の作成する公正証書によってする遺言のことです。

公正証書遺言をするためには、①証人二人以上の立会いがあること、②遺言者が遺言の趣旨を公証人に読み聞かせする(口授)こと、③公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧させること、④遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名押印すること、⑤公証人が、その証書が以上の適切な手続に従って作ったものである旨を付記して、これを署名押印することが必要となります。

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言には、大きく分けて3つのメリットがあります。
以下では、公正証書遺言のメリットについて説明します。

紛失、偽造、変造のおそれがない

自筆証書遺言の場合には、作成後遺言者が思わぬところに保管し、保管場所を誰も知らなければ発見されないこともありますし、発見されても発見者が破棄したり、偽造、変造するおそれがないとはいえません。

しかし、公正証書遺言の場合には、遺言書の原本は公証役場で保存されますし、利害関係人であれば遺言の存在を調査することもできますので、遺言書の紛失、偽造、変造のおそれがありません。

遺言書開封時の検認手続きが不要

遺言書の検認とは、家庭裁判所が遺言の存在と内容を認定するための手続きのことで、一種の証拠保全手続きです。

検認手続きは、遺言の有効性を左右するものではなく、相続人に対し、遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、検認の日における遺言書の状態を明確にして、検認後の偽造や変造を防ぎ、遺言書の保存を確実にすることができ、自筆証書遺言の場合などは、この検認の手続きが必要となります。

もっとも、公正証書遺言は、前述のとおり、偽造や変造が行われる恐れがないため、この検認手続きは不要とされています。

自筆できない人でも作成できる

自筆証書遺言は、有効に成立するための要件の一つとして、本文を含めてすべて「遺言者本人の自筆であること」が絶対必要であるため、自筆できない場合には、作成することができません。

一方、公正証書遺言は、遺言者の口述を公証人が聞き取り、公証人が本文も含めて、すべてこれを筆記して書面にすることで有効に成立します。

そのため、公正証書遺言であれば、自筆できない人でも、作成することができます。

公正証書遺言のデメリット

作成に時間や費用がかかる

公正証書遺言にはメリットだけではありません。

公正証書遺言を作成する際には、通常、事前に公証人に遺言内容を伝えて案文を作成してもらっておき、作成当日にその内容を再度確認することになります。

そのため、公証人に案文を作成してもらう時間や、公証役場と日時調整をして公証役場に出向く必要があるなど、作成に時間がかかります。

また、公正証書遺言を作成する場合には、公証人に諸費用を支払う必要があります。
費用については、基本的な手数料は遺言の対象となる目的動産の価値により異なり、これに遺言書の枚数に応じた手数料加算などが行われて金額が決定されます。

2名以上の証人が必要となる

公正証書遺言を作成するためには、2人以上の証人の立会いが必要となるため、遺言者が証人となる2人を探さなければなりません(公証役場に証人を紹介してもらうことも可能ですが、その場合には、証人への報酬が必要です)。

証人となる人に特別な資格などは特に必要ありませんが、法律上、以下に該当する人は証人となることができないとされています。

  • ①未成年者
    未成年者は、まだ責任のある立場で証言する能力が不十分だからです。
  • ②遺言者の推定相続人及び受遺者並びにこれらの方の配偶者及び直系尊属
    これらの方はいずれも、遺言について利害関係があるため、公正な立場で遺言について証言することは困難であると考えられているためです。
  • ③公証人の配偶者、四親等以内の親族、書記及び使用人
    いずれも公正証書遺言作成の主体である公証人の関係者であるため、公正な立場で証言できないと見られるからです。

公正証書遺言を作成する流れ

以下では、公正証書遺言を作成する流れを説明していきます。
また、併せて、その際に必要となる書類についてもご案内します。

遺言書に書きたい内容のメモを作成する

遺言は、遺言者の意思を反映させ、相続人等に意思を伝えるものであるため、遺言者が何を伝えたいかが一番重要です。
そのため、あらかじめ、遺言書に書きたい内容をメモにまとめることが必要となります。

