弁護士との顧問契約

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会社が弁護士と顧問契約を結ぶ。それにはどのようなメリットがあるのでしょうか。個別の問題について一つ一つ弁護士を依頼するか判断して、自分では対処できないものだけ依頼した方が安上がりなようにも思えます。そこで、今回は、顧問契約のメリットについてお話します。

1 場当たり的な対応ではなく、今後の問題を未然に防ぐための目的意識を持った対応ができる。

個別の問題について一つ一つ弁護士を依頼する場合、あくまで「当該問題の解決」が目的となります。例えば社内でセクハラが生じた際には、加害者の処分や被害者のフォローといった当該問題に対する対応が不可欠です。

しかし、企業にとって本当に重要なのは、そのセクハラの背景にある管理職のハラスメント問題に関する認識改善や会社のハラスメント問題を解決するための体制を構築することです。

個別依頼をした場合、「当該問題の解決」をすることが可能ですが、今後発生し得るリスクや会社の体制を抜本的に解決することまではできません。顧問契約であれば、継続的なお付き合いを前提とするため、企業のリスクを回避することに可能です。

2 予防法務の観点について

顧問契約をした場合、仮に、何らかの紛争が生じたとしても、当該問題の場当たり的な解決のみならず、抜本的な解決を行うことが可能なのは、前述のとおりです。

もっとも、企業にとって、最も大切なことは、「そもそも紛争化させない」ことです。

例えば、セクハラ問題であれば、予め就業規則にハラスメント対策を明記し、企業内でハラスメント関連に対する体制を構築することや社内でハラスメント研修を行い、ハラスメントに関する認識を共有することで、セクハラ問題を生じさせないことや紛争化させないことが可能です。その他にも、契約書のリーガルチェックを行うことで、将来的なリスクを回避するために、不利益な条項を指摘したり適切な条項を追加することの法的なアドバイスをすることが可能です。

このような行為によって、「そもそも紛争化させない」ということが可能となっていくのです。当然ながら、あらゆる問題を100%防ぐということは不可能でしょう。しかし、仮に問題が生じた場合であっても、その紛争を激化させない対応をあらかじめ取ることが可能と言えます。

以上のように、顧問契約をした場合は、場当たり的な解決ではなく、問題が生じないように抜本的な解決が可能となるのです。

3 それぞれの会社の事情や方針に寄り添った解決方法が提案できるようになる。

例えば、契約書のリーガルチェックを行い、企業にとって不利益な点を削除したり、有利になるよう条項を追加することで将来的な紛争を回避することや紛争になった場合にも有利に進めるための法的アドバイスを行います。しかしながら、企業間の力関係や今後の付き合いの関係上、取引先に対して契約書の変更を申し入れても、受け入れられないということも多々あります。

では、かかる場合の契約書のリーガルチェックは無意味なのでしょうか。契約書のリーガルチェックは、仮に紛争になった場合のリスクを「知る」ことに意義があります。例えば、契約書を取り交わす際に、将来的なリスクを知っていることと知らないことでは大きな違いがあります。契約を行う際に、リスクを知った上で企業判断として、当該法的リスク以上のメリットがあると判断し契約を行うこともあります。しかし、このようなリスクを知らなければ、そもそも適切な企業判断をすることさえ出来ません。したがって、リーガルチェックは企業が契約を行う上で、適切な経営判断をする上で必要不可欠なことと言えます。

以上のとおり、契約書のリーガルチェックは、不利益な点の変更、有利な条項の追加、将来の法的リスクを知るという意味で有用と言えます。そして、このような提案は、会社の事情によって異なります。つまり、会社によっては、どうしても避けなければならないリスク、得たいメリットは様々です。単に利益のみを追求すれば違うのかもしれませんが、会社の名誉、方針などによって考え方が異なるからです。顧問弁護士は、会社の事情を熟知していますので、このような会社の事情に応じてアドバイスが可能となります。