公証人は、そのメモに基づいて遺言書を作成しますので、遺言書に書きたい内容は忘れないようにメモに残しましょう。

●●の財産は、××さんに渡す、などの内容の記載が代表的なものといえます。

必要書類を集める

公正証書遺言を作成するためには、いくつか必要な書類がありますが、その代表的なものを以下の表にまとめました。

もっとも、公証役場によって必要書類は異なるため、公正証書遺言を作成する際には、別途、作成予定の公証役場にご確認ください。

内容 必要書類
遺言者本人を証明するもの ➀3ヶ月以内に発行された遺言者本人の印鑑登録証明書と実印
➁運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等、本人と顔写真付きの公の官署が発行した証明書と認印
のいずれか
相続人との続柄が分かるもの ➀遺言者が身内の方に相続あるいは遺贈する場合
→遺言者の夫婦、親子関係がすべて記載されている戸籍謄本
➁相続権のない第三者に遺贈する場合
→当該第三者の住民票
不動産がある場合 土地・建物の登記簿謄本、固定資産評価証明書(または最新の納税通知書)を各1通
預貯金がある場合 預金先、金額などのメモ等

2人以上の証人を探す

前述のとおり、公正証書遺言の作成のためには2人以上の証人の立会いが必要ですので、遺言者において、証人を探す必要があります。

証人と一緒に公証役場に行き、遺言書を作成する

通常は、遺言者と証人2名が都合の良い日時を決めて公証役場に行き、遺言者、証人2名がそろっているところで、公証人が原本と正本、謄本を読み合わせ、遺言者の意思を確認します。

間違いがなければ、原本に遺言者と証人2名に署名してもらい、遺言者は実印を、証人2名は認印を捺印することで、公正証書遺言が成立します。

その後、原本は公証役場で保管し、正本、謄本は、公証人が署名しこれに職印を押して割り印した上で、遺言者に渡します。

遺言書を作成する公証役場はどこ?

どこの公証役場の公証人に作成してもらっても差支えありません。

もっとも、後述のとおり、公証人に遺言者の所在地に出張してもらって作成する場合には、出張してもらう場所を管轄する法務局の管轄区域内の公証役場に所属する公証人に作成してもらう必要があります。

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公正証書遺言の作成が困難なケースと対処法

言語機能や聴覚に障害がある場合

公正証書遺言を作成するためには、「遺言者が遺言の趣旨を公証人に読み聞かせする(口授)こと」が必要ですが、口授する代わりに公証人と証人の面前で、通訳人の通訳によって遺言の趣旨を申述するか、遺言者が遺言内容を自書(筆談)することで、遺言内容を公証人に伝えて、これを公証人らが録取することによって、公正証書遺言を作成することもできます。

署名できない場合

前述のとおり、公正証書遺言は、本文も含め、公証人が遺言者の遺言の趣旨を聞き取って、それを筆記して内容を書面にします。

しかし、公証人が遺言書を作成後、遺言者及び証人は、筆記した内容が正確なことを承認した後、各自署名押印をする必要がありますので、遺言者が署名できない場合は、有効な遺言書が作成できないのではないかと思われるかもしれません。

しかし、もし、遺言者が健康上や身体上の理由で署名できないときは、公証人がそのことを付記することで有効に成立させることができます。

公証役場に行けない場合

公証人は、原則として自己の役場で執務しなければなりませんが、公証証書遺言は公証人が遺言者の所在地に出張して作成することもできます。

そのため、公正証書遺言を作成したいが、病院に入院していて外出できなかったり、自宅で生活しているものの高齢のため外出が不安で、公証役場まで出かけるのが難しいといった事情がある方でも、公証人が出張して、遺言書を作成することが可能です。

もっとも、出張できる土地の範囲は、その公証人が所属する法務局の管轄区域内とされているため、たとえば、東京法務局に所属する東京都内の役場の公証人が、千葉市内の病院や自宅まで出張して作成することはできません。