このように顧問弁護士は、それぞれの会社の事情や方針に沿った提案が可能となり、スポットで契約するだけの弁護士よりもメリットが大きいのです。

4 弁護士の介入のタイミングが早まり、リスクと解決のためのコストが低下する。

多くの方は、問題が顕在化する前に弁護士に相談をすることは稀です。そのため、多くの場合、弁護士が介入するのは、問題が顕在化した後になります。

しかし、上記でも記載したとおり、適切に問題に対応するには、「事前」の対応の方が重要です。我々の感覚で言うと、多くの場合、弁護士に相談をするタイミングは遅すぎるといえます。

また、弁護士への相談が遅れれば遅れるほど、通常は、問題が複雑化していきます。当初、金額の問題だけだったものが、交渉過程の発言や態度で、問題の本質とは違う部分で対立が激しくなっているということも珍しくありません。

弁護士の費用は、一般的に、どれほどの金額の事件なのかが大きな事情ですが、それ以外にも、問題の複雑性も大きな事情となります。そのため、弁護士の介入が遅くなった結果、問題が複雑になると、弁護士費用が高くなるということも珍しくありません。つまり、コストを抑えようとした結果、問題が起きるだけでなく、問題の解決にかかる費用も増えてしまうということも起きてしまうのです。

確かに顧問契約は、月々の支払いがありますので、固定的に一定の金額がかかっていきます。しかし、そもそも問題が起きにくいようにする、問題が起きても最小限に抑えるということを考えると、そのコストに見合う結果を得ることが出来ると考えております。

5 最後に

以上のとおり、顧問弁護士については、様々なメリットがあると言えます。一度、顧問弁護士の契約をご検討いただければと思います。

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1 はじめに

労働事件を解決しようとした場合、我が国では訴訟、少額訴訟、行政による各種あっせん手続というものが用意されています。これに加えて、平成18年、労働事件についての紛争解決手続として、新たに労働審判が導入されました。

労働審判が導入された背景には、賃金不払いや解雇といった労働者個々人と企業との間の労働関係において生じる紛争が増加する一方で、労働関係事件については労働者の生活基盤に直接に影響を及ぼし、特に迅速な紛争解決が望まれ、訴訟手続に限らずに労働関係事件の適正・迅速な処理をする要請が大きかったという事情がありました。

ここでは、労働審判について記載していきます。

2 手続の概要

労働審判は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下、「個別労働関係民事紛争」といいます。)を対象にした紛争解決手続で、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的としています(労働審判法1条参照)。

労働審判では、労働審判官(裁判官)1名と、労働関係に関する専門的な知識経験を有する労働審判員2名で構成された労働審判委員会が事件を審理することになります(労働審判法7条)。

労働審判では、特別の事由がある場合を除き、労働審判手続の申立てがされた日から40日以内の日に労働審判手続の第1回の期日が指定されます(労働審判規則13条)。そして、労働審判では、原則として3回以内の期日で審理し、調停(話し合い)による解決が試みられます(労働審判法15条参照)。調停による解決ができない場合には、労働審判委員会が労働審判を行い、紛争の解決を図ります(労働審判法20条参照)。労働審判委員会が労働審判を行い、当事者から異議の申立てがなされなかった場合には、その労働審判は裁判上の和解と同一の効力を有します(労働審判法21条参照)。他方で、当事者から異議の申立てがなされた場合には、その労働審判は効力を失い、当該労働審判手続の申立て時点で、地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされます(労働審判法22条参照)。

3 留意点

労働審判は、個別労働関係民事紛争について、原則として3回以内の期日で審理し、紛争に対する何らかの解決指針が示されます。この点について、3回以内の期日で審理されることからすれば、初回の期日までに主張・立証する準備が整わなかったものについては、次回以降の期日に主張・立証すれば問題ないと思われるかもしれません。しかし、このように時間に余裕があると考えて対応することは、裁判所における労働審判の運用を踏まえれば、非常にリスクが大きいものになります。言い換えると、労働審判においては、初回の期日(労働審判手続の申立てがされた日から40日以内)が勝負と言っても過言ではありません。これは、現在の労働審判の運用状況が関わっています。

労働審判では初回の期日に審尋(当事者から事情を聴く手続)が行われ、当事者の話を聴いた上で、同期日以降に調停による解決が試みられ、多くの事件が第2回期日までには調停が成立しています。すなわち、現在の労働審判の運用では、第1回の期日には、労働審判委員会が争点整理と必要な証拠調べを実施し、評議をして心証を固め、当事者に調停案を示して調停を試み、第2回・第3回の期日には調停案を提示して積極的に調停を試み、調停が成立しなければ、労働審判に至るという流れになっています。このような労働審判の運用からすれば、初回の期日には事件の内容に関する審理はほぼ終わっており、通常の民事訴訟のように次回期日があるとは思わないほうが良いでしょう。第2回期日以降になって、新たに主張・立証したとしても、労働審判委員会では既に心証形成がなされているのであり、固まってしまった心証を覆すことは困難となるでしょう。

この点、申立人のほうは、当然、入念な準備をした上で労働審判の申立てをしているはずですから、準備不足で主張・立証が漏れるということはないでしょう。他方で、会社側は、裁判所から通知が届いてから、労働審判を申立てられたことを知るわけですから、準備する時間が足りないことが容易に想像できます。しかし、労働審判では初回の期日に心証が形成されてしまうわけですから、泣き言ばかり言っていられません。初回の期日までに申立書に記載された事実の認否を明らかにし、必要かつ十分な主張・立証を尽くした答弁書を提出する必要があります。そのためには、会社側で、申立書に記載された事実及び証拠について精査しなければなりません。その上で、会社側の主張を法律文書にして、提出して良い証拠か否か検討しなければならないでしょう。また、初回期日には審尋があるため、当日いきなり審判官や審判員から質問されて、答えられないということがないように準備しておく必要もあります。

このように、労働審判では、準備するために与えられた時間が限られているにもかかわらず、初回期日までに準備しなければならないことが多くあります。時間がない状況で、これらの手間がかかる作業を行うことは、専門的な法律知識が要求されることも考えると、会社側にとって非常に大きな負担となるでしょう。そのため、労働審判手続の申立書が届いたら、すぐに法律の専門家である弁護士に相談したほうが良いでしょう。この点、当事務所は、労働審判の経験が豊富にありますので、是非ご相談ください。

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労働組合から団体交渉の申込みがあったにもかかわらず、これを正当な理由なく無視することは極めて危険です。また、団体交渉の場において、高圧的な物言いや怒声・罵声を浴びせる、物を投げつける・机を不必要に強く叩く、資料の開示が必要であるにもかかわらず一切の説明も行わない等、企業が団体交渉に誠実に応じない場合には、違法行為と評価されます。

1 団体交渉の意義

団体交渉とは、労働者が労働組合を結成し、使用者又は使用者団体と労働条件をはじめとする使用者と労働者との関係に関するルールについて交渉を行うものです。

労働組合法6条は、「労働組合の代表者又は労働組合の委任を受けた者は、労働組合又は組合員のために使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉する権限を有する」と規定しており、組合等に対して団体交渉権を付与しているため、企業は団体交渉の申出があった場合、これに対応する必要があります。

2 団体交渉の流れ及び留意点

団体交渉の流れは、①組合の方から団体交渉の申入があり、②当該申し入れに対する回答をし、③団体交渉を行い、④合意が成立した場合には協定書が作成されることになります。また、④´合意が成立しない場合には、交渉を打ち切る場合もあります。

(1)①について

まず、労働組合から組合の結成通知書と団体交渉申入書が送付されます(送付方法は様々であり、FAXや郵便のみならず、企業に組合が来訪し直接交付されることもあります。)。申入書には協議事項や組合の担当者の氏名・連絡先等の様々な情報が記載されているため、企業はこれを十分に精査する必要があります。また、当該情報から、どのような組合なのか、交渉事項は何なのか、企業の担当者を誰にすることが適当か、弁護士との打合せ等の調査・検討をすることになります。