また、費用も、公証役場で作成する場合よりやや割高になります。

公正証書遺言の作成を弁護士に依頼するメリット

遺言内容の相談ができる

公正証書遺言をご自身で作成される場合には、ご自身で内容を考え、組み立てなければなりません。その場合、遺留分侵害額請求権を考慮する必要があるなど、留意すべき点がいくつかあります。

この点、弁護士であれば、このような法的な問題やリスクについてもご説明し、これを考慮した内容の公正証書遺言の作成ができます。

書類準備などの手間が省ける

公正証書遺言の作成を弁護士にご依頼されれば、前述の必要書類の準備もすべて弁護士が行います(ただし、印鑑登録証明書はご自身でご準備いただく必要があります)。

登記事項証明書などの準備は手間や時間がかかるため、ご自身で取得する手間がないというのは大きなメリットの一つです。

遺言執行者として選任できる

ご依頼された弁護士を遺言執行者として指定することができます。

遺言執行者は、相続財産を管理し、遺言の執行を行う者ですが、弁護士は、法律の専門家であり、相続問題にも精通していますので、弁護士を指定することで、遺言の執行をスムーズに行うことができます。

公正証書遺言に関するQ&A

公正証書遺言にすれば確実に効力がありますか?

公正証書遺言は、公証人が作成するものであるため、要件を満たさないまま遺言書が作成されることはあまり考えられません。
また、遺言者の遺言能力についても、遺言者が遺言の趣旨を説明する際の態度等から、遺言能力の有無を公証人が確認するので、公証人によって遺言者の遺言能力が担保されており、この点もあまり問題にはなりにくいといえます。

なお、前述の、本来「証人となることができない人」が証人となった公正証書遺言は無効となります。

一度作成した公正証書遺言の内容を変更することはできますか?

民法では、遺言者はいつでも遺言の方式に従って、遺言の全部又は一部を撤回することができると規定しています。
そのため、公正証書遺言の内容を後から変更したいと思った場合は、改めて遺言書を作成することで内容を変更することができます。

このとき、また公正証書遺言を作成しなければ内容の変更ができないというわけではなく、自筆証書遺言等、別の方式の遺言でも内容の変更が可能です。

公正証書遺言があることは死亡後通知されますか?

公正証書遺言があることが遺言者の死亡後に通知されることはありません。
そのため、公正証書遺言の存在を信頼できる第三者に伝えておくことをおすすめいたします。

なお、遺言者の死亡後、法定相続人、受遺者、遺言執行者などの利害関係人であれば、公証役場に対し、公正証書遺言が存在するかの照会を請求することができます。

遺言書を見せてもらえません。公証役場で開示請求はできますか?

公正証書遺言の内容を見せてもらえない場合は、公証役場に開示請求をすることで、内容を確認することができます。どの開示請求は、全国どこの公証役場でもできますし、料金も無料で利用できます。

開示請求の際には、
➀遺言者の死亡の記載がある除籍謄本
➁紹介者が遺言者の利害関係人であることを証明する資料(相続人の場合は、紹介者が相続人であることがわかる戸籍謄本)
③本人確認書類(運転免許証・印鑑証明書・旅券等)
を提示する必要があります。

公正証書遺言に関する不安、不明点は弁護士にご相談ください

公正証書遺言の作成の流れや注意点などについて説明いたしましたが、公正証書遺言の作成の際には、気をつけるべき点や、法的なリスク等も多いことがお分かりいただけたと思います。

遺言は、自身が亡くなった後に、自身の財産についてどうしてほしいかという、ご自身の意思を伝え、実現させる大事なものですので、公正証書遺言を作成する場合にも、問題のないものを作成されたいと思います。

相続には専門的な部分も多く、遺言の作成にあたっては、注意すべき点もケースによって異なるため、公正証書遺言に関してご不安がある方や、ご不明な点がある方は、一度弁護士にご相談ください。

名古屋法律事務所 所長 弁護士 井本 敬善
監修:弁護士 井本 敬善弁護士法人ALG&Associates 名古屋法律事務所 所長
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:45721)
愛知県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。