そして、団体交渉の申入れがあった場合、企業は最初に当該団体交渉を応じるか否かの決断をしなければなりません。下記記載のとおり、正当な理由なく団体交渉に応じないことは、不当労働行為や不法行為に該当します。また、義務的断交事項(企業が必要的に団体交渉に応じなければならない事項)か任意的断交事項(純粋な経営権に関する事項であり、企業が団体交渉に応じるか否かを任意的に決定できる事項)かを峻別することは非常に難しいと言わざるを得ません。更に、当該組合が適法に組織されたものか否かの明確に判断することも、交渉の初期段階では難しいのが実情です。ゆえに、企業の基本的な方針としては、団体交渉の申し入れがあった場合、当該団体交渉に応じる方向で検討することが妥当です(仮に、任意的な断交事項に関する団体交渉の申し入れがあった場合でも、まずは団体交渉に応じ、交渉の場で組合に対し任意的断交事項に関する事項であると説明することで足ります。)。

(2)②について

回答書は、まずは、団体交渉に応じるか否かの回答をします。また、団体交渉の日時・場所を調整し、出席者を明らかにします。更に、断交申入書に記載された断交事項が漠然としており不明確な場合、組合に対して、明らかにするように求めることも必要です。

特に、団体交渉の日時や場所の調整は大切なポイントとなります。組合の事務所で行う場合、企業にとってアウェーでの交渉となるため、萎縮効果が生じる可能性があります。また、交渉が決裂し、企業が退室を求めたにも関わらず、組合員が担当者の退室を阻害してくることもあります。他方で、企業の事務所で行う場合、交渉中は当該事務所の施設が使用できなくなったり、予定していた交渉時間が過ぎても組合員が退室せず、交渉時間が徒に延長される可能性もあります。ゆえに、必要がある場合には、貸会議室等を予約し、当該場所にて交渉を行うことも有効です(貸会議室等の場合、利用時間を指定することで、交渉時間が徒に延長することを防ぐことも可能です。)。

(3)③について

団体交渉をするにあたって、録音機器を用意すること、想定問答を行うこと、弁護士と役割分担の打合せ等の事前の準備を怠ってはいけません。また、企業には誠実に交渉を行う義務があることから、事前に組合から資料の提出を求められていた場合には、当該資料を持参することも忘れてはなりません。

断交の当日、発言や態度には十分に留意する必要があります。更に、議事録を作成することも必要です。なお、議事録作成にあたっては、双方で認識を共有するためにも、その場で確認をすることを怠ってはいけません。

仮に、協議の継続が必要になった場合、次回の協議期日を決めることになります。

(4)④、④´について

協議がまとまり、合意が成立した場合、組合と企業との間で協定書を作成し、合意事項を書面化することが必要です。仮に、協議を続けても平行線であった場合、協議を打ち切ることを検討する必要があります。そして、協議を打ち切るタイミングをいつにするかは非常に難しいと言わざるを得ません。十分に協議がされていないにも関わらず、企業が一方的に協議を打ち切った場合、誠実交渉義務に違反したとして、損害賠償の対象になりかねません。他方で、組合員から企業の担当者が監禁されたり、暴行・脅迫を受けた場合には、即座に協議を打ち切る必要があります。かかる協議の打ち切りのタイミングは、弁護士と打合せする必要があります。

3 団体交渉における留意点

(1)団体交渉を無視した場合のリスクについて

労働組合法7条2号は、「労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由なく拒むこと」を不当労働行為と規定しています。仮に、企業が正当な理由なく団体交渉を拒否する場合、労働組合は各都道府県労働委員会に対して、救済申し立てを行います。そして、労働委員会において、不当労働行為に該当すると判断された場合、救済命令が発せられることになります。そして、使用者が確定した救済命令に違反した場合、「五十万円(当該命令が作為を命ずるものであるときは、その命令の日の翌日から起算して不履行の日数が五日を超える場合にはその超える日数一日につき十万円の割合で算定した金額を加えた金額)以下の過料に処」(労働組合法32条)されることになります。更に、救済命令が行政訴訟により確定し、使用者が救済命令に違反した場合は、「一年以下の禁錮若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれに併科」(労働組合法28条)されることになります。加えて、使用者による不当な団体交渉を拒否する行為が不法行為(民法709条)にあたるとして、使用者は損害賠償責任を負うことになります(東京地方裁判所平成21年3月27日判決は、「使用者が、労使間の団体交渉において、労働者の団体交渉権を尊重して誠意をもって団体交渉に当たるべき義務に違反したことが、団体交渉権の侵害に該当する場合には、使用者の労働組合に対する不法行為(民法709条)が成立し得る」と判断しています。)。

また、例えば、労働組合が団体交渉を不当に拒否する会社につき糾弾する内容のビラを配ったり、インターネットを通じて配信することもあります。このようなビラや記事を見た一般人からすれば、当該企業に対して偏見を持ち、結果的に企業価値を毀損することになりかねません。

(2)団体交渉の場におけるリスクについて

団体交渉の場において、交渉がヒートアップし、使用者が組合員に対し、暴言や失言をしてしまったり、机を不必要に強く叩き威圧することがあります。そして、このような使用者側の団体交渉における態度は、民事訴訟において損害賠償の対象になりかねません。特に、組合は、団体交渉の席において録音を行うことがよくあるため、使用者は発言に十分に留意する必要があります。

また、企業に誠実交渉義務があります。そして、組合に資料等の提出を求められていたにも関わらず、正当な理由なく、これを開示しない場合には、誠実交渉義務に違反したとして、損害賠償の対象になりかねません。

4 最後に

団体交渉の申込みを不当に無視することは、前記のとおり、不当労働行為や不法行為に該当します。かかる行為は、紛争を拡大するだけであり、企業にとって著しい不利益になります。ゆえに、企業は、団体交渉について、誠実に対応する必要があります。また、使用者が団体交渉の場において誠実に交渉を行なわない場合、損害賠償の対象や企業価値を毀損する結果になりかねません。

他方で、企業に法律上課されている義務は、団体交渉に誠実に応じる義務のみで、組合が提示した条件に応じる義務や譲歩しなければならない義務は法律上ありません。企業にとって著しい不利益な条件を組合から提示された場合、かかる条件について応じないとの決断をする必要があります。

労働組合から団体交渉を申し込まれた場合には、弊所までご相談下さい。

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代表的なハラスメントとしては、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントなどが挙げられるかと思います。昨今において、職場内のハラスメント対策が重要視され、法改正等により、セクシュアルハラスメント等については、就業規則等で定めておくことが義務付けられました。このページでは、ハラスメントの意味、ハラスメント対策等について、ご説明いたします。

1 ハラスメントとは

一般には、「相手が嫌がることをした時点でハラスメントなのだ」などと言われることがあります。確かに、ハラスメントとは、嫌がらせのことを意味していますから、言葉の意味としては、相手が嫌がることがハラスメントといえるのでしょう。

しかし、法律上問題となるハラスメント、つまり、違法と判断されるハラスメントという意味では、単に相手が嫌がることというだけでは、足りません。例えば、「相手が嫌がること」を違法なハラスメントと考えた場合、業務上、必要な注意をしただけで、違法なハラスメントになりかねません。つまり、業務上必要な注意すら出来なくなる可能性があります。そのため、「相手方が嫌がること」=「違法なハラスメント」と考えることが相当ではないことは明らかでしょう。

では、どのような場合に違法なハラスメントといえるのでしょうか。上記の業務上の注意ということを例にとって考えると、ちょっとしたミスで長時間叱り続けるとか、人格批判に当たるような叱り方であれば、違法なハラスメントに当たる可能性が高いと言えます。

このように、違法なハラスメントに当たるかどうかは、状況によって変わると言え、単純に判断できないものと言えます。

2 ハラスメント対策の必要性

昨今において、ハラスメント対策が必要であることは、当然のことのように考えられていますが、そもそもなぜハラスメント対策が必要なのでしょうか。

これについては、様々な観点で考えることが出来ますが、一つの理由としては、ハラスメント対策がなされていないと業務が行えないということが一つの理由と言えます。例えば、上司が部下を注意するという場面を考えてみましょう。この際、ハラスメント対策がなされていないと、上司が部下に対して、人格を批判するような叱り方をしたり、不必要に長時間注意を続けるなどをしてしまうかもしれません。上司としては、部下がやる気になるようにと思って(自分への怒りで発奮することを狙って)、人格批判をしているのかもしれませんし、長時間注意をしているのかもしれません。つまり、上司としては、良かれと思って注意をしているつもりでも、それが違法と判断される状態であれば、企業としては、その上司に対して、注意をしたり、場合によっては処罰をしたりするほかありません。このようなことが続けば、上司は会社からの注意を恐れて部下に指導が出来なくなりますし、部下としては成長のチャンスを失っていきます。その結果、企業としては、人材が育たないということになってしまいかねません。

上記の例以外でも、何が違法なハラスメントに当たるのかが分からないと、日常のコミュニケーションを取ることすら困難になってしまうでしょう。その結果、同僚間でのコミュニケーション不足により職場環境が悪化してしまうことは容易に想定できるところです。

このように、企業において、適切なハラスメント対策がなされていないと、日常の業務に悪影響を与えることになってしまうのです。

3 ハラスメント対策

では、どのようにハラスメント対策をしていくべきでしょうか。

これについては、まずは、ハラスメントについて、正しく理解することが必要となります。何がハラスメントに当たるのかを正しく知っていれば、上司の部下に対する指導が不適切になる可能性はグッと下がるでしょう。また、日常のコミュニケーションについても、何を言うべきではないか、何を言ってもよいかが判断できるようになり、円滑なコミュニケーションが可能になると言えます。このように、ハラスメント対策としては、まずはハラスメントについて正しく知ることと言えます。

次に、企業内でのルール作りが対策として考えられます。会社としてどのような方針を持っているのか、どのような考え方を持っているのか指針がなければ、そこに勤めている従業員としても、ハラスメントについて指針を持つことは困難でしょう。そのため、就業規則等で、ハラスメントについてどのような方針を持っているのかを明確にしておくことは必要なことと言えます。

ほかにも、ハラスメント対策について対応する部署を作ることや、ハラスメントに関する講習等をすることも重要な対策といえるでしょう。

4 ハラスメント対策における弁護士の有用性

上記のとおり、ハラスメント対策において重要なのは、何がハラスメントに当たるのかを知ることです。そのために社内で勉強会をして、知識を付けていくということももちろん可能だと思います。

しかし、同じような行為であっても状況によって違法なハラスメントに当たったり、適法と判断されたりと、その判断は微妙です。そして、その判断を分けた要因についても、単純ではなく、何が重要なのかは十分な知識がなければ困難でしょう。

弁護士は、幾多の労働問題を取り扱っており、ハラスメント問題についても多く扱っています。そのため、十分な知識を有しておりますので、単に社内で勉強会を開くよりも、弁護士によるセミナー等の方が、正しく知識を得ることが出来ると言えるでしょう。

また、企業内のルール作りにおいても、前提として法律知識が必要不可欠となります。上記のとおり、弁護士は、十分な知識を有していますので、企業内のルール作りをするにも適切なアドバイスが可能となります。

そして、セミナーをするにしても、企業内のルール作りについても、その企業の状況を十分に知っていることが重要と言えます。当然ながら企業ごとに、抱えている問題は様々です。それはハラスメントにおいても同じです。したがって、企業の状況を知った上で、セミナー等を行う方が適切なのであり、顧問弁護士等、その企業のことをよく知っている弁護士に依頼するのが適切と言えます。

5 まとめ

以上のとおり、ハラスメント対策は、非常に重要なこととなっています。そして、顧問弁護士は貴社と共に対策を考えていける存在だと言えます。当事務所は、セミナー等も多数行っており、ハラスメント対策についてもお力になれると思います。ハラスメント対策という側面から考えても、顧問契約をご検討していただければと思います。

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1 はじめに

会社を経営していく上で、労務管理の問題は避けては通れない問題です。会社の中には、真面目で勤勉な社員がいる一方で、無断欠勤・遅刻を繰り返す社員、セクハラ行為やパワハラ行為に及ぶ社員など、問題社員がいることが少なくありません。このような問題社員がいることによって、会社の生産性を低下させたり、他の社員の士気を下げることで職場の雰囲気を悪くしたりする可能性があるだけでなく、社外での行動によっては会社の世間での評価を下げることにもなりかねません。このような問題社員の存在は、経営者にとっては悩みの種でしょう。会社としては、問題社員に対して、どのように対応するか十分に考える必要があります。以下では、問題社員の対応について記載していきます。

2 問題社員の類型

問題社員と一口に言っても、その社員の問題行動は様々です。もっとも、その問題行動について、ある程度類型化することは可能です。以下では、問題社員の類型について、簡単に説明します。

・勤務態度不良型

正当な理由なく遅刻・欠勤したり、就業時間中に携帯でゲームをしたりするなど、社会人として最低限のルールも守ることができていない社員のことをいいます。この類型の問題社員について何ら対応を採らずに放置した場合、他の社員としては、仕事中に遊んでいるような社員と給与面等の条件が変わらないことに不満を覚えるでしょう。したがって、会社としては、他の社員の士気を下げないためにも、何らかの対応を検討すべきでしょう。

・労働能力欠如型

会社の業務を遂行するにあたり、その業務を遂行するに足りる能力を欠いている社員のことをいいます。この類型の問題社員がいる場合、他の社員は、問題社員の仕事のフォローをしなければならず、負担が大きくなります。また、会社としては、利益を追い求める以上、生産性の低い社員がいてもらっては困ります。そのため、会社は、生産性を向上させるためにも、何らかの対策を採ることを検討すべきでしょう。

・協調性欠如型

コミュニケーション能力に難があり、他の社員から話しかけられても無視したり、一方的に責め立てたりするなど、社員間の和を乱す社員をいいます。この類型の問題社員が職場にいると、他の社員のモチベーションが下がったり、組織の指揮系統が乱れたりします。組織の根底から崩壊するおそれもあるため、会社は、何らかの対応を検討すべきでしょう。

・ハラスメント型

職場で他の社員に対して、セクハラをしたり、パワハラをしたりするなど、何らかのハラスメント行為に及ぶ社員をいいます。この類型の問題社員を野放しにしておくと、他の社員のモチベーションが低下するだけでなく、直接の被害者になる社員が休職したり、退職したりするまでに至ることもあります。このような大事になる前に、会社は、何らかの対応を採らなければなりません。

・私生活上の問題行動型

仕事以外のプライベートの時間に、酔っぱらって他人に暴力を振るうなどの非違行為に及ぶ社員のことをいいます。この類型の問題社員がいる場合、問題社員の行動によっては逮捕・拘留されている場合もあり、会社の名誉や信用が害されるおそれがあります。会社としては、何らかの対応を検討すべきでしょう。

・メンタル型

精神的な病気を原因として、勤務することができない社員のことをいいます。この類型の問題社員がいる場合、当該社員から、会社の職場環境が原因で精神的な病気が発症したとして、会社が訴えられることもあります。会社としては、何らかの対応を検討すべきでしょう。

3 問題社員への対応

すでに記載したとおり、問題社員には、様々な類型があります。会社としては、問題社員を解雇・雇止めして、会社を去ってもらうことが最もシンプルで採りたい解決策だと思います。もっとも、我が国の判例は、これまで長期雇用システムを前提として解雇権濫用法理を確立し、解雇及び雇止めを厳しく制限してきました。このような現状において、会社が、問題社員を解雇・雇止めした場合、問題社員が不当な解雇・雇止めであると主張して、解雇・雇止めの有効性を争われるおそれがあります。また、問題社員の類型の違いにより、問題度も大きく変わってくるのであり、類型に応じて、会社が問題社員に対して採るべき対応も異なってくるでしょう。そのため、会社は、問題社員に対して、指導・警告の対応を採るのか、退職勧奨の対応を採るのか、それとも懲戒解雇の対応を採るのかなど、どのような対応を採るのか十分に検討しなければなりません。しかし、このような検討は、労務管理に精通した法律の専門家でないと、なかなか困難でしょう。この点、当事務所では、労務管理の経験やノウハウも十分にありますので、是非、一度ご相談ください。

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1 はじめに

労働者にとって、会社から支払われる賃金は生活の糧であり、最大の関心事のひとつです。会社にとっても、労働者に支払う賃金は経営上不可欠のコストのひとつであり、無視できないものです。そのため、労働者と会社との間で、賃金を巡って争われることが非常に多いです。例えば、労働者が、会社に対して、残業代が支払われていないとして、未払残業代の支払いを請求することがあります。このような労働者の会社に対する請求が、適切な請求である場合には、労働者の仕事へのモチベーションを維持するためにも、速やかに請求に応じる必要があるでしょう。一方、労働者の会社に対する請求に根拠が全くなかったり、過大な請求であったりする場合には、会社において適切に反論する必要があるでしょう。いずれにしろ、会社にとっても、賃金を巡る紛争は重大な労働問題であって、経営に多大な影響を及ぼしかねません。そのため、労働者から、残業代・未払賃金の支払いを請求された場合には、慎重に対応する必要があるでしょう。

ここでは、会社が、労働者から、残業代・未払賃金の支払いを請求された場合に、どのように対応すべきかについて記載します。

2 会社としての対応

まず、会社としては、労働者がどのような根拠に基づいて請求しているのか確認しなければなりません。未払賃金の請求と一口に言っても、争点としては、労働時間該当性(始業時刻と終業時刻、手待時間、時間外労働の労働時間性など)、管理監督者該当性、固定残業代制度の有効性など数多くあり、争点ごとに主張・立証すべきポイントが変わってきます。そのため、労働者の請求内容を正確に把握することが重要になります。

つぎに、会社としては、労働者の請求内容を正確に把握したことを前提として、基本的な事実関係について確認しなければなりません。具体的には、労働者の所定労働時間(始業時刻と終業時刻、実労働時間など)、所定休日の日数、給与の金額・各種手当の金額などは、早期に確認すべきでしょう。基本的な事実関係を早期に確認することができれば、労働者との認識の齟齬がどこにあるのか把握することができ、今後の見通しを立てる上でも非常に有用です。

そして、労働者の請求内容及び基本的な事実関係を把握することができたら、今後の見通しを立て、会社として、どのような方針で対応していくかを決定しなければなりません。ここでの対応の方針の決定の如何が、今後の会社の経営に大きな影響を及ぼす可能性もあるため、慎重な検討が必要となります。

さらに、会社として、労働者からの請求に対して、どのような方針で対応していくか決定したら、方針に基づいて、実際に行動に移すことが必要になります。この際、どのような行動に移すかについても重要になってきます。すなわち、労働者が今後も会社で働き続けるのであれば、円満かつ早期の解決を目指して交渉段階で紛争を終結させたほうがベターな場合もあるでしょうし、労働者の請求内容には何ら正当な理由がなく、訴訟で会社側の正当性を主張して徹底的に争ったほうがベターな場合もあるでしょう。そのため、会社が、対応の方針に基づいて、どのような行動に移すかについても、十分に検討する必要があるでしょう。

このように、会社が、労働者から、残業代・未払賃金の請求を受けた場合、早期かつ大量に確認、検討しなければならないことがあります。いずれについても、労働関係法規についての正確な知識や理解が必要となります。そのため、労働者から、残業代・未払賃金の請求を受けた場合、法律の専門家である弁護士に相談されることを検討したほうが良いでしょう。当事務所は、残業代・未払賃金の請求を受けた案件を豊富に経験しておりますので、是非ご相談ください。

3 今後の会社のリスク対応

会社としては、個々の労働者からの残業代・未払賃金の支払請求事案が解決したからといって、そこで安心するのは時期尚早です。労働者から、残業代・未払賃金の支払請求がなされるということは、会社の雇用制度や賃金規定などに不備が存在する可能性が高く、そのままにしておけば、第2・第3の残業代・未払賃金の支払請求を受ける可能性があります。そのようなリスクを回避するためには、従前の制度を見直し、根本的なところから改善することが必要不可欠です。これについては、勤怠管理の方法の確認のほか、雇用契約書や就業規則の規定のチェックなど、多くの作業を行わなければならない上、その作業には企業法務についての正確な知識や豊富な経験が要求されます。そのため、企業法務に精通した弁護士に相談されることをお勧めします。その点、当事務所は、会社からの法律相談や就業規則のチェックなどを数多くこなしており、豊富な経験やノウハウがありますので、予防という観点からの企業法務について的確なアドバイスをすることが可能です。

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